第20話 御影奈々対東郷静香
「ふーん」
マリアは、体育館の屋上で寛ぎながら戦いの状況を画面で見ながら、驚くこともなく淡々と見ていた。
「さて、最期だな」
そして、屋上で対峙している御影奈々と東郷静香の戦いを見始めた。
屋上では、互いに直立で剣を出してしばらく見合っていた。
「いくぞ」
先に動いたのは、東郷であった。
建屋から、飛び降り奈々にまっすぐ向かっていった。
奈々は、ゆっくり剣を上げ構えた。
ガガガガキンッ
以前のように、二刀で交互に振るっていったが奈々は、冷静に捌いた。
「せいっ」
奈々は、隙を見て剣を横に薙ぎるが東郷は、後ろに飛び躱した。
「以前より、動きが変わったか」
「練習の成果が出てるってことだよ」
「そうか」
「今度は、こっちの番だよ」
奈々は、蹴るように飛び出し一気に間合いを詰めた。
「うりゃりゃりゃりゃー」
ガガガガガキンッ
素早く上下左右に剣を振るうが東郷も冷静に捌いた。
「ていっ」
奈々が、横に大きく薙ぎった瞬間東郷は上に飛んだ。
東郷は、回転して背中を斬ろうとしたが
「あまいっ」
奈々は、素早く剣を逆手に持ち替え脇から剣を突き上げた。
バキンッ
回転しながら突き上げてくる剣を払い東郷は、そのまま着地した。
しかし、奈々の剣は東郷の肩にかすっていた。
「ふふん」
奈々は、どうだといわんばかりの顔で東郷を見た。
「以前のような、見境なく振り回す戦闘ではないな。型にはまってないように見えてそうではなく、確実に当てていくスタイルだな」
東郷は、冷静に奈々の動きを見て答えた。
「前は、ぶちキレてたからねぇ」
頬をぽりぽり掻いて奈々は、苦笑した。
「なるほどな」
「お姉ちゃんには、『常に冷静でいろ』と言われるんだけどなかなかできないんですよねぇ」
「そうか」
「まあ、うちの事情を今しゃべることでもないか」
奈々は、あははと笑いながら呑気でいた。
「この状況で、そこまで呑気でいるのはお前ぐらいだな」
「そうかな」
「少し二刀の対応ができた位で、いい気になるとはな」
東郷は、表情を変えずいたが徐々に殺気が現れてきた。
(以前感じたお姉ちゃんと同等の気配。今度は本当に本気で来るな)
奈々は、冷や汗をかいていた。初めて会ったときに感じた殺気を感じ剣を握る力が強くなっていった。
「以前出さなかった本気を、出すとしよう」
東郷が構えた瞬間、周りの空気が一気に重たくなった。
「来るっ」
奈々は、素早く構えたと同時に東郷は目の前まで間合いを詰めていた。
ガキンガキンバキンッ
さっきと違い今度は、回転しながら重い一撃を繰り出してきた。
「ぐうっ」
奈々は、捌いていたが押されていた。
「だけどっ、これならっ」
ガギィンッ
東郷の攻撃に合せて、奈々は剣を振り抜いて交錯させた。
「くっ」
その衝撃で、東郷が揺らいだところを奈々は見逃さず、そのまま横に回転して剣を下段に構えそのまま振り上げた。
「御影流円月斬!」
バギィンッ!!
「ぐうううっ」
東郷は、とっさに刀を十字にして攻撃を防いだが、数メートル吹き飛ばされ着地したあとも1メートルほど滑って踏みとどまった。
「まじか」
奈々は、完全に防がれたことに驚いていた。
「今のは、悪くない一撃だったな」
東郷は、表情を変えず構えなおした。
(さーて、困ったぞこれは)
奈々は、冷や汗をかきながら構えつつ少し焦り始めた。
「あまり使いたくないが、やむを得ないか」
一呼吸おいて東郷は、直立のまま両腕を広げ
「はあああああっ」
次の瞬間、東郷の全身が赤いオーラに包まれた。
「いくぞ」
ドンッ
東郷は、一瞬で奈々の目の前まで間合いを詰めた。
「んなっ!?」
奈々は、踏込みの速さに驚いて下がろうとしたが
バギィン!
東郷の斬撃が、来たため防御した。
「重いっ」
「ぬううううん」
バギィィィン!!!
2発目は、更に重い一撃で奈々を弾き飛ばした。
ドガァッ!
奈々は、建屋にぶつかって壁が崩れ東郷は、それを見て赤いオーラを消した。
「これは、さすがに捌けまい」
そう言いながら、建屋にゆっくり向かっていったが
「むっ」
そこには、奈々の姿がなかった。
「逃げたか」
東郷は、奈々を探しにゆっくり階段を下りていった。
そのころ奈々は、教室に隠れて息を整えていた。
「ふうっ、まじでやばいな」
見つかるまで、これまでの戦闘を考察していた。
「二刀に慣れたものの、やっぱ色々隠してたというのは当然としてさっき見せたあのオーラは、おそらく全能力を一気に上げてるんだろうけど対応するには・・・・・」
一つ一つ考察した後俯き、剣を見て
「やっぱ、あれをやるしかないか」
奈々は、一つの作戦を行う決意をした後
「そこだな」
廊下から声がした瞬間、奈々ははっとして素早く離れた
ドガァッ
それと同時に壁が、破壊されそこには東郷が立っていた。
「逃げれると思ったか?」
「まさか、シード同士共鳴するんだから大体の場所はばれるからね」
「それで、逃げてる間に策ができたか」
「そいつは、内緒ってことで」
その後二人は、構え同時に飛び出した。
そのころ和泉は、座ったまま桜瀬を見ていた。
暫くして桜瀬が目を覚ましゆっくりと体を起こし
「してやられましたわね」
「そうだな」
互いに座ったまま見合っていた後、上から金属の当たる音が聞こえた。
「御影と静香のようだな」
和泉は、音のする方を見上げた。
「見えてないのに、わかるんですか?」
「あいつらが、ぶつかるのは必然と思ってね」
「そうですか」
「どっちが、勝つかな」
「静香さんでしょうね」
桜瀬の答えに、何っという顔で和泉は正面を見た。
「御影達についたのに、その答えが返ってくるとはな」
「意外ですか?」
「その根拠は、なんだ」
「静香さんは、私を最終的に止めた人ですよ。それに・・・」
「それに?」
「あの子は、私と同じ能力を持ってますわよ」
「エクスドライブか!?」
「形は、違いますけどね」
「それが、確信の理由か」
「あれの対応は、あなたもわかってるでしょう?」
桜瀬は、ふふっと笑いながら冷や汗をかいている和泉を見た。
「・・・・・・御影」
和泉は、奈々なら東郷を止められると信じて音のする方を見た。
そして、奈々と東郷は互いに走りながら剣を交えていた。
ガキガキガキガキガキン
「はあっ」
廊下の端に迫ったと同時に
ドガァッ
互いに、壁を斬り砕き校舎から飛び出した。
空中で互いは、見合い
バキンッ
剣をぶつけ合い、離れて着地した。
しかし、止まることなく奈々は間合いを詰めに走った。
「うおりゃああああ」
声を張り上げ、奈々は再び連撃を放った。
東郷は、その場で連撃を捌いた。
奈々が大振りをした瞬間、東郷は飛んで躱し
「はああっ」
空中で東郷は、赤いオーラに包まれた。
「覚悟!」
着地と同時に、両手を広げ滑るように奈々に迫った。
「でええいっ」
奈々は、間合いに入るタイミングに合わせ剣を振り下ろすが東郷は斜めに躱して
ズバァッ
奈々の腕を、斬りつけた。
そしてそのまま通り過ぎ旋回して更に奈々に向かって行く。
「くっ」
奈々は、振り返って構えなおしたが
「エクスドライブ、全開!」
ドンッ
東郷が、叫んだ瞬間更に加速し残像が残りながら奈々に攻撃を仕掛けた。
バギンッバシュッバシュッガキンッ
奈々を中心に、素早く斬って反転し斬って旋回しながら斬って行った。
あまりの速さに、残像が残り奈々は、軌道が読めず姿を見失いかけ捌ききれずにいた。
奈々が、徐々に削られてきたとき
「はあああああっ」
東郷は、正面から回転斬りを仕掛けた。
ガガガガガガガキン
「ぐううううっ」
奈々は、防いでいたが
バギンッ
連続攻撃に、耐えきれず防御が崩れた。
「止め!」
ドシュッ
東郷は、両手を突出し奈々の腹に刺し更にそのまま突進し壁に激突させた。
「ぐあああああっ」
奈々は、痛みのあまり絶叫したが
「ぐうううっ」
ドガッ
東郷を、押し蹴り離れさせたが、腹を押さえその場に崩れた。
「あーいてぇ」
奈々は、少ししてから腹を押さえながらゆっくりたちあがった。
「まだ、立てるか」
東郷は、直立で奈々を見ていた。
「まだ、負けたわけじゃない」
「ほう」
「まだ、全部出したわけじゃないからね・・・ふふふ」
下を向いたまま話した奈々の雰囲気が、変わったのを東郷は感じた。
「さあ、始めようか」
奈々が顔を上げた瞬間、東郷の顔が少し引きつった。
「その顔・・・」
奈々の顔には、笑みが見えていた。
「はあっ!」
奈々は、一気に踏み込み剣を力いっぱい振り下ろした。
バギィンッ!
東郷は素早く防いだが、奈々はそのまま連撃を放ち攻撃する隙を与えなかった。
バキン
もう一度振り下ろしてきた剣を、東郷が防いだ瞬間
ドゴォッ
奈々は、東郷の肩に肘を落としてきた。
「何っ」
そして、怯んだところに剣が飛んできてまた防ぐが
「うらぁっ」
ドガァッ
拳が、東郷の顔面をとらえた。
「ぐうっ」
その一撃に、東郷は怯んだ。
「以前と・・・・動きが違う」
「せいやーーっ」
ドカッ
奈々は、蹴りを入れ東郷を間合いから離した。
「くうっ」
東郷は、怯みながら構え直した。
(なんだこいつ、急に荒々しい戦いになった・・・・いや、以前のようなただ振り回す戦いじゃない)
息を整えながら、奈々の動きを考察していた。
(以前のが、鬼と思ったが・・・・これが本当の鬼の姿か)
「ふふふ、楽しいねぇ」
奈々は、鋭い目でありながら口元はにいっと笑っていた。
「この、戦闘狂が!」
東郷は、赤いオーラを纏い奈々に突進した。
ガガガガガキンッ
先ほどと同じように旋回して攻撃をしたが奈々は、すべて防いだ。
「そこだっ」
ドカッ
奈々は、蹴りを放ち東郷に当たった。
「何っ」
東郷の動きが、止まった
「今だ!」
奈々は、両手持ちに切り替え後ろに振りかぶり構えた。
「うおりゃあああっ!」
振り下ろす瞬間、剣が赤いオーラに包まれていた。そしてそのまま力一杯に振り下ろした。
ドゴオオオオン!!
轟音と共に土煙が舞い東郷を、弾き飛ばした。
ドガアッ!
東郷は、校舎の壁に激突し壁が崩れた。
「はあっはあっ」
奈々は、息を荒げ構えなおした。
(ぶっつけでやったけど、なんとかなったかな)
剣に神力を溜めた攻撃を、試していたが実戦では初めてであった。
「でも、これで・・・・」
奈々が、安心した瞬間
ドバァン!
崩れた瓦礫が、はじけ飛んだ。そこには、東郷が、立っていた。
「これでも、だめか」
奈々がそう言った瞬間、東郷の体から赤いオーラが現れ
「がああああああっ」
咆哮とともに、更に大きくなった。
「この人本当に・・・・強い!」
奈々は、冷や汗をかきながらも顔は笑っていた。
そのころ、楓は奈々達を探しに校庭を歩いていた。
ダメージは、残っていて走ることができず歩くのがやっとであった。
「どこにいるんでしょう」
あたりを見回しながら、ゆっくり歩いていたとき
「楓」
正面から声が、聞こえた。
「晶さん」
晶も、ゆっくり歩きながら楓と合流した。
「勝ったのですか?」
「ああ、でもこのざまだ」
「そのようですね」
互いに変身が解けて疲れた顔でいた為、一目で理解した。
「奈々さんは、どうなったのでしょう」
「私も、それが気になって探してるんだが・・・」
そう言った瞬間、二人は奥からすさまじい気配を感じた。
「あっちか」
「行きましょう」
二人は、歩きながら気配のする方向へ向かった。
中庭に出た瞬間、そこには奈々と東郷が対峙していた。
「なんですか、あれは」
楓が見た東郷は、赤黒いオーラに包まれていた。
「あいつ、鬼になってる」
晶は、奈々を見て言った。
「鬼?」
「ああ、あいつが本気になった時見せる顔だ。笑いながら殺気を放つ、その動きも、切れた時とは違い確実に相手を殺す勢いで攻撃してくる。見た目だけど私は、あの姿を赤鬼と言っている」
「納得ですわね」
「本人は、嫌がるけどな」
「そうでしょうね」
「でも、これはあいつらの戦いだ誰も入れない」
「結局私達は、見守ることしかできないのですね」
「そういうこと、どっちにしてもこれじゃ加勢できないしな」
そのあと晶と楓は、押し黙り二人の戦いを見ることになる。
奈々と東郷は、しばらく対峙していた。
奈々は、冷や汗をかきながらも顔は笑っていた。
「なんなんだその姿・・・」
東郷は、全身から先ほどの数倍近い赤黒いオーラを放っていた。
「私は・・・負けない・・・・負けるわけには・・・・いかない」
念仏を唱えるように言った後
「があああああっ」
東郷は、突進して刀を上から振り下ろした。
ドゴオォン
「ぬぐううっ」
奈々は、防いだが衝撃で沈んだ。
(更に重いっ)
両足を広げ、踏ん張る形で奈々は耐えた。
「うがああっ」
東郷は、もう一刀を横に薙ぎってきた。
ドガアッ
奈々は、かろうじて防いだが衝撃で弾き飛ばされたが数メートルで着地して耐えた。
しかし、東郷は更なる連撃を放ってきた。
「くうっ」
奈々は、体勢を立て直し連撃を回避した。
(当たれば確実にぶっとばされるが、さっきほど速くない)
そのまましばらく回避していたが
「がああああっ」
東郷は、刀を振り下ろしそのまま叩きつけた。
ドバァン!
衝撃で土煙が舞い、奈々は吹き飛ばされたが一回転して着地し構えた。
「当たれば、確実にやられる・・・・ぞくぞくするねぇ」
やられるかもしれない状況を、楽しんでいたが
(といっても、そろそろやばいか・・・・)
長時間の戦闘に疲労も来てると奈々は、暫く考えて
「やるか、あれを」
そう言って奈々は、足を広げ剣を肩に抱え振り抜くように構えた。
「はあああああっ」
気合とともに剣に光が集中していった。
(ぶっつけ本番だけど、やるしかない)
奈々は、隠し持ってた策を出した。
東郷は、それを見て
「決める気か・・・いいだろう」
そう言って、刀を鞘に納め背中にあった両刀を左腰に切り替えた。
「ならば、これで終わらせる」
鞘を握り、前傾で構えた。
「はあああっ」
気合を溜めた瞬間赤黒いオーラが収束していった。
(力を刀に集中している・・・・)
これが最後の一撃と、互いに確信していた。
そして、互いに溜め終え数秒の沈黙が流れ見合った。
「はああああああ!!」
「おおおおおおお!!」
二人同時に飛び出し、間合いが一気に詰まり
ギュンッ
東郷は、回転しながら抜刀を仕掛けた。
「飛龍螺旋撃!!」
抜いた剣は、赤く光り奈々に迫った。
ズバアッ
奈々の胴に当たり、服が破けたが踏みとどまった。
「御影ぇぇぇ!!」
東郷の、声と同時に
「御影流斬ノ奥義!」
奈々は大きく振りかぶり剣を振り下ろす。
「覇!王!斬!!!」
ズバァッ
東郷の胴を、斜めに薙ぎった瞬間
ドオオオオオオン
衝撃とともに地面が割れ、東郷は地面に叩きつけられた後弾むように宙に浮いた。
ドサッ
数秒して東郷は、地面に落ちた後動かなくなった。
「はあっはあっはあっ」
奈々は、振り下ろした状態で息を荒げていた。
「奈々!」
晶と楓は、奈々の元に向かった。
「やったな」
「やりましたね」
「はあっはあっなんとかね」
奈々は、にっと笑いVサインを出した。
「最後、なんで耐えれたんだ?」
晶は、最期の攻防の事を聞いた。
「武器の、間合いだよ」
「間合い?」
「相手の武器は、小太刀ということは普通の刀より短いそれを利用して服が当たるぎりぎりで踏みとどまっただけ」
「でも、当てる間合いは外さないと思いますが?」
「そうなんだけど、相手は回転したからね。その瞬間、ちょっとだけ間合いをずらした。わかんないぐらいのぎりぎりの間合いを・・・・ほとんど賭けだったけど、オーラを収束したのが助かった要因でもあるかな。解放したままなら、先に当たって吹っ飛ばされてた。結果的に、運が良かっただけさ」
「なるほどな」
「まあこれで、決着・・・」
そう言いかけた瞬間、奈々は正面を見て驚愕した。
東郷は、刀を持って立ち上がっていた。
「そんな・・・・」
「あれでも、だめなのかよ」
晶と楓も、驚愕し冷や汗をかいた。
「私は・・・・負け・・・・な・・・い・・・・」
東郷は、全身ぼろぼろで声もかすれながらゆっくり奈々達に迫って行った。
「負け・・・る・・・・・わけ・・・・に・・は」
目がうつろで、体が揺れながらゆっくりと歩を進めていた。
「二人とも、離れて」
そう言って奈々は、構えた。
(構えたけど、もう剣を握る力もまともにない・・・・やばすぎるっ)
そう思いながらも、その場で構えていたが
「わ・・た・・・し・・・・は・・・・・負・・け・・・な・・・・・・・」
東郷の声が消えた後、動きが止まった。
目は開いているが、死んだような目の色でその場に立っていた。
「立ったまま・・・・気絶している」
奈々は、それを見て変身を解き膝が崩れた。
「勝った・・・・けど・・・勝った気がしないな」
奈々は、天を見上げ大きく息を吸った。
そのまま倒れそうになったが、晶が抑えた。
「今度こそ、やったな」
「そうだね」
「さあ、肩につかまってください」
そして奈々は、晶と楓の肩に捕まり立ち上がった。
「で、どうする?止めを刺すか?」
晶が、立ったまま動かない東郷を見て奈々に聞いたが、首を左右に振り
「もう勝負はついた、これ以上はやりたくてもできないよ」
奈々は、俯いて答えた。
そして、顔を上げ
「さあ、帰ろう」
「そうだな」
「家までたどり着けますか?」
そう言いながら3人は、肩を並べて家路に向かった。
「終わったな」
「そのようですわね」
和泉と桜瀬も遠目から、奈々達をみていた。
「明日以降が、楽しみですわね」
桜瀬は、そう言って去ろうとしたが
「なんだ、お前が止めを刺すと思ったが?」
和泉は、去ろうとした桜瀬に聞いた。
「私は、そこまで外道じゃありませんわよ」
桜瀬は、そう答え振り返らず去って行った
「なら、いっか」
和泉も、ふっと笑いその場を去った。
そしてマリアも、すべての戦闘が見終わって
「さあ、帰るか」
両手を上に伸ばして背伸びした後
「まあ、それなりに楽しめたよ」
そして、その場から消えて行った。
こうして東郷学園決戦は、奈々達の勝利で終わり夜が明けて行ったのであった。
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