第17話 桜瀬姫香対和泉真琴

桜瀬姫香は、直立で杖を構え和泉真琴は、腰を少し落とし両手を前に出して構えて対峙していた。

そして、先に仕掛けたのは桜瀬であった。

「いきますわよ」

ドンッ

そう言って桜瀬は、光弾を放った。

「はっ」

ドンッ

和泉も、気功弾を放ち

バシュンッ

光弾に当たり相殺した。

それに合わせて、和泉は間合いを詰めに前に飛んできた。

「くっ」

桜瀬は、飛ぼうとしたが

「させるか」

ドドンッ

素早く気功弾を、2発放った。

バシッバシッ

桜瀬は、慌てて防御陣を張り防いだが

「せいやー」

和泉は、桜瀬の頭上に飛んでかかとを落とした。

ドガッ

桜瀬は、顔をそらしたが左肩に当たり地面に落とされた。

「ぐっ」

桜瀬は、膝を着いて肩を押さえてた前に和泉は、立って見下ろしていた。

「油断しすぎじゃねーの?」

「たしかに、舐めてかかってましたわね・・・・でもっ」

桜瀬は、膝を着いたまま杖を前にだし

ドンッ

至近距離で、光弾を放った。

和泉は、手甲で防ぎながら後ろに飛んだ。

「あなたも、止めを刺さないのは舐めているのではなくて?」

桜瀬は、ゆっくり立ち上がり和泉を見た。

「たしかに、そうだな」

和泉は、構えなおして桜瀬を見た。

「次で、終わわらせるさ」

和泉は、にっと笑っていったが

「終わらせる?」

和泉の言葉に、桜瀬の笑顔が消えた。

「あなたは、忘れてはいませんか?」

その瞬間、桜瀬から殺気が現れた。

「1年前、私を止めるのに四天王全員でかかってやっとだったと言う事を」

桜瀬の殺気が、更に強まり周囲の空気が重くなっていくのを和泉は感じた。

「和泉真琴あなたを、撃滅します」

桜瀬は、いつもの軽い雰囲気が消え殺気にあふれていた。

「1年前に、見せた顔になったね。殺気が、びりびり来るよ」

和泉は、にやけながらも手に汗を握っていた。

「でも私は、1年前とは違う!全力で、倒す!!」

和泉は、腕を顔まで上げ構えなおした。

「・・・・モードチェンジ」

桜瀬が、一言つぶやくと光に包まれ衣装が変わり杖も変形していた。

「『エクスドライブモード』だな」

和泉は、冷や汗をかいていた。

そして、桜瀬が光弾を出して攻撃を始めた。

バシュバシュバシュンッ!

いつもの光弾と違い、尖った矢に変形し更に速い速度で飛んできた。

「くっ」

バキンッ

和泉は、回避しながら一つ弾いたが桜瀬は、正面にいなかった。

桜瀬は、光の矢を放った瞬間に素早く浮遊で移動し和泉の真横についた。

ドガッ

桜瀬は、杖を和泉の横腹に突いた。

「ぐぅっ」

和泉は、九の字になりつつも間合いを取ろうとしたが

ババババシュンッ

桜瀬は、光の矢を至近距離で連射した。

ズドドドドンッ!!

「ぐああっ」

和泉は、防ぎきれず攻撃を喰らったが

「くうっ」

体勢を立て直し、桜瀬に突っ込んだ。

「ていっ、はっ、せいやーっ」

突きと蹴りを連続で繰り出すが、桜瀬は杖で捌きながら

ドンッ

手が止まったところに杖で突いたが和泉は、腕で防いだ。

しかし、桜瀬はそのまま杖を構え大きな光弾を至近距離で撃ち抜いた。

ズドオォン!!

和泉は、手甲で防いでいたが勢いで吹き飛ばされ

ドガァッ

「ぐはっ」

壁に激突し、膝を着いて倒れた。

桜瀬は、光に包まれモードチェンジする前の服装に戻った。

「はあっはぁっ」

桜瀬は、立ったまま肩で息をしていた。

「やはり、あなたでは相手にならないようですわね」

和泉は、ゆっくり立ち上がったが服は破れ息を荒げていた。

「まだだ、まだ終わってない」

そう言って和泉は、構えた。

「往生際が、悪いですわね」

桜瀬は、杖を構え光弾を出した。

「やっぱ、そうか」

和泉は、にやりと笑った。

「なにがですか?」

桜瀬は、聞いた。

「エクスドライブモードは、瞬間的に能力を上げるが、神力を大量に消費するから持続性がない。だから今のあんたは、体力が落ちてるはず」

「それで?」

「今度はこっちの番と言う事だ」

そう言うと、和泉は突進した。

桜瀬は、光弾を放つが

「はあっ」

バキンッ

和泉は、光弾を弾き目の前に立った。

「喰らえっ」

和泉は、両手を脇に引き両拳に光の玉が現れた。

「龍双弾!!」

両手を突出し光弾を桜瀬に放った。

「くっ」

桜瀬は、素早く防御陣を張るが

ビシッ!

防御陣にひびが入った。

「まだ、こんな力が・・」

バリンッ

防御陣が破れた瞬間二つの光線が桜瀬を包んだ。

ドオォンッ!!

桜瀬は、直撃し吹っ飛んだが着地し数メートル滑った後止まった。

2枚目の防御陣を引いたが、攻撃は多少喰らっており服が破れていた。

「油断しましたわ」

桜瀬は、構えなおした。

「やっぱり、麗華にやられたのはわざとだな」

「そうおもいますか?」

「昔、4人がかりでやっとだったあんたを麗華一人で追い詰めるのは妙だったからね」

「でも、ダメージは受けてますわよ」

「最小限でだろ。そして、逃げる際にエクスドライブを使ったから倒れただけじゃないのか?」

「そこまでする理由がみえませんが?」

「御影側に着く算段なのは、あのときからできてたシナリオだろう。倒れている間雲隠れして、決戦まで動く様相をみせなかった。そして今、ここにきて生徒会を打破する為協力。最終目的は、なんだよ」

「じゃあ教えて差し上げますわ。共倒れになったところを私が一掃するという算段ですわ。そして私が、実質のトップに君臨するこれが、私の考えたシナリオですわ」

「御影達も利用するってわけか」

「当然」

「あのとき、私達を止めたあんたとは思えないね」

「私は、昔から野心家でしたわよ。あれは、学園が崩壊してしまう危険があったから止めたまでですわ。誰もいない学園を統べてもつまらないですわ」

「やっぱあんたとは、意見が合わないのもわかるよ」

「では、どうしますか」

「しれたこと、あんたを倒す!」

「やれるものなら、やってみなさい!モードチェンジ!!」

桜瀬は、再び服を変え和泉に光弾を放った。

「はっ」

和泉は、迫る光弾をすべて弾き桜瀬に迫り攻撃を仕掛ける。

ガガガガガッ!

桜瀬も、近接に切り替え杖で捌きながら防御し

「せいっ」

ドガァッ

桜瀬は、光弾を放ち和泉は防御したが、吹き飛ばされた。

「くうっ」

和泉は、着地したと同時に正面を見た。

桜瀬は、正面におらず空中に飛んでいた。

「その強さに敬意を表し、これで終わらせますわ」

そう言って、桜瀬は杖を構え杖先に光を収束させていった。

(これは、かわせないか)

和泉は、来るであろう攻撃を予測してそう感じ

「ならば、これで決める!」

両足を広げて、腰を落とし両手を前に出し。

「龍双弾なら・・・」

桜瀬が、言おうとしたが

「はああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」

和泉の両手に光が集まり光の玉が徐々に大きくなっていった。

「私と、同じ技ですか・・・いいでしょう」

桜瀬は、覚悟を決めさらに収束し

「喰らいなさい、エクスドライブバスターーー!!!」

ドオオオォン!

杖の先端から、轟音と共に光の柱が和泉に迫るが

「これが私の、究極最大奥義!」

両手を回して、両脇に引いた後

「覇王!轟!天!掌!!!」

ズドオォン!!!

光の玉めがけて両手を突き出した瞬間光の柱となって桜瀬の技とぶつかった

「ぐうううううっ」

「ぬうううううっ」

互いの技が、中央でぶつかり押し合っていた。

「だあああああっ!!!」

和泉が叫んだ瞬間、光の柱が大きくなり桜瀬の光を柱を飲み込んだ。

「!?」

桜瀬が、驚愕した瞬間光に包まれ

ドオオオオン!!

轟音と共に、爆発した。

「はあっはあっ」

和泉は、肩で大きく息をしながら

「あなたの敗因は、全力を出し切らなかったからだ」

ドサッ!

桜瀬は、墜落して大の字に倒れそのまま動かなかった。

和泉は、神力を使い果たした為変身が解けて膝が折れ、両手を地面について倒れた。

「はあっはあっはあっ、さすがにこれはきついな」

そう言ったあと体を起こし座り込んだ。

「はあっ、はあっ、ふぅっ・・・・勝ったと言っても、これじゃ戦えないな」

息を、整えながら

「あとは・・・・あいつら次第だな」


和泉は、ふっと微笑を浮かべながら校舎を見てそう言った。

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