第16話 東郷学園決戦開始

決戦当日午前0時

奈々は、通学路を歩き手紙を見ながら東郷学園に向かっていた。

「まさか、夜中を選ぶなんてねぇ」

手紙の内容は、一言『今夜0時東郷学園にてまつ』と書かれていた。

「まあ、静かでいいけど結界張るから変わんないと思うけどねぇ」

そう言っているうちに、東郷学園の校門に着いた。

「おせーぞ、奈々」

晶と楓は、すでに着いていた。

「ごめんごめん、うちから出るのに手間取っちゃって」

奈々は、そう言いながら笑顔で頬をぽりぽりかいていた。

「それでは、参りましょうか」

楓は、二人に言った。

「そうだね」

「そのまえに、変身しますか」

そう言って、奈々はシードを出した。

二人もシードを出して同時に構え

「変身!」

3人は、光に包まれ変身した。

そのまま3人は、校門をくぐり中庭に入ったところで、生徒会メンバーが待ち受けていた。

「まずは、私達が相手だ」

磯部姉妹を筆頭に、30人近い面子が構えていた。

「あんたら、ほんと懲りないねぇ」

奈々は、やれやれという感じで磯部姉妹を見た。

「うるせー、あたしらは諦めねぇのが取り柄なんだよ」

理子は、銃を構え言った。

「そういうのは、往生際が悪いということだぜ」

晶も、呆れた顔で言った。

「どのみち、これで勝敗が決まるんだ。今度は、逃げないだろうな」

理沙は、そう言って先陣に立ち構えた。

「もちろん、逃げないさ」

「全員まとめて、やってやるぜ」

「いきます」

奈々達3人も構えた。

そして、双方がぶつかろうとした瞬間

ズドドドドドン!!

上から無数の光弾が、降り注いだ。

「なんだぁ!?」

奈々は、慌てて飛び下がった。

「あなた方が、相手する必要はないですわ」

全員が、声のする方を向いた。

「桜瀬さん!?」

そこには、桜瀬姫香が立っていた。

「ここは、任せてもらえますか?」

桜瀬は、奈々達の前に立ちそう言った。

「おまえ、御影側に着くのか?」

理沙が、桜瀬を指差し言った。

「そのとおりですわ」

「どうして?」

「生徒会打倒は、私の目的です。利害が一致していますので、こちらの助っ人に来ただけですわ」

そう言って、奈々達の前に立ち

「道を作ります。あなた方は、まっすぐ突き抜けてください」

そう言って杖を前にかざした。

「わかった」

奈々は、そう言って構えた。

「さあ、始めましょう。反逆開始です」

そう言うと、桜瀬は光弾を放った。

ドドドン!!

光弾は、中央に集中して命中した。

土煙が舞う中、奈々達は空いた中央から突破を仕掛けた。

「逃がすな!」

生徒会メンバーが、阻止する為中央へ向かおうとするが

ドンドンッ!!

桜瀬の放つ光弾が、的確に狙い撃ちメンバーを倒していく。

「とどめです」

そういうと、桜瀬は杖を上に掲げた

次の瞬間、桜瀬の周囲に無数の光弾が現れた。

「喰らいなさい」

杖を振り下ろしたと同時に光弾が一斉に生徒会メンバーに降り注ぐ

ズドドドドドガーン!!!

広範囲に、土煙が舞いあがった。

土煙が晴れた後、生徒会メンバーは全員倒されており奈々達の姿はなかった。

「さて、第2ラウンドと行きましょうか」

桜瀬は、変身を解かずその場で立ったまま

「いい加減、出てきたらどうですか?」

桜瀬がそう言うと、脇から人影が現れた。

「やっと、でてきましたね。真琴」

人影は、和泉真琴であった。

「やはり、生徒会側につきましたか」

桜瀬は、当然という顔で言った。

「迷ったが、美紀さんとの約束を違えることはできない」

真琴は、桜瀬を見て言った。

「そうですか」

「では、始めるか」

そう言うと、和泉は構えた。

「もちろんですわ」

それに答えるように、桜瀬も杖を前にかざした。


奈々達3人は、しばらく走った後足を止めた。

「さて、ここで各々別れようか」

奈々は、武器を納め二人に言った。

「やっぱり、1対1に持ち込むんだな」

「まあそういうこと」

「リベンジですわね」

3人は、笑顔を浮かべ顔を見合わせていた。

「でも、上手く当たるかねぇ」

「多分、シードが惹かれあうだろうから必然に会うだろうね」

「半分は、運でもありますね」

「まあ、そのときはそのときで」

「相手も3方向に分かれてる感じだな」

晶は、シードの反応を見て言った。

「考えてることは、同じってことでしょ」

「そんじゃ行くとしますか」

そして、互いに手を合わせ

「私達は勝つ!」

「絶対に!」

「負ける気はありませんわ!」

そして、3人は各々分かれて走った。

まず楓は、校庭に出た。

その中央で、一人腕を組んで立っている人影が見えた。

「まってたぜ、神崎楓」

その声は、劉麗華であった。

「この間は、中途半端で終わったが今度はそうはいかないぜ」

そう言いながら、右手から槍を出した。

「それでは、はじめますか」

楓は、その場で弓を引いた。

「いつでもいいぜ、その矢を放ったら開始だ」

麗華も、そう言いながらゆっくり槍を構えた。

そのころ晶は、校舎内を走っていた。

「そろそろなんだが」

気配を、追って近くまで来た瞬間正面から何かが飛んできた。

カキンッ

晶は、素早く払い足を止めた。

正面には、如月舞が立っていた。

「1対1に持っていくのは、作戦のうちなのかな?」

「これは、御前の意思だ」

「あっそ、それはこっちとしても好都合かな」

晶は、そう言って構えた。

そして、如月も苦無を出して構えた。

「今度こそ、止めを刺す」

「やってみろよ」

そのまま、お互い対峙した。

そして、奈々は歩いて屋上を目指していた。

「多分、みんな狙い通り当たってる感じかな」

そう言いながら、屋上の扉を開き外に出た。

その正面の建屋の上に、東郷静香は月を見ていた。

「綺麗な月だな」

東郷は、奈々に話した。

「そうですね」

奈々も、月を見て言った。

「美紀と、月をみながらよく話したものだ。そして美紀は『この生徒会をお願いね』と笑顔で言っていたのをよく覚えてる」

そう言いながら、振り返り奈々を見て

「ゆえに、お前たちに潰されることは許されない。今日ここで、お前たちを討つ!」

東郷は、腰に手を回しゆっくりと両手から小太刀を抜いた。

「上等!」

奈々は、剣を出して構え

「もはや引けないとこまで来た以上、あんたをぶっとばし終わらせてやる」


そして、桜瀬姫香と和泉真琴、神崎楓と劉麗華、陣内晶と如月舞、御影奈々と東郷静香互いが対峙し一騎打ちの戦闘は開始されていくのであった。

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