第9話 四天王4人目

前回の乱闘から数日

奈々達は、対桜瀬の仮想訓練をしていた。

「はっ」

楓が、構え五月雨を放ち一本の矢が、炸裂し数十発の矢が奈々と晶に向かう。

「はああああっ」

ガガガガガキン!

奈々は、矢を斬り払い晶は拳に神力を集中して矢を打ち払っていった。

「ふう」

奈々は、剣を納め一息ついた。

「まあ、こんな感じかな」

晶も、一息ついて言った。

「いい感じで、回避できるようになってきましたね」

楓は、にっこり言ったがそのあと

「でも、全部弾かれるのは凹みます」

楓は、座り込んで落ち込んだ。

「まあまあ」

奈々と晶は、楓をなだめた。

「正面なら回避できるけど、さすがに死角から撃たれたら対処できないって」

「そうそう、私達は正面決戦に持っていけたらこれでいけるけど、なかなかうまくいかないって」

「まあ、そうなんですけど」

そう言いながら三人は、休憩しながら話をした。

翌日、学園へ登校する彩音の姿があった。

その時、後ろから奈々の声が聞こえてきた

「おっはー」

もにゅ

「ひにゃあぁぁぁぁぁ」

奈々は、後ろから彩音の胸を揉んだ。

「相変わらずええ乳しとるのぉ」

もにゅもにゅ

そう言いながら、更に揉みだした。

「や、やめてください」

彩音が、涙目で訴えた。

「よいではないか、よいではないか~」

奈々が、更に揉みだそうとした時

「やめんか」

ボカッ

晶が、奈々を殴った。

「大丈夫?彩音」

「う、うん、ありがとう晶ちゃん」

彩音は、晶にすがりついた。

「いつもの、日常の挨拶をしたのに」

奈々は、頭を押さえながら言った。

「そんな日常あってたまるか」

晶は、突っ込んだ。

「奈々さん、彩音さんをいじめちゃだめですよ」

後ろから、楓が言った。

「いじめてないよ、これは日課だ」

奈々は、きりっとした顔で言ったが

「そんな日課いりません」

彩音が言った。

「彩音ちゃんもまんざらじゃないでしょうに」

そう言って奈々は、手をわきわきしながら迫ってきた。

「ひにゃあぁぁぁぁ」

「だから、やめろというに」

ボカッ

晶は、奈々を殴り止めた。

「ごめんな、彩音」

晶は、彩音に言った。

「うん、大丈夫だよ晶ちゃん」

彩音は、胸を隠しながら言った。

「彩音は、私が絶対守るからね」

「えっ、う、うん、ありがとう」

晶の返答に、彩音はドキッとして顔を赤らめて言った。

「ほほう、お二人さんそういう関係ですか?」

奈々は、にやけて二人のやり取りを見ていた。

「なっ、そういう意味じゃねぇ」

晶は、顔を赤くして言った。

「仲がいいことは、いいですわね」

楓は、にっこり顔でその様子を見ていた。

そのやり取りの中、後ろから突然声がかかった

「おまえら、いじめか?」

振り返ると、生徒会のメンバーがいた

「げっ」

奈々達は、たじろいだ

「いや、いじめてはないですよ」

「いじめというより、セクハラだな」

晶は、ジト目で言った。

「あやしいな」

そんなことをやり取りしていたときに

「どうしたんだ?」

更に、生徒会の後ろから声が聞こえた。

「麗華(れいか)さん」

生徒会の一人が、言った。

「それが、こいつらいじめをしていた疑いが」

麗華に説明を、していたところ

「麗華ちゃん?」

彩音が、言った。

「なんだ、彩音じゃないか」

二人は、顔見知りだった。

「大丈夫なのか?」

麗華は、彩音に聞いた。

「う、うん」

彩音は、普通に言った。

「なら、いい」

そう言うと、麗華は生徒会のメンバーを解散させた。

「じゃあまたな」

そうして麗華も、校舎に入って行った。

「さっきの人知り合い?」

奈々は、彩音に聞いた。

「はい、二年生の劉麗華(りゅうれいか)です。私とは、お隣同士なんです。と、言ってもあまり会話もしないんですけどね」

「へー」

「そして、生徒会執行部長でもあります」

「え?」

彩音の一言に、三人は凍った。

「じゃあ、あの人」

「四天王ということですね」

晶と楓が、話してた時

「でもさ、『いじめ』というワードにえらく過敏だったような」

奈々が、首をかしげて言った

「そういえば」

「そうですね」

「あの、そろそろチャイムが・・・」

彩音の一言で三人は、はっと気付き慌てて校舎に入って行った。

そして、昼休み

「で、質問なんだが」

「は、はい」

奈々は、彩音を中庭に呼び質問した。

晶と楓も、一緒に立ち会っていた。

「そのおっぱ・・・・あいたっ」

奈々が言いかけた時、晶が叩いて発言を止めた。

「んもう、なにするのさ」

「毎度毎度そのパターンやめろ」

「わかったよー」

「それで、質問というのは?」

彩音が、聞いた。

「そうそう、生徒会は『いじめ』という言葉にえらく反応したけどあれはなにかわかる?」

「ああ、それはこの学校の方針でいじめ撲滅を目指してるので生徒会は、それを未然に防ごうとしてるのです」

「ふーん」

奈々は、普通に答えた。

「では、それでエンジェルシードを使ってると?」

「実力行使してるのかな」

「でも、どこで?」

「そりゃ、あれでしょ」

「結界内か」

三人は話をしていたが、彩音は頭に?が付いていた。

「あのー、何の話ですか?」

彩音が、三人に聞いた。

「え、いや、その」

「なんでもないよ、なんでもない」

「そうですー」

三人は、ごまかした。

「???」

彩音は、更に?がついていた。

そして放課後

「なんだったんだろう」

彩音は、昼間の三人のことが気になっていた。

「なにか、隠し事してるような」

一人で、考えてた時

「ちょっといいかな?」

後ろから声を、かけられた。

「え?」

振り返るとそこには、東郷静香が立っていた。

「静香さん?」

彩音がそう言うと、ふっと微笑を浮かべ

「久しぶりだな、優」

そう言ったとき、二人の間に風が流れた。


そして、校舎の一室で反逆同盟たちは論議していた。

「前回の戦闘で、半数も損失か」

桜瀬は、頭を抱えていた。

「御影達のイレギュラーもあるが、それを省いても生徒会の戦闘力が一年前より上がっている」

桜瀬は、前回の戦闘を検証していた。

「しかも、四天王がいない状態であの戦闘力なのか」

「力をつけているというが、あそこまでとは」

「我々に、勝機はあるのか」

周りの三年の面々も、討論をしていた。

「やはり、御影達を仲間に・・・・」

三年の一人が、言ったが

「その線は、もうありません。前回、はっきり断られましたので」

桜瀬が、言ったあと

「こうしてると、また来そうですわね」

ふうっ、とため息をつくと

「その通り」

ガラッと扉が開きそこには、劉麗華が立っていた。

「おまえ、四天王の・・」

そう言って三年は、一斉に立ち上がり構えた。

「そうさ、私が劉麗華だ」

そう言って麗華は、シードを構えた。

「変身!」

そう言うと、麗華は光に包まれ赤い衣装に包まれ槍を構えた。

「問答無用ですか」

そう言って桜瀬が、立ち上がった。

「一人で来るなど、無謀な・・・・こうなれば、あなたを倒して戦力を削ぎます」

そして桜瀬は、シードを構えた。

「変身!」

その瞬間光に包まれ、衣装が変わり杖を構えそのまま素早く結界を張った。

「かかりなさい」

そう言うと、三年は麗華に襲いかかった。

麗華は、槍を構え

「はあっ」

ババババババッ

素早く連続突きを繰り出した。

ドドドドドンッ

襲いかかった三年数名は、突き飛ばされた。

「喰らいなさい」

その隙を見て桜瀬が、光弾を放つが

「あまいっ」

麗華は、槍を扇風機のように回し光弾を防いだ。

「あんたじゃ、私を倒せないさ」

「伊達に、四天王ではないですわね」

そうして、桜瀬と麗華は対峙した。

「はあっ」

麗華は、踏込み桜瀬に槍撃を繰り出す。

バシィッ

桜瀬は、バリアを張り防いだ。

「甘いですわよ」

そう言って、桜瀬は光弾を撃ちだす。

「ちぃっ」

麗華は、回避して間合いを離して再び対峙した。

「やっかいなバリアだな」

そう言って麗華は、槍を構え直した。

「四天王と言っても、その程度ですのね」

桜瀬の顔には、余裕があった。

「ふっ」

麗華は、鼻で笑い

「そのバリアを、破れないと思ってるのかい?だったら、あんたは三下だ」

そう言って麗華は、突きの構えを取った。

「はあぁぁぁぁぁ」

力を溜めるように、槍が光に包まれる。

「させませんわよ」

桜瀬は、杖をかざし正面に三個の光弾を出し

「喰らいなさい」

ドドドン

光弾を、放ったがそれに合わせるように

「はぁっ」

ドンッ

麗華は、前へ踏み込んだ。

光弾を、躱して桜瀬の前に間合いを詰めた。

「でええええい」

そのまま、全身を捻り一気に槍を繰り出した。

バシィッ

桜瀬は、バリアを張り防御した。

バジジジジジッ

槍とバリアが、ぶつかり合って火花が散る。

ビキッ

次の瞬間、バリアにヒビが入った。

「なっ」

桜瀬が、驚いた瞬間

「せいやーーーー」

バリンッ

ガラスが、割れるような音とともにバリアが破れ、槍が桜瀬の顔を狙うが

「くぅっ」

桜瀬は、顔をそらして回避しそのまま、慌てて間合いを取った。

「やりますわね」

「これぐらいは、四天王なら全員破れるぜ」

麗華は、にやりと笑っていた。

そして桜瀬は、顔を下を向いて。

「あなたを、過小評価したことはお詫びしますわ」

その言葉のあと顔を上げて

「これからは、本気で行きますわ」

その顔には、いつもの微笑はなく目が座り、口から笑みが消えていた。

「こっからが、本番だな。こっちも、全力で行くぜ」


麗華も、それに答えるように槍を構え二人は再び対峙した。

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