第8話 三つ巴大乱闘?

「はあああああっ」

生徒会部隊は、一斉に桜瀬めがけて突進してきたが桜瀬は、その場から動かなかった。

「ふっ」

桜瀬は、鼻で笑いながら杖を生徒会に向けた。

次の瞬間、桜瀬の周りに十個の光弾が現れ

「喰らいなさい」

その声に反応するように、光弾が生徒会部隊めがけて放たれた。

ドドドドドドン!!

桜瀬に向かった生徒会メンバーの半分が爆風で吹き飛ばされ半分が命中して倒され桜瀬は、余裕の顔でその場に立っていた。

「やはり、私達でないと桜瀬は倒せないか」

理沙は、後方でその状況を見ていた。

「第二陣、理子、理恵、里奈は桜瀬を、残りは周りを一掃しろ」

理沙の声に、後方にいた生徒会メンバーは一斉に動き出した。

そして理沙以外の磯部三人は、桜瀬を囲んだ。

「今度は、三人ですか」

桜瀬は、囲まれながらも直立不動のままであった。

そして、その状況を屋上で奈々達三人は覗いていた。

「めちゃくちゃ強くね?」

晶は、桜瀬の攻撃を見て冷や汗をかいていた。

「法術士と、言うべきでしょうか」

「見たことないタイプだね」

楓と奈々も、同じく桜瀬を見て答えた。

「もうちょっと見るとしよう」

そう言って、奈々達は頭だけ出して引き続き観戦することにした。

周りでは、生徒会と反逆同盟の争いが続いている中で桜瀬と磯部姉妹三人は、睨み合っていた。

「来ないのですか?」

桜瀬は、磯部姉妹三人に言った。

「御影みたいに、舐めた態度だな」

そう言って理恵は、剣を構えながら桜瀬を睨んだ。

「同感だね」

理子も、銃を構えながら言った。

桜瀬は、ため息をついて

「悪態を、ついたわけではないのですがそう見られるのですね」

そう言って、桜瀬は杖の先から光弾を出し足元に放った。

ドンッ

地面に当たり、土煙が舞い磯部姉妹の視界を奪った。

「くそっ」

ドンドンッ

理子は、桜瀬のいた位置を撃ったが、手応えはなかった。

視界が晴れたときには、桜瀬の姿がなかった。

「どこを見てますの?」

桜瀬は、上空に浮かんでいた。

「何っ、飛べるのか!?」

里奈が、驚愕した。

「ちぃっ」

ドンッ

理子が、桜瀬に向かって撃ったが横に浮遊し躱された。

「その高さならっ」

そう言って、里奈が跳躍し桜瀬の正面まで飛んだが

「甘いですよ」

桜瀬は、里奈に向かって杖を構えその先には光弾が光っていた。

ドンッ

「ぐはっ」

里奈は、光弾を喰らい地面に落とされた。

「ふっ」

桜瀬が、笑みを浮かべた瞬間背後から影が飛び上がった。

「上からなら」

影の正体は、理子であった。

そして、そのまま桜瀬の上から銃を構えた。

ドンドンドンッ

理子が撃った弾は、桜瀬に命中すると思いきや桜瀬が杖を上に掲げ

バシッバシッバシッ

直前で、弾かれた。

「バリアか」

「防御陣と、言ってほしいですわね」

桜瀬はそう言うと、理子に向かって光弾を放った。

ドンッ

「ぐうっ」

理子は、防御したものの光弾を喰らい弾き飛ばされた。

そして、理子は屋上に落ちた。

「くっそう・・・・・・ん?」

理子が、起き上がった先に奈々達がいた。

「あっ」

互いに、目が合い数秒後

「ああああーーーっ!!」

互いに、声を上げ

「おまえら、なにしてやがる!」

理子が、奈々達に銃を向けた。

「まてまて、今日は見学だから戦闘は・・・」

奈々が、止めようとするが

「うるせぇ!!」

ドンッ

理子は、奈々めがけて撃った。

「うわーっ」

奈々達三人は、屋上から飛び降りた。

着地した先に、桜瀬が立っていた。

「あら、いたのですか」

桜瀬は、三人を見てそう言って。

「おまえら、何しに来た」

反対側に理沙が、立っていた。

奈々達三人は、生徒会と反逆同盟の間に着地していた。

奈々は、冷や汗をかきながら

「いや、今日は見学ですので・・・・・失礼しました~」

そう言って、すごすご去ろうとした時

「まて」

理沙が、止めた。

「おまえら、どっちの味方だ?」

理沙が、奈々達に聞いた。

「え~~っと・・・・・どっちといいましても、なんと言いますか・・・・あははは」

奈々が、頬をぽりぽり掻きながら言った。

そのあと

「と、いうことで・・・・・・・・逃げろ~~!」

奈々は、そう言ってダッシュで逃げた。

それに合わせて、二人も一緒に逃げた。

「逃がすな、追えー!」

生徒会は、奈々達を追い始めた。

「あらあら、私達を無視ですか」

桜瀬は、そう言ってから

「ここは任せます、私は御影達を追います」

桜瀬は浮遊し、奈々達を追い始めた。

「なんで、こうなるのー!」

奈々達は、校舎内を走っていた。

「まてーっ!!」

その後方に、生徒会部隊が追いかけていた。

「どうするの―この状況!!」

晶は、走りながら奈々に聞いた。

「こんな数、相手したくないからとにかく逃げるー!!」

奈々も、走りながら言った。

そして、正面の左側に階段が見えた。

「よし、あそこから・・・」

と言おうとした瞬間、階段から磯部姉妹が現れた。

「挟んだぞ」

理沙が、言った瞬間

「じゃーーーんぷ!」

奈々達三人は、磯場姉妹の頭を飛び超えた。

そして、そのまま左に曲がり渡り廊下へ逃げた。

「くそう、追え追えーー」

生徒会は、磯部姉妹も含み校舎内を縦横無尽に追い回した。

そして十分後

「くそっ、どこ行った」

「探せ、見つけ次第倒せ」

生徒会は、奈々達を見失った。

「よし、いなくなったな」

奈々達は、体育館の跳び箱から居なくなったのを確認してから、顔を出した。

「さてと、さっさとここから退散しよう」

「そうだな」

「そうですね」

三人が、移動しようと思ったそのとき

「どこにいきますの?」

その声に、三人は振り向いた。

「桜瀬!?」

目の前には、桜瀬が立っていた。 

「逃がすと、思ってましたか?」

「できれば、逃がしてほしいなぁ」

奈々は、頬をポリポリ掻きながら言った。

「反逆同盟に、入っていただけるなら見逃しますけど」

「その件は、断ったよね。答えは、変わらないよ」

「でしょうね・・・・それなら、仕方ありません」

そう言って桜瀬は、杖を三人に向け

「ここで、始末します」

ドンッ

その瞬間、桜瀬は光弾を放った。

三人は、回避し武器を出して構えた。

「これは、逃げ切れそうにないか?」

「こうなったら、やるしかないかな」

「仕方ありませんね」

そう言って、桜瀬に向け構えた瞬間

バンッ

後ろの扉が開いた。

「見つけたぞ、おまえら」

磯部姉妹率いる、生徒会が現れた。

バンッ

そして、右側の扉が開き反逆同盟が現れた。

奈々達三人は、背中を合わせ構えた。

「結局元通りか」

「全部合わせて二十人弱かな」

「どうしますか?」

「とりあえず、極力戦闘は避けて互いを消耗させるか」

その時、楓が何か作戦を閃いた。

「それでしたら、一つ提案が」

そう言って二人に、ひそひそ話した。

「やりましょう」

「まじかよ」

「では、いきます」

そう言って、楓は弓を上に向けて引いた。

「はああああああっ」

楓の矢が大きく増長していった。

「かかれー」

それを見た磯部姉妹は、一斉に御影達に向かっていった。

「行きなさい」

桜瀬の指示に反逆同盟も、御影達に向かっていった。

「来た来たー」

晶は、迫ってくる勢いに少し押され、拳を握りしめ構えを少し縮めた。

奈々も、剣を握り直し

「今だ!楓ちゃん!」

奈々の声に楓は、矢を上に放った。

天井に当たる手前で、弾け無数の矢が降ってきた。

「なにぃ!」

生徒会と反逆同盟は、動きを止めたが

ドドドドドン!!!

互いの上に、矢が降り注いた。

「くっ」

バシバシン!

桜瀬は、杖を構え防御陣を張り矢を防いだ。

体育館内は、着弾の煙と埃で視界不良になった。

「くそっ、どこだ」

磯部姉妹も、かろうじて回避したが奈々達を見失った。

「とにかく、目の前の敵を殲滅しなさい」

桜瀬は、反逆同盟に指示を出した。

「うおおおお」

そして、生徒会と磯部姉妹は反逆同盟の攻撃に対し

「くそっ、御影達は後回しだ。まずは、こいつらを一掃するぞ」

そう言って、生徒会と反逆同盟の戦闘が始まった。

そのころ御影達は、二階に飛んでいた。

「五月雨、成功ですね」

楓は、周りを見て言った。

「それ、技名?」

「はい」

晶の問いに楓は、笑顔で答えた。

「まあ、とりあえずこれはチャンスなので逃げますか」

「外にも、いるんじゃね?」

「多少は、蹴散していきましょう」

「そうですね」

そう言って三人は、二階の窓から体育館を出た。

「うりゃーっ」

ドゴーン!

晶は正拳で、目の前の生徒会部隊を吹っ飛ばした。

「せいっ」

奈々も、走りながら剣で反逆同盟を斬り捨てて行った。

「もう一発、いきます!」

楓は、走りを止め弓を構え五月雨を正面に放った。

ドーーーン!

正面にいた、生徒会と反逆同盟をまとめて撃破した。

「よし、脱出」

正面が開き、三人は校舎の外にでた。

その瞬間、結界が消え元の世界に戻った。

「ふぃー」

三人は、息を切らし変身を解いた。

「入るのは簡単なのに、出るのには結界を張った相手を倒すか、範囲外まで出なきゃいけないのはしんどいな」

「ほんとそうですね」

「今回は、逃げるのがメインだったよね」

三人は、呼吸を整えながら話した。

そのころ体育館では、互いに消耗戦になり生徒会は磯部姉妹のみになり反逆同盟は、桜瀬と他四人になっていた。

「結局、互いに消耗している内に、逃げられたということですか」

桜瀬は、杖を強く握りしめ眉をしかめていた。

「・・・・今回は、ここまでにしますわ」

そう言ったあと、桜瀬はその場から消えた。

「くそっ、逃げられた」

理恵が、言ったが

「こっちも今回はここまでだ、これ以上やると互いに潰れてしまう」

理沙は、武器をしまった。

「撤収だ、動ける者は負傷した者を保健室に運べ」

こうして、生徒会も撤退した。

その様子を、生徒会室の窓から如月は見ていた。

「御前、動かなくてよかったのですか」

如月は、後ろに座っている東郷に聞いた。

「今回は、これでいい」

東郷は、静かに答えた。

「次で、桜瀬を仕留めるその役目任せていいかな、執行委員長」

東郷の正面に、女性が立っていた。

「お任せを」

そう言って、執行委員長はその場から消えた。

「御影達は、どうしますか?」

如月は、東郷に聞いた。

「その件については、説得を頼もうと思う」

「と、言いますと?」

「まずは、本人の了承がいるがな」


そして、東郷の座る机の前には新たなエンジェルシードが置かれていた。

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