四章

四章

八号館から出た純永は、腕時計をちらりと確認した。時刻は午後二時五十分。今日は夕方から、先日連絡先を交わした花田勇と会う約束をしている。会う約束はしたものの、当日である今日になっても、純永の内心はひどく曖昧なものだった。

花田は最初に会った時、純永を自分のサークルへと勧誘しに来た。名前も定まっていないらしいそのサークルの目的は「メンバの大学生活の向上」とのことだった。一聞して、とても有意義なサークルであるように感じられる一方で、少し深く考えてみると、「大学生活の向上」とは、一体どういう状況・変化を指すのだろう、と疑問が湧いてくる。これは、メンバがまだ確定していないから、あえて具体的な目標を定めず、気の合う「同志」のようなものを探している段階であることを示しているのかもしれない。メンバが揃った後で、お互いの性質や願望をそれぞれ開示し、擦り合わせた上で、活動内容を具体化していく、おそらくそういう流れが想定されているのだろう。一昔前には、と言っても数十年近く遡ることになるのだが、大学という場所は今とは著しく異なった雰囲気を持っていたらしく、そこでは大学生活は、「向上」どころか「躍進」といった風に、内外いずれから見ても壮大な目標に向かって邁進する(あるいは暴走する)学生が少なくなかったらしい。これから自分が関わるかもしれないサークルが、そういったアナクロなサークルである可能性が、極々僅かながら存在することは認識していたけれど、それはほぼゼロに近い。そんなサークルなら、自分のような柔な人間を引き込もうなどとは考えられないだろうから。

キャンパスの東端、サークル棟の隣の建物「Cスクエア」に純永は到着した。前回花田と会った場所である。てっきりサークル室に招かれるのかと思っていたけれど、まだ外部の人間だと認識されているからか、見栄えも居心地も良いこの場所が約束の場所に選ばれた。ここで件のサークルのメンバを紹介されることになっている。

純永が適当な席に着いて少しの間待っていると、午後三時十分を過ぎたところで、花田が遠くに現れた。花田の側には、知らない男性と女性が立っている。あるいは賽も現れるか、と予想していたけれど、女性の方は賽ではなかった。花田はこちらに気づき、手を挙げてそれを示してゆっくりと近づいてくる。他の二人も花田の後ろを付いてきた。

「こんにちは。お待たせしてしまったかな」

「いえ、僕も今着いたところです」

花田は、前回と同様、髪を後ろで結んでいて、薄い水色のジャケットを着ていた。純永は立ち上がって三人を迎えようとしたが、花田が片手で軽くそれを制し、三人はそれぞれ席に着いた。女性の方は、純永に向かって柔らかい笑みを浮かべて軽く会釈をしたが、男性の方はほぼ無表情で、しばらく純永の顔を眺めた後、視線を売店の方に逸らしてしまった。

「連絡が来たときは驚きました。最初の印象があまり良くなかったんじゃないかと、あの後心配していたのですが…」

「そんなことはありませんでしたよ。短い時間でしたけれど、楽しくお話できましたし」

「そうですか、それは良かったです。では、前置きが長くなってしまっても仕方がないので、早速本題に入りましょう。もうお察しかもしれませんが、ここにいる二人が、ウチのサークルのメンバです」

花田の言葉と同時に、他の二人が純永の方を一度に見た。二人の注目に少したじろいだ純永は、一瞬視線をテーブルに落とす。

「こちらの女の子の名前は、真柴郷子さん。文学部の…えっと日本史専攻だったよね」

「真柴郷子と言います。よろしくね」

先ほどよりも少し度合いを強くした笑顔で、郷子は挨拶をした。

「で、こっちが、九葉吾務人君。珍しい名前でしょう?あんまりこれを言うと機嫌を悪くしちゃうかもしれないから…。彼は文学部の哲学専攻です」

「九葉吾務人です」

吾務人の仕草は、会釈、と呼ぶのは難しく、視線をほんの少しの間テーブルに向けて、再び上に戻しただけだった。

「遠野純永と言います。学部は法学部です。よろしくお願いします」

「あともう一人、皆知っていると思うんだけれど、一志木賽という女性がウチのサークルにはいます。入って間もないのに、幽霊部員に成る気が満々といったところで、なかなか難しい子ですが、遠野君が入ってくれたからには、状況は大きく変わってくると思っています」

「えっ、それってどういう意味ですか?」

花田の予想外の発言に、純永は慌てて訊き返す。

「うーん…、まあ、その、つまり、遠野君が賽をサークルに実質的に引っ張ってきてくれるだろうと、僕は考えているんだけれども」

「そんなことは…無理だと思いますが」

「賽とは、ゼミも一緒になって結構経つし、だいぶ仲良くなっているのでは?」

「それは…そうとも言えないこともないですが…」

出会った当初と比べれば、自分と賽との距離はかなり縮まっていると純永は認識していた。以前、映画に一緒に行った時のことも、当然頭を過った。しかし…。

「一志木さんとは、ある程度仲良くさせて貰っていますけれど、彼女の意向や考えを誘導したり、捻じ曲げたりするようなことはとても…」

「そんなに積極的に遠野君が動いたり話したりすることは、もちろんこちらも期待してはいないですよ。そうじゃなくて、このサークルで遠野君が実際にメンバと一緒に色々活動して、その様子をそれとなく賽に伝えて貰えれば、十分効果があると思います」

「はあ…、そういうものですか」

純永は曖昧に返事をする。花田は、賽と自分の関係をどのように考えているのだろう。もしかして賽が自分に好意を持っていると?と考えてみたけれど、そんなことは俄には信じられなかった。


花田は、少し別の用事があるからと言って、席を離れた。そんなに長く掛かるものではなく、すぐに戻ってくるとのことだった。その結果、初めて顔を合わせた三人がその場に残された。

郷子は、最初の時とはやや異なる曖昧な笑みを浮かべている。吾務人は視線を手元に落としている。誰から話を切り出すか、それが問題だった。

結局、郷子が話の口火を切った。

「遠野君は、どのようにして、このサークルに入ることになったのですか?」

「えっと、先ほども少しお話に上りましたが、花田君の友達の一志木賽さんが、僕とゼミが一緒で、その繋がりで、花田君と知り合いました」

「一志木さんね…、とても美しい方だったけれど、初めてお会いした時には、私にはあまり関心を持って貰えなかったみたい」

郷子は苦笑した。

外見の話になったので、自然と郷子の外見に純永の目が向く。髪型はお下げで、長さは肩よりも少し下、黒髪だ。白にほんの僅かに灰色が入ったブラウスを着ていて、清潔感がある。

「真柴さんは、どうしてこのサークルに?」

「花田君がね、彼、日本史が好きなのかもしれないのだけれど、文学部の講義に、法学部所属なのに潜り込んでいたの。それで、その時席が隣になって、声を掛けられたわ。その時にね、会って間もないのに、『大学生活をもっと良くしてみない?』って言われて。どういうことだろう、って、もしかしたら、怪しいアルバイトの勧誘か何かなのかと思っていたら、このサークルを紹介されたわ。遠野君も知っての通り、目的を『メンバの大学生活の向上』と銘打っただけの、まだ名も無いサークルだったんだけれど。未だに、その具体的な活動内容は聞かされていないわ」

「一体何をやるつもりなんでしょうね」

「メンバが揃ってから、決めるんじゃないかしら。それとも、ただ単に、面白そうなメンバと交流を深めることが彼の目的なのかもしれない」

純永は、軽く笑って、相槌を打った。

一方、吾務人の方はというと、おそらく二人の会話をちゃんと聞いているのだろうが、相変わらず他所を向いて視線を二人の方に向けることはない。

「九葉君は、どうしてサークルに入ろうと思ったの?」

三人揃って席に着いているのに、一人だけ仲間外れの状態にしておくのは何となく居心地が悪く感じた純永は、思い切って話し掛けた。

「僕は…」

声を掛けられて、しばらく純永の頭の上の方を見つめていた吾務人は、小さな声で話し始めた。

「花田君に関わっていると、色々面白い人と繋がりができそうだと感じたから」

「面白い人っていうと?」

「変わった人って言えば、ほとんど同じ意味」

「そうなんだ…。なるほどね」

吾務人の方に視線を向けていた純永は、吾務人の容姿をざっくりと観察する。髪の長さは耳元まで、という平均的な髪型で、輪郭がなかなかシャープだ。綺麗な二重瞼をしている。

三十分程で、当たり障りのない自己紹介をそれぞれしたところで、花田は戻ってきた。

「どこまで話は進みました?」

「自己紹介が粗方済んだところです」

郷子が皆を代表して報告した。

「そう、じゃあ今日のところはこのくらいにして、ひとまず解散にしましょうか。次はサークル室で会うということで。そしてできれば、遠野君が賽を引っ張ってくることを期待して…」

「そんな、すぐには無理ですよ…」

少し戸惑いながら、純永は花田の言葉に不服を申し立てる。

「ははは。そりゃそうですよね。まだ何も活動していないんだから、サークルの話を賽にするのも難しいですよね。それはおいおいということで。それでは」

吾務人を除く三人はお互い軽く頭を下げて、それぞれ次の予定のある方に向かって別れていった。

(ある程度予想していたけれど、一志木さんも含めて考えるならば、やっぱり変わった人が多いな…。真柴さんは普通に親しみやすそうな人だったけれど、僕は、変わった人と変わっていない人、どちらに属するのだろうか…)

そんな取り留めもないことをぼんやり考えながら、純永は法学部棟に歩いて戻った。


その次のゼミの時間、いつものように賽と話をしていた純永は、花田のサークルのメンバの顔合せがあったことを、賽に話した。

「そう、花田は着々と計画を進めているわけね」

この件に関して、賽はほとんど関心を持っていない様子ではあったが、賽が使った「計画」という言葉が純永には気になった。花田は「計画」というものを確かに持っていて、しかも賽はその中身を知っているのだろうか。「計画」について、賽に詳しく尋ねてみようか、純永は一瞬逡巡した。

「九葉君という男の子がいたでしょう?」

やや間があってから、賽が突然口を開いた。

「ああ、うん。いたね。変わった名前の男の子だよね」

「彼は面白そうな人ね。物凄く無愛想だったけれど、しっかり相手の人間を観察している」

「確かにそんな感じだったかな」

「彼について私が持っている情報はかなり少ないわ。花田のサークル、っていうのがあまり気に入らないんだけれど、これも一つの繋がり、きっかけだから、色々話をしてみたいかな」

「どうしてそんなに花田君のサークルが気に障るの?」

最初に花田が純永に接触してきたことを話したとき、賽はかなり機嫌を悪くした。こうしてサークルが着々と進捗していることを伝えても、それは相変わらずだった。

「それはね…、端的にあの男の企図していることが、気に入らないからよ」

「企図していることって?」

賽は椅子に座り直して姿勢を正し、改めて純永の方に向き直って話を再開する。

「そうね…、一言で言うなら、普通を求めている、と表現できるかしら」

「普通を求めている?」

賽の言っていることが、純永にはすぐに把握できなかった。

「そう。あいつは、高校の頃から、ううん、その前からなのかもしれないけれど、ほとんどのことをそつなく熟す優秀な奴だった。スポーツも学業も、人間関係の構築も。だから、周囲から比較的目立っていた。その反動なのかしらね。自分が平均的な存在だ、という自意識を持つことを、大体高校の終わりから大学に入る頃にかけて、求めるようになった。そして、その目的の達成の為に、自分とは異質な人間を周囲に集めたがるようになった。周りが変な人ばかりだったら、自分は比較的普通な人間ってことになるでしょう?自分を変えるか、周囲を変えるか、大雑把に言ってこの二つしかないわけだけれど、あいつは後者を選んだ。その選択そのものが気に入らないっていうわけではないの。ただ、普通になりたい、といった感覚が、私は好きではない。普通っていう言葉もあまり好きじゃないし、普通であることに一体何の価値があるのかしらなんて考えたりもする。でも、普通な人が必ずしも嫌いなわけじゃないのよ。矛盾しているように聞こえるかもしれないけれど、そこは勘違いしないでね」

「そういうことなんだ…」

「普通になりたいなら、周りに普通な人間を集めた方が良さそうに思えるでしょう?でもそれでは効果が無いことを、花田は経験上知っているわけ」

純永にとって、賽の話は意外だった。それは、彼の企図として自分が予測していたものの真逆と言えた。自分の予測では、彼の企図は、最初に賽に会った時に賽が話した「法学部進学への志望動機」に近いものであった。賽はその時「文系で偏差値が最も高い法学部に集まる、いわゆる賢い人間の考えとはどういうもので、そういう人間に囲まれて自分は何を考えるか、どう変化するか、そういうことに興味があった」と語った。つまり、この場合も、花田は、「自分とは異質の人間の考えに興味があり、その違いを知ること、そしてまた、そういう人達と関わって、自分がどう変化するか、それを楽しむこと」が目的なのだと思っていた。

「花田は、その意図とは裏腹に、本質的には興味深い人間、普通でない人間だと思う。彼が選んだメンバなのだから、優秀かどうかとかはよく分からないけれど、きっと関わっていて楽しいことも沢山あるでしょう。花田の意図なんかそれほど重視しないで、遠野君は遠野君の好きなように動くと良いんじゃないかしら」

真っ直ぐな力強い瞳で、賽はそう言った。


湿気を少し伴った、生温いとも言えそうな暖かさに覆われた夜。虫の声が聞こえた気がしたが、錯覚だろうと思い直す。まだまだ時期的に早過ぎるからだ。

純永は、自分のアパートで講義の予習をしていた。法律学というものは、他の学問からすると比較的取っ付きやすいのかもしれない。まだ勉強し始めて間もないのだが、純永はそう感じていた。法律とはどういうものか、高校までの勉強で多くの人がぼんやりとではあっても理解しているし、ある種の哲学に見られるような、途方もなく難しい概念も少なそうである。そもそも何を目的とした学問か、ということが、厳密な定義や表現は難しくても、大まかに予測、把握できる。

「法律を学ぶというのは、外国語を勉強すること、外国語を理解し話せるようになるということのようなものです」

ゼミの教授の言葉を思い出す。外国語は、最初に覚えることが沢山ある。しかも、単語や概念、文法のルールといったものに必然性がほとんど無いように、普通の人間には思える。語源というものはあるけれど、では、語源の語源は?などとは通常考えられない。厳密に言うならば、遡ることができない場合が多く、また、仮に遡ったとしても、確定された語源からのその後の展開について、規則性を見出すことは難しい。加えて、規則そのものの成り立ちには、それほど意味や重要性が(普通に言語に接する限りにおいては)ない。

一方、法律には必然性がある。その必然性を作り上げる思想は、多くの場合「合理性」だ。憲法や刑法、いわゆる公法においては話がだいぶ違うようだけれど、それらの分野でさえ、合理性は重視されている。合理性は、「合理的だ」などと言うときは「効率的」に近いものにもなるが、法律での合理性は「平等」の意味合いが強くなる。例えば、同じような法律事案には、同じような判決が下される。まさに合理的であるし、平等だ。つまり、必要なのは、法律が網羅する状況の類型化、そしてそれぞれの状況における「正しい解決(結論)」の中身だ。

純永はこの時まだ、法律が最もアクロバティックになる局面、すなわち「未知の状況における法律判断、あるいは立法作業(法の創造)」について、ほとんど知らなかった。だから、法律をレベルの低い数学のように、与えられた問題があって、条件に適う式に基いて答えを導く、しかも答えの正しさは保証されている、そういうものだと理解していた。法律に最初から最後まで付き纏う「正しさの危うさ・曖昧さ」に対して、思いを巡らすことはなかった。

ふと、今日そのメンバと会ったサークルのことに思考を傾ける。どうして自分がサークルに入ろうと思ったのか、純永は未だに自分の中で整理できていない。高校までの間、純永は人と深く関わることは極端に少なかった。自分の方から避けていた、と客観的には言えるかもしれないが、その反対で、誰も純永と深く関わろうとしなかっただけなのかもしれない。もっと小さかった頃は違った。ベタベタという擬態語はちょっと強過ぎるけれど、友達との付き合いは親しいものだった。その変化のきっかけはあった。心当たりはあるということだ。

そういう純永に変化を齎したのは、一志木賽だった。彼女は、まだ大学に一人も友達がいない純永に、今から考えればこれ以上は無いと思われる自然さで、近づいてきた。そして、比較的早い段階で、純永のことを深く知る存在になった。そういった存在が自分の周囲にできたことで、純永の方も変化した。無意識に閉じていた自分が、無意識に開いた、変化への道が自分の周りには沢山あって、その存在を意識するようになった。

サークルに入ってやりたいこと、それは純永には特に無かった。今までずっと一人でなにもかも楽しんできたし、だから、誰かと一緒に何かを楽しむ自分、というものが、まるで遠い過去の理想郷のように、ぼんやりとしか思い浮かべられない。

(理想郷だなんて、現状に著しい不満があるようじゃないか…)

実際不満は無かった。ただ、変化への興味はあった。結論としては、これ以外にサークル加入の動機に相応しいものはないだろう。

(あれ、これって…)

そう結論付けようとした時、純永は気がついた。自分の結論が、賽の法学部への志望動機、それとかなり似通っているということに。

変化への興味の伝染。二人に共通しているのは、現状に強い不満があるわけではないということだ。通常、不満や欲望があるから、変化を志向する。しかし、純永はもちろん、賽にも、そのようなものは存在していないように思えた。では、二人は満足しているのか、というと、そうでもなさそうだった。大学で自由に勉強ができて、幸せだと純永は素直に感じていたけれど、今の自分に自信などといったものは少しも無かった。

(変化というのは、他者を取り込むということに等しいのだろうか。取り込んだ後には、取り込む前の自分はどのくらいそのまま残っているのだろう…)

自分の考えがどんどん拡散して行きそうだったので、純永は課題に注意を引き戻した。法律学が取っ付きやすいものだとは感じたけれど、集中力が必要であるとも感じていた。頭の中の纏まりのない思考は、次第に遠のいて行き、目の前の教科書の文章と、それに関連する事柄が純永を支配していった。

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