豊かな想像の世界と生きる希望

 それは単なる想像の中の世界だったでしょうが、幸運にも私自身が幼少時代を過ごした’70年代には、たくさんの子供ならではの情操教育を施してくれる豊かな作品群があふれ(世界名作劇場などを筆頭に)そして一大アニメブームとなった「宇宙戦艦ヤマト」などの松本零士作品以降の´80年代にも、様々なことを考えさせてくれるばかりか、自由にイマジネーションの翼を広げ、心から楽しませてくれるバリエーション豊かなアニメ作品群や、数々の印象的なアニメソングや音楽などが多数ありました。


 その学生当時、ノートに日記とも感想ともつかず、ストーリーや登場キャラクターのことetc.など思うまま、びっしり書き綴った文面に懐かしくも、幾重にも、その記憶の端々が残されており。


 ひたすら自分自身のイメージの中で、空や海や星々の抽象的世界を自由に駆け抜ける開放感……。躍動的で色鮮やかな映像と心に残る物語。そして今も豊かに胸に刻まれた感動が様々なアニソン歌手やアーティストの歌声によって懐かしく楽しくよみがえる、心躍る歌や音楽。


 人とのコミュニケーションや自分自身の気持ちを外に打ち明けることも容易ではなかったからか、そんな心の内に広がったアニメーションの世界が教えてくれた様々な物事は、文字通り自分自身の心を最大限に開放してくれるだけでなく、人にとって最も大切なことを思春期前後の原体験として、まさに様々に深く心に刻んでくれたのだと思います。


 パソコンや携帯はなかったけれど、昭和という時代には一つの色褪せない懐かしさと共に、その時代にしかない、あたたかな匂いがあった。特に今でも懐かしく思い起こすのは、子供時代から大人へと至る12歳前後という貴重な時期のまるまる三年間を共に過ごした「銀河鉄道999」のヒロイン、メーテルの『――青春の幻影』という台詞。


 それが如実に表していましたが、私自身の青春時代における、まるで一巻きの歴史絵巻のように縦横無尽に繰り広げられた一綴りの様々なアニメーションや音楽の記憶……。それはその時にだけしかないもので、だからこそ特別な時間だったのだと。


 本当によい時代だった、と今でも折に触れ振り返ります。それは豊かに心動かされ、満たされた感受性の宝庫そのものでした。本当に奇しくもそれらがあったから、おそらく今の私自身がここにあるのだと思います。


 私自身の夢というものや、今現在の創作活動の源がどこにあるかと問われれば、やはりそれら、今までの半生でずっと孤独だった自分自身の心が触れ、感性を様々に培い深く刺激されてきたアニメーションや歌や音楽の世界だったのでしょう。夢それ自体もですが、音楽や映像、映画や架空の物語など人が想像するものごと(ヴィジョン)などは、すべて占星術では海王星が司っています。


 海王星は魚座♓の支配星であり、目に見えないもの、理想や夢などを表します。現在、海王星はその本宅オウンサイン(自分自身の家)である魚座にあり、よくも悪くも目に見えない大きな力を振るっています。惑星や星と星との角度にも言えることですが、それぞれの惑星(占星術では太陽と月を含めた太陽系の10惑星を扱います)にはよい面と悪い面とがあり、本人のその星の使い方(考え方)次第で、どのようにも結果は変化します。


 例えば、刃物は扱い方次第で人を殺すこともできれば、料理などの道具として有用な使い方もできる。海王星の象意の意味する海も、時に津波で多くの人の命を奪ったかと思えば、穏やかに凪いでその恵みで人々の生活を潤したりします。同様に海王星には夢や理想といった美しい面もあれば、嘘偽りや詐欺、妄想などのように、あまりありがたくない一面も。


 でもそれも、扱い方次第、その受け止め方次第では、美しく豊かなファンタジックな夢を描くことも可能です。今その魚座の海王星は、対岸の乙女座の木星と180度で向き合い、今年の3月の春分図では共に魚座にある金星とともに、インフレーション的な様相を呈しています。


 牡牛座や天秤座の支配星である金星は、愛の星であると同時に金融を司る星ですが、さらにそれら(海王星金星合・木星オポジション)と厳しい角度であるT字型のダブルスクエアを組む射手座の土星や火星と拮抗し、その図からは文字通りの金融不安や金融崩壊など、現社会経済システムの斜陽を彷彿とさせます(つい先頃、いわゆる「パマナ文書」により暴露された世界中の特権階級の巨額の脱税不正などは、まさしくこの星配置の図式を思い起こさせます――)。


 しかして、この魚座の海王星や金星は、優れた芸術などの文化的側面を促し、やはり今、人々が心から求めているのは、こうした海王星のよい面が表れた、心の琴線に触れるファンタジーや深く微細なインスピレーションの世界なのではないかと思います。インスピレーションといえば……、


 個人的に作詞および詩作と星占いは、そのインスピレーションを豊かに働かせる、という点で、どこか似通っている面があると感じています。どちらも自由な発想によって様々な世界を見出し構築して表現することができると思うからです。なので――作詞、音楽と占星術をコラボレーションさせることは、それほど難しくないことなのではないかと。事実、見えないものを表現する音楽も占星術の世界も、等しく海王星の管轄と言えます。


 前述の通り、私は作詞家にも占星術師にもなれなかったかもしれませんが(こちら的には作家もNG?苦笑)それでも、もっと新しい世界が、もしかしたら、ここから開けているのかもしれません。それこそ自由な発想で。


 プロフィール欄にも書きましたが、プロとアマということにも大きな疑問を抱えており、夢を夢として追いかけることには何の問題もないのに、それを職業として考え始めた途端、一つの壁にぶつかってしまう。それは私自身の自信のなさのなせる業かもしれませんが、プロとして世間から名実ともに認められなければ、その夢は成就させることが叶わないのでしょうか?


 作詞家や作家、あるいは占星術家――いや、そうじゃない。そういう肩書きで、どれか一つでも呼ばれるということは、ある意味その人の誇りでもあると思います。が、そういうこととは別に、もっと自由に。もっとおおらかに。それは、あまりに自然に、心に湧き上がってきた思いでした。いうなればその職業の権威的なもの、特権的なものは、様々な努力をしてチャンスを得、それを手に入れた人の勲章のようなものです。でも、それにあまりにもこだわりすぎていはしまいか。


 作詞講座をしていた時、講座内で主催されたコンペで一度最終選考に残ってしまったことがあり、その時一度だけ松井さんご自身からアドバイスと称してTELをいただいたことが。緊張のあまり、何を話したのか、ほとんど覚えていませんが。


 実はそれ以前にAMラジオで同名の作詞講座関連の松井さん自身がパーソナリティを務める番組でも、詞先と曲先二つの応募作品を実際に番組内で紹介され、そのうちの詞先作品はノミネート賞までいただいてしまったのですが、それら作詞講座での大きな驚き含め、松井さんには、何がしかの運命まで感じたほどです(実際、宿曜術という東洋系の月で占う占星術では、全く同じ「星宿」の「命」という関係でした、笑)。


 そんな松井五郎さんとの不思議なご縁もあり、牡羊座とどこか似通った性質を持つ、同じ火の星座である射手座♐生まれということも関連して、その誰も見たことのない、足を踏み入れたことのない世界に自由な翼をもってして果敢に飛び込んでいくことの大切さ、というものを教えられた、いつもどっしり地面に腰を落ち着けている固着(不動)サインの牡牛座です(笑)。


 思いのほか長くなってしまいましたが、これはまだ筆者のご挨拶も兼ねた、序章。私自身の人生はやはり、夢に始まり夢を追いかけ続けること以外にない、ということを再認識した今日この頃ですが、こちらに集う多くの方々も年代は違えど、同様に様々に夢を追いかけ続ける、その途上にあるのだと思います。


 やはり夢を持っている、ということは何にもまして貴重。その希望にあふれている人は、生きる希望にも恵まれており、そんな人々が世にあふれることこそは、世界全体の幸福をもたらすことでもあるのだと。かくいう私自身も、何度もその夢追うことを諦め、自分自身や自分の人生それ自体に失望しながらも、それでもまだ諦めきれない、何度でも空を見上げて見えない星をみつけてみたいと思う。


 それこそがイコール、生きているってことなんだな。そう実感する昨今です。それは誰もが同じで、自分の夢をみつけた瞬間から、その喜びと苦しみとは同時に始まっているのだと思います。でも、だからこそ、その瞬間人は自分自身が「生きている」のだと実感するのだと。産みの苦しみ、その難産の痛みこそは、文字通り人が生きていることの証。


 序盤にして既に様々なことを書き尽くしてしまった感がありますが(笑)それでも、まだ「ご紹介」程度で、これからも、その夢にまつわる話を様々に書き綴っていきたいと思いますので、もしご興味の向かれる方がいらっしゃいましたら、今後とも、どうぞよろしく。

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