241〜245

241話

#twnovel

お嬢様が自身で稼いだお金で洗車代金を支払ってくれた。免許は持たず車に疎いお嬢様だが、私に愛着があったようだ。「今までありがとう。いってらっしゃい。良いオーナーさんに出会えると良いね」中古車の買取屋へと向かう私を、お嬢様は見送ってくれた。こちらこそ、ありがとう。


242話

(お題:『朝』の『ツリーハウス』で『ポケット』、『パスワード』を使ったツイノベ)

#twnovel

朝の日差しが窓から差し込む。ツリーハウスのベッドの中で、私は大きなあくびを一つして起きた。家庭菜園で採れた野菜を挟んだ、健康的なサンドウィッチを食べつつ、一日の予定を確認する。今日は屋根の補修をして、昼過ぎには街へ買い出しに行って…。若干寝ぼけながら仕度する。


243話

#twnovel

高度な文明を持った母国を離れてから、もう何十年経ったか。この国、この森へ来てから、私は以前よりも充実した日々を送っている。しかし、利便性を手放すには勇気が必要だった。上着のポケットの中には、母国へ帰る為の瞬間移動装置を使うパスワードを記したメモ紙が、未だある。


244話

(お題:『夜の廊下』で登場人物が『裏切る』、『星座』という単語を使ったお話)

#twnovel

王都の学問街には、様々な分野の学者達とその弟子達が集う王立学舎がある。見回りのために夜の廊下を歩いていると、煌めく星座が目に留まった。それだけなら良かったのだが、凶兆の星まで見つけてしまった。【明朝、国の重鎮が王を裏切る】星はそう示していた。


245話

#twnovel

面倒な事になったものだ。天空学を学ぶ己の立場を、初めて悔いた。凶兆の星は、事の詳細までは示していない。さて。今から王城まで使いを出したところで誰が信じようか。天空学は、古の智を知る学問。城の者達には失笑されるだけだろう。結局のところ、私に出来る事など無いのだ。

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