236〜240

236話

(お題:『風読み』)

#twnovel

風読みの仕事も楽ではない。人々に感謝されることも多いが恨まれることも多々ある。今日は訪れた村で『なぜ雨が少ないのだ、もっと降らせろ!』と、罵声を浴び、貴重なはずの水をかけられた。風読みは神様ではないのだが。


237話

(お題:『壊すのは簡単』)

#twnovel

「ドミノって、人生と似てるよね」はい?どこが?「縦に並べたり、横に曲げて並べたり、途中にギミックがあったり。まさに人生そのものじゃない?」なるほど…。「あとね、こうやってさ」とんっ。「壊すのは簡単なところ」


238話

#twnovel

私の名は、クロユリ。元々は別の名前があったが、とうの昔に捨ててしまった。「クロユリ様。竜王様がお呼びです」「分かったわ」村の者達は畏敬の念をこめて、私の名を呼ぶ。竜王の血を飲み、人でもなく竜でもなくなった私は、一体何者なのだろう。百年生きても、答えは出ない。


239話

#twnovel

小雨が降る中。ご主人とお嬢様を乗せて、私は久々に山道を走っていた。連続したカーブをご主人は危なげなく通過してゆく。私も、歳をとった。小さな故障はしょっちゅう。燃費も悪い。今のご主人が私を養うには、そろそろ辛い頃か。今回のドライブは、最後の思い出になりそうだ。


240話

#twnovel

美しい渓谷へのドライブを終えて帰路につく。自宅へ戻る直前でご主人はガソリンスタンドへ寄った。給油?まだガソリンは結構あるのだが…。不思議に思っていると、手洗い洗車のコーナーへと連れて行かれた。ご主人たちの会話を聞いていると、どうやらお嬢様たっての希望らしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る