206~210

206話

(お題:[早朝]の[居酒屋]で『ボール』、『桜』を使ったツイノベ)

#twnovel

日の出と共に暖簾を外す。営業中とは対照的に、客が帰った後の居酒屋はあまりにも静かで。僅かに寂しさを感じる。店内を見回せば、飲みかけのハイボールのグラスに、桜の花が。あぁ、今年も忙しくて花見には行けそうにないな。


207話

#twnovel

あまりにも乱暴な運転をするバスの運転手がいた。その男のバス会社に就職した。バスなんて早く着いてナンボだろ。そう話す男を客として私のバスに乗せた。思い切りスピードを出して、壁に激突した。人生の終着点にも早く着いてナンボだろ?


208話

#twnovel

男「精神病の奴らは、皆、孤島にでも閉じ込めておけばいい!その方が世のためだ!」

医者「では、貴方も孤島行きですね」

男「何故だ!?」

医者「貴方も精神疾患があるからですよ。人を差別する人は、皆、病人です」


209話

#twnovel

私が死んだ後も、世界は変わらなかった。朝日は登るし、夕日は沈むし。季節は移り変わってゆくし、夏は暑いし、冬は寒いし。一部の人たちは悲しんでいたけれど、やがて日常に戻っていった。


私が死んだ後も、世界は変わらなかった。それでいい。それがいい。


210話

(お題:『この年齢で君を好きになっていいのかなって』)

#twnovel

「今日、結婚を申し込まれたわ。その場で丁重に御断りしたけれど」「…クロユリ、お主もあの男を好いておったではないか。何故だ?」「私、半分は竜だし。この年齢で、あの人を好きになっていいのかなって」「しかし…」「その分、あなたが一緒にいてくれるでしょ。ね、竜王?」

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