201〜300話

201~205

201話

#twnovel #10分の1ツイノベ

喪うことに鈍くなりたくない。


202話

#twnovel

死というものに鈍かった。人身事故の生音を聞いても、まるで他人事で。ご近所のおばあさんが死ぬのも、わかっていたことで。だから、私はこの職場を選んだ。「××さんのカルテ、持ってきてくれる?」「はい、わかりました」生と死が交差するこの病院で、今日も私は学び続ける。


203話

#twnovel

これで、今日、何度目だろうか。何もないところで躓いて転びそうになり。足の小指を家具に打つけて。指先をドアに挟み血豆をつくり。胸にポッカリと穴が空くって、この事か。君を喪った悲しみは、当分癒そうにない。


204話

(お題:[午後]の[ファミレス]で『狸』、『雷』を使ったツイノベ)

#twnovel

友人と午後の散歩を楽しんでいると、雷を伴った夕立に見舞われた。仕方なく近くのファミレスへ駆け込む。ドリンクバーと安価なデザートを注文し、愚痴をこぼした。「お前さあ、この天気どうにかできない?」「その類の事は、狐か龍にでも頼め」しかめっ面の友人には、狸の尾が。


205話

(お題:[夜更け]の[図書館]で『最後』、『絵』を使ったツイノベ)

#twnovel

二十四時間、貸出しを受け付けているウチの図書館。日付が変わる直前に今日最後の来館者がやってきた。スーツを身に纏ったサラリーマン風の男は、一冊の絵本を借りたいと言う。「もうすぐ娘の誕生日でして」プレゼントの絵本選びに迷っていると苦笑する彼は、明日も来るのだろう。


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