166~170

166話

#twnovel

『画面越しにしか繋がることができないという事実が、嬉しくて悲しいです。あなたは、誰なのでしょうか…?』あるSNSで、偶然知り合った君からのメール。なんと返信すべきか、もう小一時間は悩んでいた。翌日、教室で会った君は寝不足のようだった。今夜こそは、返信すべきか。


167話

#twnovel

あの人は、偽善者よ。『痛かったよね、苦しかったよね。もう大丈夫だよ』って。どうして、そんなこと言えるの?同じ傷、あなたには無いじゃない。わかったフリをするくらいならば、あなたも同じ傷を負ってみなさいよ。――あなたには、そこから飛び降りる勇気なんて、ないくせに。


168話

(お題:『躊躇うな、 』)

#twnovel

『おい、小娘!躊躇うな、――其奴を切れ!』自身の影の中から、竜王が叫ぶ。ホノカは戸惑った。切る?この人を?私には、「できないよ…」手の中から、剣を手放す。「馬鹿だな、嬢ちゃんは」目の前の男に、優しかった面影は無い。ホノカは狂気にのまれる覚悟をして、目を閉じた。


169話

#twnovel

「あぁ、こいつは、本当にバカだよ。俺もそう思う」聞き慣れた声。目を開けようとしたら、手で両目を覆われた。「見るな。見ないほうがいい」「あ…」男の呻き声と、濃くなった血の匂い。咄嗟に、アルトの手を振り払った。そして、赤が広がる世界に、来てしまった。


170話

(お題:『おかえりなさい』)

#twnovel

「アルト兄ちゃん、おかえり」幼かった頃の君。「あ、アルトだー。今回の任務、長かったね。おかえり」同じ宿舎で暮らすようになった君。そして、今、「アルト、帰ろう。みんな、『おかえり』って言いたくて、待ってるよ」隣で笑う君。あぁ、帰ろう。君と、一緒に。

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