161~165
161話
(お題:鉄のにおい)
#twnovel
雨に混じって、微かに鉄のにおいがする。誰も、気付いていないんだろう。街中へ出れば、いつも通りの賑わいだ。鉄のにおいに引き寄せられるように、路地裏を進む。そして、見つけた。「…っ!どうして、ねぇ。――おじさん!」鉄のにおい、なんかじゃないって、分かっていたけど。
162話
#twnovel
人類は進化を続けた。熱波にも寒波にも耐える体を持ち、二酸化炭素濃度の増加にも順応し、食糧危機には霞を食べることで耐えた。最早、仙人の域に達するか、と思われた。しかし、根本は変わっていなかった。いつまでたっても人類は死を恐れ、地縛霊となって地球に蔓延ったのだ。
163話
#twnovel
世界を混沌の闇で覆った魔法使い。止めるのは、唯一の弟子である僕の役目。「師匠、終わりにしましょう」師匠に抗う術は、もうない。「我が弟子よ、見逃しておくれ」「師匠、あなたは神様ではない。そして…僕も、神様なんかには、なれないんですよ」だから、一緒に眠りましょう。
164話
(お題:「もう一度、私の目を見て“嫌いだ”って言えたら信じてあげる」)
#twnovel
「もう一度、私の目を見て“嫌いだ”って言えたら信じてあげる」弱い、脆い、と思っていた少女は、いつからこんなに強くなったのだろう。青年は驚いた。ずっと一緒にいたのに。いや、近すぎて見え難くなっていたのか。何にせよ、もう嘘はつけなかった。「俺が悪かったよ――相棒」
165話
(お題:お手軽な絶望)
#twnovel
【お手軽な絶望を味わいたい方へオススメです】そんな謳い文句のパッケージ。何だこれ、人類育成キット?試しに購入する。帰宅して開封すると、小指の爪ほどの、小さな地球が出てきた。水をやり、光を当てると、瞬く間に文明の発展した人類に地球は滅ぼされ、塵になった。
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