136~140
136話
(お題:[夜]の[花畑]で『赤』、『犬』を使用した140文字小説)
#twnovel
目がさめると夜の菜の花畑だった。満天の星のもと、菜の花が遥か彼方まで広がっている。以前旅行に来た場所だ。これは夢か。夢の中で夢だと気がつく事が時々ある。ルイに会いたい。私が願うと、遠くから赤い首輪をつけた金色の犬が駆け寄ってきた。亡き愛犬と黄色の海で再会した。
137話
(お題:『振り向かないで、後悔なんてしないで』)
#twnovel
「振り向かないで、後悔なんてしないで。帰るべき場所があるでしょう?」異世界からやって来て、この世界を救ってくれた彼。彼が元の世界へ帰れる門が、今夜だけ開いている。私は、彼の背を両手でそっと押した。「ありがとう。あなたのおかげで、私達はこれから笑顔で過ごせるわ」
138話
#twnovel
「な、んで…」一度は門の向こうに消えた彼が、戻ってきた。私と目を合わせる。そこに先程までの迷いはない。「俺、帰らないよ。お前を泣かせるぐらいなら、あっちの世界と別れる。笑顔のお前と、ずっと一緒にいたいしな」私は泣きながら彼の差し出した手を取った。門が、閉じた。
139話
(お題:[昼]の[公園]で『ボール』、『草花』を使用した140文字小説)
#twnovel
梅雨の晴れ間の休日。連日の雨で気が滅入っていたので、スケッチブックと鉛筆を持って、近所の公園へ向かった。趣味の絵を描けば、少しは気が晴れるだろう。昼の公園には、ボール遊びをする親子や、名も知らない草花がいきいきと輝いていた。日が暮れるまで、僕は絵を描き続けた。
140話
#twnovel
持参したスケッチブックのページを、すべて使い切ってしまった。帰宅後、また雨が降ってきたが、気が滅入ることはなかった。雨のあとは、世界が輝くことを、知ったからだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます