101〜200話

101~105

101話

#twnovel

ひかりは消え入りそうな声で呟く。「あの時、急に雨雲が広がって、濡れて…。心もどんよりしてたの。でもね、カヨちゃんが光みたいに私を照らしてくれて、助けてくれて…。すごく、嬉しかった」ひかりは天真爛漫に笑う。私達は、お互いを光だと感じていたようだった。


102話

(お題:[夜更け]の[本屋]で『小鳥』、『ハムスター』を使用した140文字小説)

#twnovel

日付も変わろうかという夜更けのこと。いつものように店番をしていた。古本屋という商売は、夜の方が客が多い。今夜も常連客がやってきた。「こんばんは。昼間は、お客、来たかい?」「あぁ、小鳥とハムスターが来たよ」「それはなんとも美味そうだにゃぁ」黒猫は舌舐めずりした。


103話

(お題:『模様』『日曜日』『名前』)

#twnovel

日曜日。予定もなくて暇だったし、模様替えしよう。思い立ってすぐ実行。その日の夕方には、快適な部屋が出来上がっていた。「これだけスペースもあるし、××も呼べるかな…」ふと、思い浮かんだ友人の名前を口にしていた。暇だった、なんて、ただの口実。君を招きたいが為の。


104話

(お題:[夜]の[屋上]で『百合』、『怖い』を使用した140文字小説)

#twnovel

月のない夜のこと。屋上で夜風に当たっていた。私の中に、クロユリという人の血が、流れている。たった、それだけの事実が、怖い。昨日までは好きだった、道端で可憐に咲く百合の花が、今はただただ恐ろしかった。


105話

(お題:『両目など、見えなくなってしまえ』)

#twnovel

少女との再会は、血生臭い闘技場の廊下でだった。今しがた、対戦相手を屠ってきた俺を、戸惑いと怯えの混ざった瞳で見つめてくる。「ほんとうに、アルト、なの…?」許してくれ、そんな顔、させるつもりじゃなかったんだ。あぁ。いっそのこと、両目など、見えなくなってしまえ。

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