081〜085
081話
#twnovel
「またここに来てたのか」植物園の中、緑に埋もれるようにして、少女は膝を抱えて座り込んでいた。「だって…」見上げる顔は、既に涙でぐしゃぐしゃだった。隣に腰を下ろし、少女の頭を少し乱暴に撫でると悔しそうに唸られた。つくづく素直じゃない。苦笑するしかなかった。
082話
(お題:「運命さえも切り捨てて」)
#twnovel
青年と上司から聞かされた話は、傷を抉るような内容だった。私の出自に、そんなことがあったなんて。耳鳴りが、遠くで、近くで、わーんと聞こえる。目眩がしそうで、無意識に握りこぶしを作っていた。不敵な笑みを浮かべ、呟く。「運命さえも切り捨てて、前に進んであげる」
083話
(お題:「陽炎になった君」)
#twnovel
遥か昔、独り立ちした時のこと。師匠は祝福とも呪いとも受け取れる魔法を僕にかけた。それは師匠の顔を思い出せなくなる、というもの。記憶の中で、陽炎になった貴女。この魔法を打ち破るべく、研鑽を積む日々だが、あまりにも果てしない道のりで。彼女の偉大さを思い知らされた。
084話
#twnovel #博士の日
「博士、もういい加減あきらめたらどうです?」「ふん。助手のお前に分かるものか。この研究で我が娘は蘇るのだ」ロボットを作り、人工知能を育て、今は亡き愛娘を再現しようとしている博士。だが、あと一歩のところでいつもロボットは壊れる。そりゃそうだ。だって、
085話
#twnovel
「今回も壊しとく?」『うん、お願い』幽霊になった博士の愛娘であり、私の親友。彼女に懇願されて、博士が寝ている隙に、私はロボットの中身を適度に壊す。人工知能のデータも、いじっておく。博士、愛娘を蘇らせるよりも、みんなが幽霊を見れるような研究をしてくれないかな。
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