076〜080
076話
#twnovel
私は、この灰色、あんまり好きじゃない。正直、嫌いだ。くすんだ色。目立つ色。街へ行けば好奇の目で見られる色。今だってほら、注目を集めて--いない。え、何で。少女が不思議そうな顔をしていると、青年がさりげなく言う。「この街で、その色を珍しがる奴はそうそういないさ」
077話
(お題:「もう一度」を入れて【知りたくない】をイメージしたツイノベ)
#twnovel
「ホノカ。何だこれは」机上に置かれたものに、上司である男は不機嫌を顕にした。少女は答える。「見ての通りですよ。隊長、私ここを辞めます」「…あいつを探しに行くつもりか。生きてるか死んでるかすら分からんというのに」隊長のストレートな物言いに、一瞬怯んだ。
078話
#twnovel
小さく深呼吸して、視線を合わせる。目の前の上司から、現実から、逃げてはいけない気がしたから。「もう一度、アルトに会わなきゃいけないんです」例え、その先に信じたくないような絶望が待っていようとも。知ることでしか、私は前に進めない。
079話
(企画参加作品:「夜が聴こえるこんな日には」)
#夜が聴こえるこんな日には 外に出よう。星の瞬きに目を輝かせる君へ、長い物語を語ってあげよう。ある一人の男が、どこで生まれ、どうやって育ち、こうして今、君の隣にいる理由を。物語が全て、夢だったと錯覚してしまうように。
080話
#twnovel
突然、姿をくらませてしまった相棒は、未だに行方不明だ。思い出すのは優しくしてもらった思い出ばかり。誘われて見に行った、あの青い花。その花言葉を知った時に、私は悟った。あなたは、私に許してもらいたかったんだね。馬鹿みたい。私は、最初から、あなたを許していたのに。
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