051〜055

051話

#twnovel

「僕は何も…」「逃げなかった、でしょう」確かに恐怖は感じた。だが、逃げようという発想は浮かばなかった。「二人は良い友人になれると思うわ」「そうですかね…」「えぇ。彼女は神獣だから、付き合いの難しい友人になるとは思うけれど」「神獣…!?」ハルさん、それ初耳です。


052話

#twnovel

次元の狭間の街にあるカフェ、兎亭。世界を渡る旅の合間、ほんのひとときに、そこでは不思議な友人ができるかもしれない。


053話

(お題:「信じてるよ」)

#twnovel

もう、何度も諦めろと言われた。色んな人が、私を説得しようとした。でも。何を言われても、私は諦めきれなかった。彼は、私の唯一の、相棒だから。「また会えるって、信じてるよ。アルト」澄み渡る青空の下で、噂でいいから彼の元まで届いて欲しいと、風に囁いた。


054話

#twnovel

おいしそうな肉じゃがの入った、プラスチック製容器には値引きのシールが貼られていた。今夜のおかずにしよう。わたしが手に取る前に、横から別の手が伸びた。スッと、他人のカゴへ入る肉じゃが。そんな…。


055話

#twnovel

肉じゃがを取ったのは、幼稚園生だろうか、幼い子供だった。その子の嬉しそうな笑顔に、悲しみは小さな苦笑に変わった。あの子においしく食べられるのなら、まあ、良いか。わたしの小さな不幸は、あの子の小さな幸せなのだから。

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