016〜020

016話

#twnovel

「今日はエイプリルフールだね」「そうだね」「何か言うことある?」「そうだなぁ…。あ、ひとつあった。私、苗字が変わったから宜しく」「うーん、その嘘はイマイチだねぇ」「戸籍謄本、見る?」「え?」「戸籍謄本、見る?」「え!?」


017話

#twnovel

「ねぇ、大丈夫?」「大丈夫だよ」「本当に?」「うん、本当」「…ダウト」「なんでさ」「だって、辛そうな顔してる」「…敵わないなぁ、もう」涙声を、笑い飛ばしてしまいたかったのにな。


018話

(お題:壊れた硝子を掻き集める)

#twnovel

ある日、彼女と喧嘩した。怒った僕は「お前なんか無機質な硝子になってしまえ!」と、彼女に禁忌の魔法をかける。硝子になった彼女は、僕が手をあげる前に、何故か粉々に砕けてしまった。僕は、壊れた硝子を掻き集める。そして気付いた。優しい彼女の心が壊れた結果だったのだ。


019話

#twnovel

『少女が角笛を燃やしてしまった』風の精霊から、そう聞いた神竜は、不思議で仕方なかった。ヒトというものは、我ら一族を屈服させたがるのに。なぜ、なぜだろう。人に裏切られた神竜は、その少女とならば言葉を交わしてみたいと思った。そして、この国は大きく揺らぐことになる。


020話

#twnovel

少女は、墓守りの一族の一人娘だった。と言っても、墓で眠っているのは人ではない。竜である。この国の王家は建国当初から竜族との親交があった。竜たちは手厚い保護を受け、骨になった後も、大切に守られてきた。いつかは、父の仕事を受け継ぐのだろう。少女はそう思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る