021〜025
021話
(お題:ほどけた包帯)
#twnovel
右手首のほどけた包帯を見て、少女は溜息をついた。先日、魔物の討伐依頼を遂行中に負傷したのだ。包帯を結び直そうと試みるが、利き手側なのでやりにくいことこの上ない。こんな時、あいつがいてくれたら手伝ってくれただろうに。行方知れずの相棒の顔を思い出し、視界が滲んだ。
022話
#twnovel
『明日の日中は雨でしょう。皆さん、傘をお忘れなくーー』テレビの天気予報に、花の精霊は唖然とした。しばし遅れて、彼女は憤慨する。「せっかく桜の花を咲かせたのに、もう散らせるつもり!?天空竜のやつ、なに考えてるのよ!」精霊界の春恒例バトルが、今年も始まる。
023話
(お題:「夜のプラネタリウム」「夢中になる」「手紙」)
#twnovel
ある雨の晩、誕生日を祝う手紙と小包が届いた。差出人欄には、旧友の名。小包の中身は、家庭用プラネタリウムだった。説明書片手に、夜のプラネタリウムができあがる。室内には星空と、微かに聞こえる雨音。ありえない組み合わせの中、光の煌めきに私は夢中になる。
024話
(お題:「伝えることのできない一言」)
#twnovel
少女は今夜、この村を出る。それも夜逃げのように、村の者には知られることなく、だ。学び舎からの帰宅途中、いつものように友人と「またね」と言って別れた。ごめんね、もう会うことはないと分かってるのに。どうしても言えなかった。伝えることのできない、サヨナラという一言。
025話
(お題:「早朝の畳の上」「なぐさめる」「音楽」)
#twnovel
目を覚ますと、早朝の畳の上だった。昨夜は、随分疲れていたんだっけ。布団も敷かないで着替えもせず、眠り込んでしまったらしい。しかも、イヤホンで音楽を聴きながら寝入ったようだ。リピート再生になっていたお気に入り曲が、疲弊した私をなぐさめる。さあ、今日も頑張らねば。
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