運命



念願の大学には合格はしたが寝坊と通学中に今月5度めのパンクをした

大学に着いたころには案の定遅刻である。


小さな窓から教室を見渡し

教授が前をみてる隙に教室の後ろから静かに入ったが

ばれて「佐久間!貴様はまた遅刻か!!今度遅刻して来たら授業を受けさせない、

追い出すからな」とどやされる


教室からはまた?みたいなクスクスと女子の笑う声も耳に入った



僕はややうつむきながら授業を受けた


昔から走ったり、飛んだり、泳いだりと運動は他の人に比べるとまったくダメだった


勉強や美術、歌ったりするのもダメ

そんな僕でも幼い頃から動物には好かれているのか向こうからよってくる

その結果生き物を観察するのは好きであった



そんな僕が初めて彼女とあった日は各所で桜が見ごろの季節だった


寝坊で遅刻をし教授から説教から解放されて帰宅する途中であった

どこからか猫の声が聞こえた....

その声のするほうによっていくと大きな桜の木の陰で横たわっている猫がいた

抱きかかえると弱々しい鳴き声でこちらみている

よくみると目が綺麗な蒼色をしている

周りをみてみるがやはり母猫らしき姿も見えないようだ

このままほっておけないという気持ちがいっぱいなのか足が病院へ向けて歩き始めていた

先生の話だともう少し遅れると手遅れだった。よくぞ小さな命を助けてくれたね

と言っていた 

家へ連れて帰り看病していくにつれ

あれほど弱っていた猫の容体は日に日によくなっていき

ごはんも食べれるようになった


そして彼女が現れたのはこの頃だった......



    

ピピピッピピッと携帯のアラームとうるさく鳴る

いつものように目を覚ましをアラームを止め背伸びをした

いつもならそのまま洗面所へ行って顔を洗うのだが今日はちがった

やけに布団がこんもりしていた


自分は布団から出ているため助けた猫がいたしても小さく山ができるはず!?


おそるおそる布団をめくるとそこには.....


まったく知らない女の子が寝ているではないか!


動揺が隠せない彼は布団を戻し顎に手をつきながら

昨日のことを思い出し始めた



昨日はたしか...

あまりお酒は強くないけど猫の回復してきたことを祝して居酒屋へ行っておつまみとビールを頼みちびちび飲んでいたがまさか酔った勢いで女の子を家に連れてきてしまって・・・

そうか、自分はお布団で一線を超えてしまったのか

 

と自分に納得させようとしたときだった。


ガバッ!!

 

布団が頭に被さってきた


どうやら彼女が目を覚ましたようだった

はぁー何て言い訳しようと被さってきた布団をどけると



朝日を正面にうーんと背筋を伸ばしていた



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猫と僕の29日間 狐月九華 @nelvelina

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