実践編

第8話 『スカート』or『パンツ』?

「やあ、よむ夫くん。今日はどうしたんだい。

 ……ふむふむ、服装を構成するアイテムの種類についてはなんとなくわかったけど、それを組み合わせるのが難しい?

 確かに、この前の解説では衣服の分類と、そのアイテムが持つ印象をざっくりと説明しただけで、具体的な組み合わせの方法についてはあまり言及できなかったね。それについては、申し訳なく思っているよ。

 だから今回は、この解説のコンセプトである『現代ラブコメの地の文で、二次元美少女キャラの私服を2、3行描写するための知識』に則って、より実践的な服装描写の方法について解説していこうか」


* * *


「さて、まずは服装を決定するまでのプロセスについて解説していこう。


 最初は『季節』。春夏秋冬、四季だね。物語の中で描写する場面の季節によって、まず使用アイテムの大まかな方向性を定めるんだ。

 君たちが日常生活を送るにあたって、春夏秋冬で着用する衣服に変化が生まれるよね。物語の中でも、それは同じなんだ。夏は暑いから薄着になるし、冬は寒いから厚着になる。

 それを前提条件として、常に意識しておくことが重要だよ。


 次は、そのキャラが着用しているボトムスは『スカート』か、『ショートパンツ、キュロットスカート』か、それとも『パンツ』か。

 これを最初に設定しておくだけで、ぐっと後の選択肢が絞られる。

 迷うようであれば、頭の中にあるイメージで選択しておくだけで構わないよ。今後、衣服を設定していく最中に違和感を覚えるのであれば、その時点で変更すればいいだけだからね。


 最後に、服装を描写するキャラをいくつかのカテゴリーに分類してみよう。

 分類方法は『その衣服を着ている美少女キャラクターが、どんな人物であるか?』について。

 なに、そんなに難しいことじゃない。ざっくりとした分類でいいんだ。


1.そのキャラは『かわいい』か、それとも『かっこいい』か。

2.『おとなしい』か『活発』か。

3.性格は『明るい』か、それとも『暗い』か。


 君の作ったキャラクターには、他にもたくさんの特徴があると思う。

 でも、服装を描写するだけであれば、最低限、この分類のどこに当てはまるかだけを分析してほしい。

 それが完了したら、いよいよ実際に使用するアイテムの選択に移ろうか」


* * *


「ボトムスに使うアイテムを決定したら、キャラクターの分類に従って細部を決めてみよう。

 まずは、ボトムスに『スカート』を選択した場合について解説するね。


 1の分類では、スカートの素材とデザインが決定される。

 『かわいい』キャラであれば、ふんわりとした素材やデザインの『かわいい』スカートを履いている。

 反対に、『かっこいい』キャラは、体の……太もものラインにぴったりと沿うような、『タイト』なデザインのスカートを履いていることが多いんじゃないかな。『デニム』素材なんかも、

 ちょっとした応用としては、パンクファッションでよく用いられる『レザー』素材や、『プリーツ』デザインの『ミニ』『スカート』にも『かっこいい』印象があると思うよ。


 次に、2の分類でスカートの『丈』を決定する。

 『おとなしい』少女であれば、素足を見せることや、なんらかのアクシデントで下着が見えてしまうことをすごく嫌がるんじゃないかな。

 その場合、スカートの丈は必然的に長くなる。膝下くらいの長さであったり、場合によっては足をほとんど隠してしまうようなロングスカート(マキシスカートとも呼ぶよ)を履いていると思う。

 それとは逆に、キャラに『活発』な印象を与えたいのなら、スカートの丈を短くして、足の露出を多くしてみて。健康的な印象が生まれると思うよ。


 3番目である性格については後述するよ。まずは、ここまでで設定したキャラクターの分類を使って、アイテムの組み合わせを考えてみよう」

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