助けてカクえもん！ 女の子の服が描写できないの！！

第6話 カクえもんのアクセサリー講座

「さて、それでは最後にアクセサリーの話をしようか。ここでの定義は、これまでに説明した４種類のカテゴリに当てはまらないものという扱いだから、色々とごちゃごちゃした分類になるかもしれないけど、最後まで聞いてくれると助かるよ」

１．ネックレス、チョーカー

「どちらも首に着けるものだね。首にぴったりと巻き付けるものはチョーカー、長くぶら下げるものはネックレスと呼ばれているよ。

　チョーカーであれば『リボン』『レース』『レザー』といった素材を加えて描写するのがいいかな。

　ネックレスは、素材であれば『パール』『ダイヤ』『銀鎖』、あとは『控えめな輝きを放つ』なんていう形容詞と一緒に出すとそれらしくなるかもね。

２．イヤリング、ピアス

「どちらも基本的には耳に着けるものだ。特にピアスは耳たぶに穴を空ける必要があるから、着用しているキャラの要素がぐっと引き締まるというか、学生だとちょっと不良っぽい、遊んでいる雰囲気が出てしまうと思うよ。

　飾りは揺れるもの、揺れないものと、それはもう星の数ほどデザインがあるよ。

　また、ピアスについては色々な俗説があるから、よかったら調べてみるのもいいよ。何か惹かれるものがあれば、その意味をこっそりキャラへ秘めておくのもいいかもしれないね」

３．リボン

「髪飾りにしたり、胸に飾ったり、とにかく用途の広いアクセサリーだよ。

　太さでかなり印象が変わる。細いリボンをブラウスの胸元に結んだり、髪を結わえる飾りにするとぐっと上品で清楚、お嬢様っぽくなる。反対に、大きなリボンは髪飾りにすると子供っぽくなるし、制服の胸元を飾る定番品でもあるね。

　髪を留めるために使う『ヘアピン』のワンポイントとしてもよく利用されているから、キャラの印象を強くしたいときに、前髪に『リボン』の『ヘアピン』を足してみる……なんてこともできるよ。

　服やバッグのワンポイントにも使えるから、リボンの太さとアイテムの組み合わせで色々な印象を作り出せるよ」

４．帽子

「小説の中で使いやすいのは冬のニット帽、夏の麦わら帽子だね。それ以外は上級アイテムになるんじゃないかな。

　ニット帽は先端にポンポンが付いた尖ったものか、それともシンプルなデザインかで印象が変わるよ。

　また、麦わら帽子はつばの部分が大きくて広いと、避暑地だなーひまわりと青い空がよく似合うなー、というひと夏の想い出アイテムとして強固な存在感を放つようになるよ。完全に個人的な印象なんだけど、ね」

５．靴下、タイツ、ストッキング

「膝より上の長さをニーハイ、ひざ下丈の靴下をハイソックスと呼ぶよ。白黒それぞれのニーハイと紺のハイソックスは、現代学園ラブコメを描くなら絶対に外せない要素だよね。

　また、社会人の女性なら肌色のストッキングは欠かせない。素足の色を補正して、綺麗に見せる役割を果たすんだ。『ストッキングが伝線する』というのは、ストッキングがほつれてしまった際の言い回しだよ。

　また、冬に履く黒いタイツは生地の厚さによって透け感が変わる。極厚のものはまったく透けないけど、もう少し薄いとうっすらと膝や太ももの素足が透けて見えるエロティックさがあるよ。

　……まあ、そこまでこだわると、もはやフェティッシュの領域なんだけれどね」

６．バッグ、鞄

「一般的に女子高生が持っている、あの肩掛けデザインの鞄は『スクールバッグ』と書けば伝わると思うよ。

　プライベートな場面で描写するものだと『リュックサック』『デイパック』が背負うタイプ、持ち手が長く、肩から掛ける『トートバッグ』『ショルダーバッグ』、体に対して斜めに掛ける『ポシェット』、筒状の鞄に持ち手が付く『ボストンバッグ』などがあるね。

　全体的に、体に身に着ける印象の大きいもの（リュックサックなど）ほどカジュアルな印象で、鞄本体が小さいほど可愛らしい印象を与えやすいんじゃないかな。小さなポシェットなんかは子供っぽい感じがするでしょ？

　肘に掛けるタイプの鞄なんかで、どう呼べばいいか分からないときは、単純に『バッグ』という描写で問題ないよ」

７．インナー

「アクセサリーではないんだけど、下着類の説明もここでしておくね。

　今、ズボンのことをパンツと呼ぶようになっているんだけど、じゃあ下着の方のパンツはどう呼称すればいいか。

　これについて、一番角が立たないのは『ショーツ』っていう呼び方じゃないかなあ。次点で『パンティー』。物語の雰囲気に合う、好きな方を選ぶのがいいと思う。

　余談だけど、女性用ショーツの、布が二重になっている部分は『クロッチ』という名称だよ。

　それから、よく見かけるガーターベルトだけれど、ショーツの下に着けてストッキングを留めるのが正しい着用方法だよ。ストッキングが落ちないようにしつつ、お手洗いにも行きやすいように作ってあるんだ。

　ガーターベルト、実はニーハイと組み合わせて学園ものにも取り入れやすいアイテムだから、少し変わった設定を作りたいときは試してみてね」