第2話 カクえもんのトップス講座

「最初は『トップス』に分類されるアイテムについて説明していくよ、よむ夫くん」


1.カットソー

「これは、ブラウスやTシャツといった固有名詞を持たないトップスの総称のようなものだね。

 とても便利な単語で、これさえ覚えていれば大概のことは説明できるんだ。

 『ピンク、白』といった色、『レース、フリル』のような装飾、『ふんわり、かっちり』といったイメージを想起させる単語と組み合わせて利用することで、どんな状況でも乗り越えられるから、覚えておいてね」


2.ブラウス

「襟の付いた服のひとつで、丸い襟や袖の膨らみ、レースがあしらわれていたりと、『柔らかく、ふんわりした印象』のものを指すことが多いよ。

 個人的には、清楚な女の子が着ているイメージがあるかな。特に色の描写をしなければ、読者には『白いブラウス』として伝わると思う。

 清楚でおしとやかな印象をもたらすアイテムなので、『白、薄ピンク、薄青』のように淡い色、イメージを想起させる単語はそのものずばり『ふんわり』がよく合うんじゃないかな。


 ちなみに、四角くかっちりした襟のものは『シャツ』と呼ぶ方がイメージが伝わりやすい。制服のシャツなら『カッターシャツ』とかね。

 特に、男女問わずよく着用されている、チェック柄のものは、そのまま『チェック柄の(長袖)シャツ』『チェック柄のネルシャツ』と描写する方がうまく伝わるんじゃないかな。

 ネルシャツというのは、冬に着用される、厚手の柔らかな布地(フランネル)で作られたシャツのことだよ」


3.Tシャツ

「ほぼ説明不要だろうけれど、綿などの柔らかな生地で作られた半袖の衣服のことだ。色々と、面白い絵柄がプリントされていることも多いよね。

 色と柄の組み合わせでとても多くのバリエーションを出すことができるから、キャラを立てる際には一役買ってくれるかもしれない。

 例を挙げるとすれば……清楚な印象の女の子が『ちょっと気持ち悪いけど、可愛い?』キャラがプリントされたTシャツを着ていたり、男勝りの女の子が可愛らしいプリントのTシャツを着ていたり、とか。

 どちらも単純な例で申し訳ないのだけれど、それくらい、多彩に、オールラウンドに利用できるアイテムだよ」


4.ポロシャツ

「襟といくつかのボタンが付いていて、上からかぶって着用する、半袖の衣服だよ。

 テニスやゴルフなんかのスポーツユニフォームとして利用されている他、飲食店などの制服で用いられていることも多い。だから、どうしてもスポーティーでカジュアルな印象のアイテムになるかな」


5.キャミソール

「肩紐の付いた袖無しの衣服で、肩口を大きく露出するアイテムだ。

 下着として着用されたり(インナー)、そのまま1枚で着用したり(メイン)、はたまたブラウスやカットソーの上に合わせたり(アウター)……と沢山の用途があるけれど、利用方法として安定しているのはインナー、メインの2つだね。


 袖のない衣服には『タンクトップ』もあるけれど、こちらはもっとスポーティーな印象のアイテムだね。また、肩紐のない衣服は『チューブトップ』と呼ぶよ。

 また、袖のない衣服を総称して『ノースリーブ』と呼ぶけれど、こちらはカットソーやブラウス、ニットなど、あらゆるアイテムにくっつく単語として用いられているかな」

 

6.ニット

「ひと昔前だったら『セーター』と呼称されていたものだけど、今はこの呼び方を推奨するよ。なんとなく垢抜けた印象があるので、マイナスにはならないだろうから。

 キャラに着用させる際にもっとも簡単なのは、色だけを描写すること。もう少し凝るのなら、『ハイネック、Vネック』といった襟の形や、『ざっくり』といった編み方の感触を同時に描写することで、イメージを高めていくことができるよ。

 ボタンが付いた『カーディガン』については、アウターの項目で説明させてもらうから、ちょっと待っていてね」


7.チュニック

「裾丈の長いカットソーやキャミソールを総称すると、この呼び方になることが多いよ。

 多くの場合、ワンピースよりも丈が短いから、ボトムスにはジーンズやレギンスを合わせることが多いかな。

 上2行でわかると思うんだけど、どうしても説明が専門的になりがちだから、不慣れなうちはあまり利用しない方がいいアイテムだね。

 文字だけだと、アジアンテイストなアイテムの印象が強く出るかもしれない」


8.ワンピース

「トップスとボトムス、どちらにも当てはまるアイテムだから、ここで説明しておくね。

 といっても、もはや説明文が要らないほどにオーソドックスで、かつ万能選手なアイテムだよね。色、柄、イメージを想起させる単語でありとあらゆる局面を乗り切れる、説明文の強い味方だよ。

 また、『ロリータ』『ゴスロリ』といった、言葉のイメージが強いファッションの単語と合わせて使うと、それだけで大半のことを説明できる。本当に、困った時の頼れる味方だね」



「……と、ここまでがトップスの説明だよ。

 トップスを描写する際に動詞が必要だったら、『着る』『着用する』がベターかな。『羽織る』だと、当てはまらないアイテムが多いから気を付けてね。(『羽織る』はボタンで前開きできる衣服に用いることの多い動詞だから、アウターに使う単語だよ)

 ざっくりとした説明になってしまったけれど、最悪、それぞれの単語だけ用いればどうにかなるはずだから。

 もし説明が分かりづらいようだったら、それは僕の責任だ。本当にごめんね。


 それじゃ、小休止を挟んだら、次はボトムスの説明をしようか」

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