第16話 事故?それとも事件?
男子
やばい!
遅刻だ!!!!!
朝寝坊は珍しくないが、こんなに寝坊するなんて!
自転車に乗って急いでGO!
こういつ日に限って、なんで信号待ちがこんなに多いんだよ!
普段はそんなにつかまらないのに。
これは急ぐなという神の声?
なんてガラにもないことを考えながら、急いで目的地へ向かう。
途中の信号待ちで、携帯の時計を確認。
この調子で行ければ何とかギリギリ間に合いそうだ。
よし!
俺の足よ!
今日こそ本領発揮の日だ!
頑張れ俺!
この直線をまっすぐ抜ければあと少し!
と思った瞬間、目の前に自転車をひいている女の子が現れた!
つい勢いのまま大声で叫びながら急ブレーキ!
女の子に怪我は・・・泣いてる?!
声をかけるが、泣いててあまり反応がない。
こっちを見たと思ったら、顔がすぐにうつむいちゃったし。
見た目大丈夫そうだけど、横に転がってる自転車が散々な感じになってる。
時計で現時刻を確認。
あぁ・・・・
完全に・・・アウト。
はい、遅刻確定。
これはもう色々諦めるしかない。
女の子を見ると・・・まだ泣いてる!!
やばい!勢い余って泣かせちゃった!
これは、どうしたものか・・・
やっぱり・・・俺のせい?
どう見ても、俺のせいだよな。
謝りながら女の子の横にある自転車をとりあえず直す事にしよう。
責任を感じ、せめて修理くらいは・・・
って、パンクしているし。
チェーンはすぐ直るけど、さすがにパンクは今すぐに出来ないな。
近くに自転車屋があったから、そこまで押して行くか。
よし!今日の予定は完全変更!!
あとで、謝罪電話をいれておかないと。
ということで、別にそこまで大事な要件というわけでもなかったから、今日は女の子の自転車を直す日にしよう。
よくよく見ると、女の子は自分が卒業した学校の制服だった。
きっと、俺の事は知らないだろうけど、後輩に悪い事したな。
泣いてる女の子をなぐさめながら、パンク修理に向かう。
今日の予定もなくなったし、罪滅ぼしの意味をこめて、甘いものでもどうかな。
泣き止まない女の子の頭をなでる。
あんまりこういうことはしない方だけど、今日はなんとなく。
泣き止んだその子がありがとうと言って俺の方を見た。
よく見れば、この子・・・
女の子の顔を見た瞬間、驚いた。
やばい!偶然すぎるだろ!
ちょっとしか話した事無かったけど、卒業までに告ろうと思ってた相手とばったりとか・・・
あるんだ。
いやないだろ・・・
いや・・・・あるのか?
あーーーー俺、どうしたらいい?!
プライス・レス 風見☆渚 @kazami_nagisa
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