第10話 ただそれだけで・・・

男性


家に帰るのが待ち遠しい。

1秒でも早く、君の元へ帰りたい。

僕は、毎日忙しく働いている。

だからこそ、君の近くにいれる時だけは、そんな事を考えない。

というよりも、忙しい毎日を忘れさせてくれる。

そんな君のそばに、ただ近くにいたい。

だだそれだけ。

君は卑怯だ。

何をするわけでもなく、突然僕の前に現れた。

そして、僕の深いところに居座った。

君はわがままだ。

僕の気を引くような素振りをしていても、突然思いも寄らない行動に出て僕を困らせる。

そして、驚きと一緒に幸せな空間を作り上げる。

そんな君に振り回されて、どのくらいたっただろうか。

1瞬1瞬、目が離せなくて、つい君ばかりを見てしまう。

君はやっぱり、卑怯だ。

僕は、君の1番になれているだろうか。

僕の1番は君以外考えられないというのに。

気にしすぎだろうか。

君のいない家は、もう考えられないというのに・・・

本当に、ただ近くに、ただただ近くにいてくれるだけで、僕は幸せだ。

君の言葉は、僕にはわからない。

僕の言葉も、きっと君にはわからないだろう。

でも、君を1番に想い、大切にしている事だけは伝わっていると、そう信じたい。

だから、今日も一日お疲れさまと自分に言った後、君をめいっぱい抱きしめる。

ただいま。

ただ、その一言だけで、君と一緒にいる事を実感する。

玄関のドアを空けると君がいる。

今日も僕は君に助けられる。

そんな、大事な僕の猫。

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