第9話 ただそれだけで・・・


私の想いは、たった一つ。

あなたの近くに、いたいだけなの。

だめかな・・・?

だって、少しでも離れてしまったら、どこかにいってしまいそうだから。

少しでも離れてしまったら、私がどこかに消えてしまいそうになるから。

私の願い事はただ一つ。

ただそれだけ・・・・

あなたのそばにいられたら、それだけでいいの。

たくさんは望まない。

本当に、ただそれだけ・・・・・

優しいあなたの事だから、きっと他の何に代えても私のそばに居てくれる。

勝手だって思うかもしれないけれど、私は重荷になりたくないの。

だから、私を置いていって。

あなたの荷物になるくらいなら、いっそのこと捨てていって。

私はわがままだ。

近くにいたいのに、近くにいたくない。

私の事を好きでいて欲しいのに、好きって言わないで。

あなたの1番になりたいのに、1番はイヤなの。

ただ、私を見ていてくれれば、それだけで・・・

いつも、忙しそうにしているあなた。

私の近くにいる時は、そんな素振りすら見せない。

でも、知ってるよ。

あなたが、毎日忙しそうにしていることを、私には隠していること。

忙しそうにしているところを私が見たら、心配になって、淋しくなってしまうから。

だから、そんな優しいあなたが1番好きなの。

私から好きって、1番好きっていうのは許してね。

あなたの1番じゃなくても、私の1番はあなた以外いないのだから。

今晩は寒くなるみたいよ。

ちゃんと出かけるときはあったかい服着ていってね。

風邪引いても、看病出来ないんだから。

私は横で、あなたが目覚めるのをじっと待っている事しか出来ないんだから。

私に出来ることは他にないの?

ただただ、あなたに寄り添う事しかできない私を、わがままな私をずっと愛して。

私は、あなたをずっと愛しているから。

そして、あなたが愛した人も、愛せるようになりたい。

そのうちね。


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