第82話 帝国会議

ヘルグリム帝国の首都の中心にある巨大な黒い城、二グラス宮殿。


宮殿内の議事堂では、モンスター議員達によりとんでもない内容が議論されていた。

「殿下のオトモモンスターは各種族から代表者1名ではなく、全種族全種類から

それぞれ選ばれた代表一人へ変更する法案が成立いたしました。」

カンカンと、木槌が鳴り響き場内で拍手が鳴り響く。


何の会議かというと、進太郎のメイド嫁の数を増やす為の会議である。


ヘルグリム帝国は皇帝である、ゴート族を絶対的な頂点とする社会である。

奉仕種族であるモンスターも長い歴史の中で種族や種類が増えてきていた。


初期の奉仕種族である3大貴族種の人狼、人工生命、半魚人もその種類が増え

ていた。


後にこの法案は『コンプリート法』と呼ばれる。


進太郎本人の知らない所で、嫁が増えるフラグが立てられていた。

「続いての議題は、新ロボット開発案について。」

半魚人の議員が進行する。


パンプキンカイザーなど、帝国が開発したヒーロー向け巨大ロボットは

シムルとの戦いにより完全にスクラップとなっていた。


「恐れ多いが、皇太子殿下が無茶をされたのでは?」

コケが擬人化したようなスワンプ族の議員が意見を言う。


「いや、天界勢力との交戦自体がイレギュラーだ。」

銀色の龍が人間化したドラゴン族の議員が反論する。


「我々が人間界の情勢に疎すぎる、もっと人員を派遣すべきだ。」


この他にも、ロボットのデザインは人間界風にするべきとか合体や変形

など様々な意見が飛び交う中で新型ロボットの開発が可決された。


議会の閉会後、ドラゴン族の議員は悩んでいた。

コンプリート法案可決に奔走したのは彼である。

「殿下へ自慢の花嫁を選び出さねばなるまい、我が銀龍種の為にも。」

進太郎本人が聞いたら、勘弁してくださいと言うようなことを口に出す。


ドラゴン族は帝国に加わった時期は7番目と古株だが、オトモモンスターを1度も輩出していないと言う珍しい種族であった。


他の種族からも、ドラゴンは巨大生物扱いで婚姻の対象とは見られていない上に

ドラゴン族自体も引きこもりがちで外に出たがらないし殆ど人間形態も取らない。


この議員は例外であった、そして革新派でもあった。

「金龍種や他の色には負けたくない。」


人狼族もだが、色や属性などの差からライバル視など同種族でも確執がある。

「人間界でも、ドラゴン娘は好かれているようだし希望はある。」


人間界通を自称するこの議員、タブレットPCとか持っていてネット検索

で日本の画像サイトやアニメなどを愛好している趣味人であった。


新日国家であるヘルグリム帝国では魔法的な力で、ネットが通じるのである。


「メイド服着たドラゴン娘って可愛いのう♪これが行けるなら、行ける」

議員は何かを悟ると、巨大な龍の姿へと変じて空へと飛び去った。








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