第75話 空飛ぶワンコハーレム?

進太郎は、自分を舐める感触に意識を取り戻すと驚愕した。


どこかに縛られて猿轡をかまされ、アニーかと思ったら見知らぬ青い

毛の女性人狼に舐められてる!!


謀反か?家ほど臣民を大事にする国はないぞと叫ぼうにも

「ムガー!!ムガムガ!!」

と、唸るしかできないテレパシーと言ったパワーが一切使えない。


自分をペロペロしていた青い人狼が、人間の姿になると同時に

周囲の人狼が人間形態になる。


「まあ、お目覚めになりましたのね殿下♪」

青い縦ロールの女性人狼が嬉々として猿轡を解く。


「・・・・・・誰だお前は?」

初めて会う人物である、進太郎の問いに女性は泣き出した。


「・・・・・・酷いですわ!!9年ぶりに再会できましたのに!!」

よよよと泣き崩れる女性。


んなことを言われても、俺は3メイドくらいしか付き合いはなかったような?


「私、サファイアです!!アニーとは家が隣で幼い頃から殿下とも

ご一緒しておりました!!」

サファイアが泣きながら抱きついて訴える、ミシミシと進太郎の体をきしませて。

抱きしめを解くと、そして爆乳な胸を揺らしつつ懐から写真を取り出す。


そこには幼い頃の、黒山羊の縫ぐるみみたいな頃の進太郎と幼いアニーに

フランにメイそしてアニーの足元で倒れて泣き顔の青い髪の少女サファイアがいた。


「・・・・・・そういえば、いつもドレスを泥だらけにして泣いてた子

がいた気が?」

ぼんやりとだが思い出す。


「・・・・・・それが私です!!アニー達にいつも殿下を取られてました!!」

サファイアの告発に、申し訳なく思う。

メイド達がハンカチを出して一緒に泣いている、恐らくサファイアの部下だろう。


サファイアがかわいそうに思えてきたので

「・・・・・・ごめん、抱きしめられないから縄を解いてそして説明を求む。」

サファイアに頼むと、即座に縄を解いてくれたので約束を守り抱きしめる。


サファイアは幸せそうな顔でとろけている。


「艦長に変わり私がご説明いたします、女帝陛下の命により殿下には治療の為

能力の封印をさせていただき当艦にて海洋領へとご案内させていただきます。」


黄色い髪のメイドがサファイアに変わって説明する。

「天界の汚染には魔界の黒い海に浸かるのが良いとの診断結果もでております。」

さらに続ける。

「・・・・・・・ああ、母上の命令じゃ仕方ないよな。皆世話になるよ。」

自分より上位者の命で動いているなら責められない。


「当艦ザトウベック号は、ただ今より殿下直属の艦として指揮下に入ります。」

泣き止んだサファイアが言う。


サファイアに続いてメイド達が再度、人狼を越えて狼の姿になると犬や狼が親愛の表現としてまとわり付いて舐めるように進太郎に群がり舐めだした。


・・・・・・・自分達のリーダーであるサファイアを押しのけて。


進太郎はワンコハーレムを手に入れた、全身がベトベトになった!!






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る