第69話 カチコミ前

薫が遊びに来たのと同時に情の端末に連絡が入る。

「警視長、大変です!!ネフィリム号が乗っ取られたました!!」

タイミングが悪すぎる。


「・・・・・・殿下、天界人が攻めてきた。」

メイドのフランがテレビをつけると臨時ニュースが流れていた。


勇者オリバーの末裔ではない、3代目オリバーこと岩田直人さんと相棒の

ユニーさんが拘束されている様子が流れる。


その次に正体をあらわにしたシムルが

「私はシムル。・・・・・・かつて星雲警察に兵器を与えた天界人だ!!

この兵器は返してもらう、乗組員の命が惜しければ天界の鎧を纏える

勇者オリバーの末裔を差し出せ!!」


と身勝手な要求を言い出した。

「差し出さねば、この船で魔界に穢れた地球を破壊する!!」

とどめは脅迫である。


「・・・・・・何と言う事だ、天界人は味方ではなかったのか!!」

驚愕するギャラガー!!


「天界人にも悪い奴がいるんですよ、そして魔界人にもいい奴がいます。」

進太郎は戦う決意を固める。


「進太郎君、凄いやる気が出てるね。」

薫が他人事のように言う。


「いや、地球にいる末裔って薫さんが狙われてるんですよ?」

姉弟子なので同学年だがさん付けで呼ぶ。


「・・・・・ええ!!私なの?末裔って他にもいっぱいいるでしょ?」

自覚がない薫、彼女にしてみればとばっちりである。


「・・・・・・なので、ヘルグリム帝国へ避難していただきたいのですが?」

薫に尋ねる進太郎。


「・・・・・・ううん。行かないよ、私も戦う!!」

あっさり断られた。


「私もヒーロー学園の生徒だよ?可愛いけれどお姫様じゃないから。」

さらりと自分が可愛いと言う薫。


「・・・・・・薫ちゃん、一緒に戦おう。」

ギャラガーも諦めて覚悟を決める。


「さて、あいつらを呼ぶか。」

進太郎が左手に意識を手中すると左手が光ると同時に、リビングに

アイリーン、元気、こま、かぱ子と魔王部のメンバーが現れる。


「あらあら~、お呼びですか~?」

といつもどおりのアイリーン、来ている服はジャージである。

「・・・・・・デッキ組んでたのだが?」

こまは猫柄のパジャマ。

「・・・・・・ちょっと、勝手に召喚しないでよ!!」

かぱ子はタンクトップの下に廻しとスパッツと稽古中。

「あら、魔王の坊ちゃんでねえですかい?」

かぱ子と稽古していた河童の九太郎もついでに招かれる。


「え、ギャラガーさんと薫さんがいる!!」

アイリーンと同じくジャージ姿の元気。


強制的に召喚されたメンバーのリアクションを無視して

「すまん、ニュースに出た天界人を退治しに行くんで付き合ってくれ。」

と言う進太郎。


「あのニュースですか?頑張りますよ。」

アイリーンは了承する。


「ギャラガーさんと戦えるんだ、行くぜ♪」

元気はノリが良い。


「・・・・・・事情はわかったは、力を貸すわ。」

かぱ子も承諾。


「好待遇を要求する!!」

こまが要求をしつつ承諾と戦う仲間が揃った。


「協力に感謝する、だが俺の今の船は一人乗りだな。」

ギャラガーがしまったという顔をする。


「大丈夫です、こっちはパンプキンカイザーで行きますから。」

と進太郎が答える。


「薫様には、私達と共に2号ロボにお乗りいただきますので問題ございまん。」

メイの答えに薫が同意する。


こうしてシムルが待つ宇宙へと進太郎達は向かった。















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