第46話 人魚の涙(前編)

時間が経って日曜日、島の天気は雷が鳴り響き風も強い大雨であった。


進太郎の部屋では、メイが涙目で進太郎を問い詰めていた。

「何故、殿下は私をお呼びくださらないのですか?」


メイは人魚族のオトモモンスター、当然彼女のモンスターコフィン

も魔王ドライバーに付属されている。


彼女を召喚して行うフォームチェンジが可能であるが、彼女だけ出番が無い事

への不満をあらわにしていた。


「そもそも、何故今までコフィンを使用してくださらなかったのです?」

進太郎の腰にガシッと組み付いて泣きつくメイ。


進太郎を押し倒し、縦四方固めに入るメイ。


その目に恐ろしい光が宿る。


その様子をフランとアニーは黙って見てる、普段なら三人で絡み付いてくるのに。


「殿下は、メイもちゃんと愛してあげるべき。」

キリッとした顔で言うフラン。


アニーも

「殿下、メイも大事にしないと駄目でちゅよ!!」

何故か赤ちゃん言葉でしかる。


四人の関係は、主従関係だけでなく幼馴染みでもある。

幼い頃を過ごしてきた三メイドは、進太郎に愛情を芽生えさせていた。



帝国の伝統として、人魚族、人狼族、メタル族の三大貴族種の当代の

リーダーの娘は皇室へ嫁ぐ事になっている。


例外は婿を取った、現皇帝である進太郎の母親のメルティなど皇帝の後継者が女子

の場合でその場合は帝国以外の異世界から婿を取る法律になっている。


この法律がヘルグリム帝国の地球侵攻の原因でもある。


地球侵攻に対し、帝国の後世の歴史家は

『手段は間違っていたが地球を選んだのは英断だった。』

と評価している。


其の為三種族にとって、皇太子付きのメイドになる事は、結婚と同意義に当たる。


フランは陸軍大臣、アニーは帝国宰相、メイは海軍大臣の令嬢と条件を満たして

おり進太郎に愛情があるが関係が進まないのは進太郎が萌えアニメの男主人公並に

恋愛イベントを避けているからだと三人は思っている。


当の進太郎にしてみれば、結婚とか恋愛とかはまだ早いと思っていたりする。

「大事なお前らを戦場に出して、傷つけさせられるか!!」


これは本心である、戦場では何が起こるかわからない。

そんな所に、愛する者を連れて行きたくない。


「殿下のご配慮、お気持ちは嬉しゅうございます。」

進太郎の服を脱がしかけていたメイの動きが止まる。


「・・・・・・が私達の気持ちや使命を、蔑にしないで下さいませ。」

先ほどまで、お前がパパになるんだよ!!

的な目をして襲い掛かり兼ねなかったメイの目が通常の目が元に戻る。


「何卒、次の戦いでは私をお呼び下さいます様お願いいたします。」

メイの言葉に、進太郎は頷かざるを得なかった。


メイは進太郎にヒーリングフィッシュの如くキスをしてから離れて行った。


「・・・・・・殿下、次は私達のターン。」

メイが離れた後、進太郎はフランとアニーにもみくちゃにされた。


メイドにもみくちゃにされた後、自分は恋愛と言うのをまともにできるのか?

と思いつつ進太郎はカーゴパンツにラガーシャツと言うラフな格好に着替えた。


今朝は、魔界の黒さをした物をドロりと白米の上に掛けられた。

「・・・・・・何これ?」

人間界の食材で作られたものではない事は判った。


「・・・・・・・殿下、これはカレーライス。」

フランが可愛らしいが抑揚のない声で答える。


「本国の食材をふんだんに使ったビーフカレーでございます。」

メイが笑顔で答える。


どこかの男性歌手よりもカートンが濃いブラックカレーだった。

「本国では甘口、中辛、辛口とレトルトのルーも発売されてます。」

見せられた箱には『デーモンブリードカレー』


デーモンブリードに変身した自分が、商品パッケージに使用されていた。

「・・・・・・何これ、俺は話聞いていない!!」


知らない間にグッズができていた。

「ネット通販でも、亀戸にあるアンテナショップでも販売中でございます。」

メイがタブレットを開く、知らない間にアンテナショップとかできて商売していた。


「夏と冬には、コミケの企業ブースにヘルグリム帝国名義で出展ですよ♪」

アニーがさらっと言う、俺の意思は行方不明のようだ。


この世界、ヒーローも芸能活動やらグッズやら出しているが

自分もやるとは思わず自棄になって食ったカレーは意外と美味かった。


食後は、ドライバーを着けさせられて気分は乗らなかったが

三メイド達とパトロールに行く事になった。





































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