第37話 光の勇者 闇の皇太子 中篇

進太郎がデーモンブリードとなってメイフェリアと戦っているその時。


港に着いたフェリーから、白馬に乗った黄金の騎士が下船してきた。


「・・・・・・悪い風のする港町だ。」

騎士が顔を向けた先こそ、現在絶賛戦闘中の採石場がある山だった。


「空に穴が開いている、そして禍々しい魔力を感じる。」

メイフェリアが開けたゲートの魔力を感じた騎士、魔法にも長けているらしい。


騎士は懐から携帯電話を取り出し、ある場所へ連絡する。


「・・・・・・・私だ。」

出た相手はサミュエル校長。


「初めましてミスターブレイブ、我が名はモルド。キングアーサーの娘!!」

モルド姫の名乗りを聞いて電話の向うで、校長が頭を痛める。


「・・・・・・着いたか。ならば、直ちに学園へ来い。」

校長は頭痛に耐えながら指示を出す。


「だが断る、目の前の山に異世界のゲートが開いているのは放置できない!!」

校長の指示を拒否するモルド、しばらく黙って校長は言葉を出す。


「確認した、そこでは今生徒の一人、デーモンブリードが交戦中だ加勢してやれ。」

怒りを抑えて胃を痛めつつ校長が再度指示を出す。


「・・・・・・学友の窮地を救えば良いのだな、勇者である私に任せろ!!」

電話の向うで、校長の堪忍袋の緒が切れるのも構わず電話を切るモルド。


「さあ、出陣だ!!」

モルドが白馬の腹を蹴ると、馬の体が金色のメタリックな物に変わり¥る。

駆け出した金色の馬から翼が生えて、騎士は採石場のある山へと空を駆けて行った。


・・・・・・・一方その頃、学園の校長室では。


「UOOOOOOOOOッ!!クソッタレの問題児ガAAAAAAッ!!」

サミュエル校長が雄叫びを上げながら、2丁マシンガンをぶっ放していた。


「・・・・・・神よ、あんたは俺が嫌いなのかAAAAAッ!!」

乱射の次は巨大な十字架を振り回し、室内を手当たり次第にぶち壊す校長。


髪の毛のない校長のハゲ頭は、血管が浮き上がりメロンのようになっていた。


日曜日に学園に呼び出された校長のストレスは、限界を超えていた。


暴れても解消されないストレスに倒れた校長は、薄れ行く意識の中でもう教職

なんて辞めて戦場に戻りたいと思っていた。





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