第23話 奴らが家にやって来る!!

部活ブームは公式非公式問わず、いまだ冷めやらない。

そんなある日の放課後、ヘルグリム帝国大使館に仲間達は集っていた。

「・・・・・・で、皆部活とか入らず帰宅部なの?」

主人公の進太郎が、居間でくつろぎすぎる仲間達に尋ねる。

「ヘルだって、部活入って無いじゃんよ~♪」

元気が、同類、同類と言って指を刺す。

「・・・・・・え、殿下が学校でぼっちですって?」

茶菓子や飲み物を用意するメイが、とんでもない事を言う。

「んなことあるか!!入る部活がまだないだけだ!!」

きっちりと反論する進太郎。

「・・・・・・我々がこうして、ヘルグリム君の家に遊びに来てるのが部活だ。」

こまがまじめな顔してあほな事を言う、だがこれが段々そうなるとはまだ誰も予想していなかったこの時点では。

「・・・・・・・ま、まあ。友人が遊びに来るのは、やぶさかではないがな。」

進太郎が照れつつ言う。

「殿下が、ここまでお友達に心を開かれるとは感激です。」

メイが嘘泣きをする。

「まあ、国家元首の子と付き合うって大変でしょうね。」

かぱ子が麦茶をすすりながらつぶやく。

「あら?かぱ子さんは女子相撲部に入ったのでは?」

アイリーンが、かぱ子に聞く。

「・・・・・・う、その事は言わないで。」

かぱ子と呼ばれても、ツッコめないほどの触れて欲しくない話題らしい。

「もうさ、俺達で魔王部とか作ろうぜ?部室はヘルの家で。」

元気がとんでもない事を言い出す。

「いや、何だよ魔王部って?真面目に入りたい部活探せよ!!」

常識で友人を諭そうとする進太郎、だが友人達に常識は通じなかった。

「・・・・・・・賛成だ、そのほうが楽だ。」

こまが元気に同意する。

「私も入りま~す♪」

アイリーンも同意、これでほぼ多数決では負けている。

「そうね、どうせ私達の班はチーム魔王って言われてるし。」

常識人枠のかぱ子さんも同意すると言う、信じられない結果が出る。

「・・・・・・校長はどうするんだ?」

部活の申請は校長が審査をしている、もはや頼りはアメリカハゲのみ!!

その時、大使館の扉がバーン!!と開かれる。

「・・・・・・何だ、新聞の勧誘かっ!!家は各種取り寄せているぞ!!」

突然の事態に素頓狂な事を言う進太郎、だが来訪者は新聞屋でもテロリストでもなく

スキンヘッドの黒人のサミュエル校長だった!!

「聞こえてるぞヤギ頭!!私が来たっ!!」

アメリカハゲが叫ぶ。

「いや、呼んでませんけど何をしに来たんですか?」

一応聞いてみる。

「貴様ら問題児共が集まって、集会をしていると新聞部から報告があった。」

アメリカハゲは動じない、さすが世界の警察の国の人。

「・・・・・・校長、俺達『魔王部』って部活を作りたいんです。」

元気が思い付きを言う。

「・・・・・・魔王部だと、何をする部だ?」

校長が片方の眉を吊り上げて聞き返す。

「書類は私が明日提出します、それで審査をしてください。」

かぱ子の言葉に校長が頷く。

「よかろう、明日の放課後持って来い!!そして、ヘルグリム以外は適度な時間で自分達の自宅へ帰宅するように!!」

最後の方に中途半端に教育者ぶった台詞を吐いて校長は去って行った。

「・・・・・・何なんだあのアメリカハゲは?しかも魔王部って決定事項?」

ウキャーと、うなる進太郎。

戸締りや後片付けは、メイド達がきちんと行った。

こうして、学園と宇宙のトラブルに立ち向かうと言う魔王部が誕生したのであった。




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