第24話 遠足って何だ?

時は進み4月も終わりに差し掛かる頃、学園内の各教室では東京への遠足の話題で

持ちきりだった。

「なあなあ、東京コミカルシーや東京コミカルランドてコースにあるのかな?」

と、元気が進太郎に話しかけたのを皮切りにクラスの面々がそれぞれお台場や

渋谷など自分達の行きたい所を語り合う。


遠足と言うと、日帰りで行ける様な所に行くのが普通だと思っていたが

この学校では違うらしい。

「東京か、俺はこの桃ノ島ですらきちんと回ったことはないよ。」

実は進太郎、学校と家の近所以外の日本を知らないのである。


「そう言えば、ヘルグリム君って日本に来て日が短かったのよね?」

かぱ子が思い出す。

「・・・・・・全然、普通の日本人だと思ってた。」

と、こまが言い出す。

「変身しないと、普通に日本の方ですものね~♪」

アイリーンも進太郎を見回して言う。


「そういやヘルって、悪魔とのハーフだったよな?忘れてたけど。」

元気にも忘れられていた、魔界の皇太子というアイデンティティが揺れてきた。


「・・・・・・甘いわね、私たちが普通の学生みたいに遊べると思わないほうがいいわよ。私たちはヒーロー養成学校の生徒なんだし。」

車さんが眼鏡を光らせて叫ぶ、珍しい事態だ。


「思い出して、ニュースで報道されているけど東京は毎日ヴィランや怪獣が攻めてきて先輩であるヒーローの方たちが戦ってる戦場なのよ?」

車さんが説明するように話を続ける。

「未だにガラガラ星人が宇宙から悪獣ミサイルを撃って来たりと大変なんだから。」

宇宙にあるガラガラ星、悪獣と呼ばれる怪獣をミサイルに詰めて狙った星に送り込む

凶悪な宇宙人組織。


地球の外にもヒーローやヴィランがわんさかいるのだが、その隙間を狙って攻めてくるせこいが迷惑な相手として教科書にも載っている。


「車さん、ガラガラ星人に故郷の星を滅ぼされたのよ。」

かぱ子が悲しい顔で説明する、なにげにこの学園暗い出自の人が結構いたりする。

「・・・・・・私もフラワーランドが壊滅。」


「俺は兄さんの仇を討つんだ!!」


「絶対に非道衆は許さん!!」


車さんの言葉が、次々と暗い出自のクラスメートの心を揺さぶる。


「・・・・・・おれ、実家が元悪の組織なんだよな。」

進太郎も、揺さぶられていた。


「いや、お前まで揺さぶられるなよ!!」

元気が進太郎を止める。


「・・・・・・とりあえず車さんは、いい加減にしなさい!!」

かぱ子が素早く背後に回り、車さんに裸締めを掛けて絞め落とす。


「・・・・・・チーム魔王、恐ろるべし!!」

チームスイーツの佐藤君がこぼす。

かぱ子の容赦ない絞め技に皆が黙ったころ、先生がやってきた。







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