第18話 はぐれ魔王ぼっち飯

学園は本日も部活ブーム真っ最中だった、登校時は始業前だというのに

公式も非公式も問わず部員の勧誘の為にアピール合戦に懸命だ。


「チアリーディング部で学園のクイーンを目指しましょう♪」

と、公式のチア部が背後で爆発の起こるパフォーマンスをすれば

非公式の大道芸部はピエロがボール乗りをする。

野球部とサッカー部が、魔球と必殺打法で喧嘩すれば

ラグビー部とアメフト部のぶつかり合いにカバディ部が割り込む。


演劇部、オペラ部、コント部、伝統芸能部は芸を披露しあいと学園祭の時期でもないのに構内はお祭り騒ぎだった。

それでもホームルーム前には、撤収して教室に戻る程度の理性はあるようだ。


だが、昼休みと放課後はまたお祭りが始まり風紀委員やら見回りの教師やらと

のやりとりが繰り広げられる。

だが、何故か進太郎には公式も非公式もどちらも勧誘の声がかからなかった。

「・・・・・・俺、人様に嫌われる事していないんだが?」


そんなネガティブな事を考えつつ、学校の屋上で昼飯を食う。

ネクロマーレが一段楽したので、いつもの仲間達は各々昼休みを満喫している。

屋上は屋上で、屋上ランチ同好会やカップルにとそれなりに賑わっていた。

「学校の屋上って、閉鎖されてるか人気の無い場所ってもんでもないんだな。」


魔界飯ではなく、さば寿司を食いコーラを飲みながらぼやく。

「桃太郎さん、はい、あ~ん♪」

「桃太郎さん、大好き♪」


「桃太郎、犬子のローストビーフよりこっちの雉の照り焼きのほうが美味しいよ♪」

「桃太郎は、アタシの婿だ!!」

見上げると給水塔周りでは、女子4人男子1人がイチャイチャしていた。

隣のクラスの桃太郎の一行だとわかる、現代の桃太郎はギャルゲーの主人公らしい。


一方、校舎裏では土俵が作られ二人の女子生徒が対峙していた。

一人は体操着の下に廻しを絞めた、褐色の肌に金髪を縦ロールにした明らかに外国籍であろう碧眼の美少女。

その風格は、ライオンのように凛々しかった。


胸は大きく豊満だが他の部分は、筋肉で引き締まっていた。

対するはおかっぱ頭の小柄な美少女、胸はまだまだ成長期。


かぱ子こと、川原春子であったこちらは制服である。

「お久しぶりですわね、春子さん♪小学生女子相撲全国大会ぶりかしら。」

流暢な日本語だった。

「・・・・・・色々、ツッコミどころがありすぎよ!!」

かぱ子は旧知の仲らしい女子生徒に吼えた!!


「まず何で、校舎裏に勝手に土俵作ってるのよ!!」

褐色の女子生徒は動じない、それどころかかぱ子を手招きし自分は四股を踏み出した

相手を無視してやる気スイッチ全開である。


「何で私の周りには、常識のない人達が多いのよ!!」

といいつつ相手の挑発に乗り、かぱ子も靴を脱いで素足になり四股を踏んで

土俵入りする。


そして、互いに見合った時点で勝負が始まった。

ドカンッ!!


爆発音と衝撃波を発しつつ、かぱ子にぶちかます褐色少女。

立会いは彼女が制したかに思われた、だがかぱ子はすり足で相手の脇に回り

廻しを取って残った!!


そして、相手の足に自分の足を掛けて倒す河津掛けを掛けに行くが相手もかぱ子の


足の掛けを外して譲らない。

「やっぱり、3年間離れていても相撲のセンスは鈍ってませんでしたわね♪」

褐色の少女は喜んでいる。


「勝手に土俵作って、勝手に仕掛けてきて喜ばないでよ!!」

褐色の少女にさば折りのように抱きしめられてもがくかぱ子。


「是非、私と女子相撲部を守り立てていきましょう春子さん♪」

褐色の少女、金剛寺エルザからかぱ子が

開放されたのは昼休みの終わり掛けであった。


その様子を屋上から進太郎は眺めていた。

「友達っていいもんだな。」

そしてコーラを飲み干すと教室へと降りて行くのであった。















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