第12話 ロボが来るまで一休み
・・・・・・ペロペロ・・・・・・ペロペロ。
柔らかい肉の感触となめられている音で、進太郎は目を覚ます。
「・・・・・・ぶは!!お前ら何してんだ!!」
横になっているらしい自分を上から覗き込んでいるアニーとメイと
フランの三人のメイドに叫ぶ。
「ご学友の皆様が、殿下を運んできてくださいましたので介抱を。」
と言うメイの言葉に納得しそうになった。
自分が全裸で、自宅のダークマター風呂に漬けられている事に気づく。
「そうか、アイリーンを助けたダメージでまたダークマター風呂か。」
と、納得しかけた。
「あ~?殿下が起きちゃった、三人で殿下の鼻血なめるしかできなかった。」
とアニーが言う。
「ちょっと待って、何その変態プレイ!!というか何する気だった!!」
とアニーに突っ込む。
「愛する人が怪我をしていたら舐めるのは当然、その後は子作り・・・・ポッ」
フランが頬を染める。
「いや、当然じゃねっ!!お前ら出てけっ!!」
進太郎が叫びメイド達を追い出す。
「では、お客様のお世話に参ります。」
メイがまとめてメイド達は風呂場から出て行く。
しばらくダークマター風呂に浸かる、神聖な力の傷にはダークマターが効く。
ダークマターの闇の魔力が、進太郎の体にしみ込み疲れを癒していく。
「さて、出るか。」
風呂から出て着替えると、仲間の待つ客間へと向かった。
「皆、待たせた。」といって客間に顔を出すと、仲間達が唖然としていた。
「・・・・・・ヘル。お前、頭に角生えてるぞ?」
と元気が開口一番、口にする。
「・・・・・・背中に蝙蝠の羽が生えてる。」
こまも妙な事を言う。
「お尻から蛇の尻尾が出てますよ。」
アイリーンが、笑顔を引きつらせている。
「・・・・・・か、怪人山羊男っ!!」
かぱ子の叫びにようやく、自分が魔族の姿になっているのに気づく。
「あ、そうか!!」
鉤爪の生えた手をポンと鳴らして、事態に気づき意識を集中して人間態に戻る。
「いや~つい、家だからリラックスしすぎたわ(笑)」
笑ってごまかすことにした、皆だって変身するじゃん!!
「戦いが一段楽したからって、緩みすぎよ!!」
かぱ子が力む。
「かぱ子は、うるさいな~」
こまはクッキーをポリポリ食ってくつろいでいた。
「そう言えば、アイリーンは何で落ちてきたんだ?」
元気が疑問を口にする。
「・・・・・・実は、飛んで敵陣へ向かったのですがお腹が空いて戦えそうになくて戻ってきてしまいました~♪」
アイリーンが恥ずかしがって首を振る、他の全員がこけた。
「腹減ったって、どんだけポンコツなんだ!!」
進太郎がアイリーンにツッコミ水平チョップ。
「・・・・・・痛いです~っ」
可愛い声で進太郎をにらむアイリーン。
「・・・・・・殿下が、私達以外の女性にツッコミを入れたっ!!」
三メイドは、恐ろしい子を見るようにアイリーンを見た。
「でも、怪獣がいるなら巨大ロボが必要よね。」
周りがボケてる中、かぱ子が真面目に言う。
「学校には、まだロボは配備されてねーぞ?」
元気が言う事が正しければ、怪獣と戦えるのは腹ペコ巨人のアイリーンしかいない。
「巨大ロボでしたら、殿下。わが国の物を本国から召喚いたしましょう。」
メイが渡りに船と案を出す。
「・・・・・・・メタル族が、殿下の為に建造したの・・・・・・褒めて?」
フランが可愛くつぶやく。
「・・・・・・えっ?俺、何も聞かされてないんだけど?」
進太郎、寝耳に水である。
「女帝陛下が、サプライズだって言ってましたよ。」
アニーがサラリと重大なことを言う。
「いや、サプライズじゃねええっ!!」
叫ぶしかない、進太郎であった。
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