第6話 敵の名は深海王国ネクロマーレ
真っ先に現場の海岸へとついた進太郎達のチームが見たものは海から砂浜へと上陸してくる全身にワカメをミイラのように巻いた怪人。
両手がカニの鋏と化して顔や体にフジツボのついた、ゾンビのような男に頭が
クラゲで手足がウニの怪人等の海産物を模した異形達だった。
怪人達は人型のヘドロを引き連れ、口から火炎弾を放つはビームを乱射するは
と暴れまわっていた。
進太郎はその光景を見て、怒りを燃やした。
父の故郷、友や人々と暮らす街を荒らす者達に激怒した。
仲間が止めるのも聞かずに飛び出していた。
「来い、
進太郎の叫びに空が荒れた!!
暗雲が立ち込め稲妻が進太郎に落ちる。
だが、進太郎には火傷一つなかった。
彼の腰には禍々しい山羊の角を生やした
何やら顔のような飾りが腰周りに付いたベルトが巻かれてていた。
怪人達は、突然現れた進太郎に一瞬動きを止めるもすぐに襲い掛かってきた。
「・・・・・・変身前だ、大人しくしてろっ!!」
左の拳をバックルの角へ打ち下ろすと、髑髏の口が開き黒い闇の竜巻が吹き
彼を狙う怪人やヘドロたちを海まで吹き飛ばす!!
「・・・・・・ヘルのベルト、すげえな。」
元気は呆然と感想をこぼす。
「馬鹿、私たちも変身して行くわよっ!!」
かぱ子が元気の背をはたき、それぞれ敵の各個撃破へと向かう。
「この地を荒らしたお前たちを許さん、変身っ!!」
進太郎の叫びにベルトの髑髏が
「レ~~ッツ、断罪タ~~イムッ♪」
と熱い男性のアニソンシンガーのように叫ぶ!!
それと同時に、進太郎の周りの景色が変化した!!
・・・・・・それは、蝙蝠が飛び交う夜の西洋墓地。
進太郎の背後が揺れて、墓の一つからから金で装飾された黒い棺が飛び出す。
棺が開き、中から出た山羊の角を生やした白骨が優しく進太郎を抱き閉める。
白骨の頭が割れて進太郎の頭部を兜の如く覆い、他の骨も割れて彼を包む。
夜空から闇を流星の尾の如く纏った蝙蝠達が舞い降り、進太郎を包む。
そして、山羊の角と蝙蝠のバイザーの付いた兜と漆黒の鎧を纏った悪魔の如き
容貌の異形の騎士が現れた。
「・・・・・・魔界の力で悪を討つ、デーモンブリード見参っ!!」
マントを翻し、見得を切るこの間現実時間で1ミリ秒!!
「・・・・・・・貴様らが何者か知らんが、俺の裁きに慈悲は無いっ!!」
こちらの方が悪役のような台詞を吐く、進太郎の初変身だった。
敵もその名乗りと見得に呼応したのか?
「我々は、
この世界は我らがいただくっ!!」
ワカメの怪人が名乗り、ヒーロー達とネクロマーレの戦端が今開いたっ!!
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