1話 氷の街

 ペンキの剥げかけた寄合バスが、ガタガタと小刻みに揺れた。

 プシュウとバスから空気が勢いよく抜けるような音がして、動きをとめた。厚手のコートを着込んだ男がのったりと立ち上がる。物憂げな足音で後ろ側の扉から降りて行くと、ガラガラと閉まる音が妙に響いた。

 そんな光景を眺めてぱちりと瞬きをしたのは、茶色の髪に、青色硝子の目をした魔法人形だった。世に出ているほとんどの自動人形や魔法人形と違って、子供が抱くような大きさと変わらない。小さな彼女は一番後ろの席の窓辺にぴったりとくっついていたので、客たちが降りていくのがしっかりと見えた。

 彼らが歩いていく先はどんよりとした灰色の雲がかかり、ちらほらと白い淡雪が舞っていた。周囲に何もない道はまっすぐに伸びてはいるものの、薄闇にまぎれてしまっている。周囲はすっかり白く変貌して、色が消え失せてしまったように見えた。

 やがてバスが動き出すと、人形はくるりと後ろを振り向いた。


「リズ」


 そう呼んだ相手は、今度は新聞ですっかり隠れてしまっていた。

 古びた紙面には数々の文字が躍っている。


『星間管理局に再び泥棒、問われる管理体制。』

『悪徳トレジャーハンター二人組、手配金額が値上げに。』

『水晶採掘の街フリューリングの今に迫る。かつて水晶採掘で賑わった街、フリューリング。その街は現在、一年を通して冬に鎖され、水晶も住民も減っているらしい。氷の女王の呪いか、悪辣な採掘の報いか。』


 タルトは目を細めてじっとりと見た後、腰に両手をあてた。


「リーズー」


 二度目の声でようやくその文字がガサガサ言いながら下に向かうと、深い赤の髪をした少女が、同じような色の赤い目を向けた。


「どうしたのさ、タルト。外は楽しいのかと思ったけど」

「飽きたなんて言ってないわ。そうじゃなくて、今は、4の月でしょ」


 人形……タルトは旅の相方に、不可解な顔をして言った。


「どうしてこんなに雪が降ってるの?」


 タルトは本当に、本当に、わけがわからないといった顔をした。

 今は4の月。

 本来なら、花が咲き乱れて、太陽が降り注ぎ、虫が舞う季節だ。

 すっかり雪はとけて鮮やかな色をしているはずだ。それなのにこのバスときたら、まるで冬の中に逆戻りしてしまったような景色を映し出していたのだ。

 リズは新聞を畳むとバスのソファに置く。椅子に座り直すと、着こんだ厚手のコートを引っ張った。


「いや、売らなくて良かったよね、本当に。ああ、コートの話」


 そう言うリズはマフラーも完備していて、あと帽子と耳あてさえあれば完璧、といった有様だった。まったく冬から抜け出していない。かくいう人形――暑さ寒さはあまり関係ない――であるタルトも同じような恰好なのだが、それはリズ曰く「見た目が寒い」という一方的な理由からだ。

 とはいえこの恰好も気に入っていたから、悪い気はしなかったのだけれど。


「ま、次の目的地に行けばわかるさ。もうこの景色からわかると思うけれど」

「ずいぶんと寒いところなのね? まだ冬が終わってないみたい」

「そうだね。話によると、一年中雪が降ってるらしいよ」


 肯定するリズの言葉はずいぶんと含みを持っていた。

 どういうことなの、と聞こうと思ったが、その前にガタンと音がしてバスが揺れた。


「それにしても酷い道だ。こんな雪だっていうのに」

「……このバス、大丈夫なの?」


 タルトは小さな両手を伸ばして、「だきあげて」のポーズをした。外でどんな道を通っているのかわからないのは不安だったが、窓にくっついているよりは、リズに支えてもらっていた方が落っこちる危険も少ないのだ。

 膝の上に乗せてもらった後で、なんでもない風を装ってリズの腕に手を乗せた。

 おんぼろバスの行程は不安なものだったが、次第に静かになってきた。時間の感覚があいまいになって、ついうとうととし始めた頃、今度はようやくバスがとまった。

 リズが荷物を取り出して立ち上がり、タルトを抱き上げてバスから降りた。冷たい風が吹きすさび、ガラガラと後ろで扉が閉まった。バスの運転手に軽く手を振ると、軽く手を挙げ返したのが見えた後に行ってしまった。

 吐いた息が白く舞い上がる。寒さはわからなかったが、本当に4の月とは思えなかった。

 後ろには白い雪の混じる霧の中を縫うように、白い森が広がっている。積もった雪が木々の上に広がって、完全に色を塞いでいる。森の入口には、バスの停留所の看板が、錆びついたまま突っ立っていた。その隣にある木製の案内板には、「水晶の街・フリューリング」とあった。雪に埋もれた石畳がうっすらと見えている。昔はりっぱだったのだろうけども、今はすっかり古びてしまっているようだ。


「すいしょうのまち?」


 リズに抱えられたまま、タルトは怪訝な顔でそれを読んだ。

 水晶の街というより、雪の街とか氷の街とかいった方がぴったりだ。


 石畳は掃除されてはいたものの、かんぺきではなかった。溶けた雪が少し凍っているのか、さくさくと音がする。雪はちらちらと降っていて、やむ気配がない。森の向こう側も相変わらずの霧で、視界はやや悪かった。それでもなんとか整備されたような道を歩いていくと、霧の向こうにうっすらと巨大な木の門が現れた。門には青いペンキか何かで、円の中に角ばった雪の結晶の絵が描かれていた。

 霧の中から唐突に現れたような門に近づいていくと、タルトは思わずぽかんとしながら見上げてしまった。リズはそんな人形は気にせず、門に備え付けられたカウンターに近づいた。

 コンコン、と軽くカウンターを叩くと、霜が降りて白くなりかけた窓の向こうで人が動く気配がした。ガラリと窓が開く。毛糸の帽子に、顔の下半分を髭で覆った老人が、白い息を吐きだしながら顔をのぞかせた。


「旅人さんかい」――低い声だった。

「うん。旅人を受け入れてはいる?」


 答えはなかったが、彼は古いクロスワードの雑誌を横に押しやると、代わりに古びた黒い帳簿のようなものを取り出した。ごつごつとした手が小さなペンを取り、軽くその先を舐める。小さな目が二人を見つめた。


「二名。名前は、リズとタルト。滞在期間は決めていないんだけど」


 ちらりと帳簿を覗くと、旅人がやってきているのは随分とまばらだった。二人の前にも二人ほど旅人が来ているようだったが、その前は随分と間が空いていた。

 今日の日付と二人の名前が無事に記録されると、老人は立ち上がって小さな部屋に備え付けられたハンドルの前に立った。ハンドルが回されると、それに従ってぎぃぎぃと木のこすれる音が響き、大きな門の片側が開きはじめる。


「おお…」


 大きな木の扉が向こう側に開いていくのはとても迫力があった。

 どこまで開くのだろう、と見上げていたが、老人がハンドルを回し終えた頃には、人ひとり分が通れるほどの隙間しか開いていなかった。おや、とリズが老人の方を向く。


「悪ぃな」と、窓から老人の声がした。

「この寒さで扉の方がガタがきている。これが限界だ」

「なるほど。……わかりました、ありがとう!」


 リズが声を張り上げたので、タルトはその代わりに、小さな手を振った。

 老人は手を振り返してはくれなかったが、ちらりとこっちを見た気がした。

 開いた隙間は、扉に比べると小さなかったが、タルトはリズに抱えられていたし、リズ一人が通るには苦労しなかった。


 こうして二人は、いまだ雪降るフリューリングの街にやってきたのだった。


 雪の積もる街の玄関口へと足を踏み入れると、円形の広場がすぐそこにあった。中央にはツルハシを持った古錆びた背の低い鉱夫らしい銅像が、寒そうに突っ立っている。土の民に似ていたが、単に小人のようにも見える。街の象徴には違いないだろうに、それを伝えるためのプレートも薄汚れてしまっている。


「”水晶は堅く、頭は柔らかく”? ……って、なぁに、これ」

「さぁ?」

「そもそもドワーフっぽいけど、守り神の代わりなのかしら」


 辺りを歩く人々は、みな一様に同じような帽子を被り、厚手のマントかコートを着込んでいる。二人の姿に気付いた住人は、物珍し気にじろじろと見るか、すぐに目を逸らすかのどちらかだった。

 顔をあげると、まっすぐに続いている道の両側にはレンガ造りの茶色い家々が並んでいる。一応メインストリートなだけはあるらしく雪かきがされているが、どれもこれも雪が積もって、みんな同じ建物にしか見えなかった。タルトは目をぱちりとやってから、更に奥へと視線を向けた。すると、今度はそこに異様なものが建っていた。

 街の更に奥、白い霧の向こうに、青い城が聳え立っていた。

 霧の中だというのに、城と、左右の角にある四つの尖塔とが、しっかりとその存在感を誇示している。そしてその城は、凍り付いたように異質な存在感を放っているのだった。

 目を逸らそうと思っても捕えられたように動かなかった。


「行こうか」


 リズの言葉ではっと我に返ると、抱えられた腕を掴んで、返事の代わりにした。

 メインストリートは、商店街のような印象を受けた。出店の類はないが、ほとんどの建物のドアの上に看板がつけられて、何を扱った建物なのかを主張している。この街では肉や野菜も屋内で売っているらしく、動物や野菜の描かれた看板が雪に負けじと色合いを見せていた。

 それでも一番多いのはアクセサリーだった。

 水晶の絵を描いた看板はもとより、きらりと煌めく光の形を象ったもの、デフォルメされた鉱夫、水晶そのものをかたどった看板まで、考えられる限りの装飾店が並んでいた。ショーウィンドウには水晶で造られた花が所狭しと並べられている。


「これっ…これ、作ったものなのかしらね?」

「ここでは水晶で花を作るのが主流というか、目玉みたいだね。昔は随分と水晶採掘で賑わったみたいだし。新聞にあったろ。ほら、ここ」


 ――新聞を読んでたのはリズでしょ。

 タルトは思わず言いかけた。

 リズが示したのは看板の隅っこで、そこには同じ、青いダイヤ型のマークが描かれている。水晶の結晶を模しているんだろう。


「正規の採掘許可を持っている店は、みんなあれがついてるみたいだ。とはいえ……」


 ぐるりと周囲を見回すと、いくつかの店はドアに木の板が打ち付けられていた。正規の店も、正規ではない店も、今はほとんど変わりない。開店している店でもダイヤ型のマークが掻き消えたまま放置されている店もあって、閉店したものは、それはそれで次の借り手がいないまま放置されているようだった。


「……水晶の街より、やっぱり氷の街みたい……」


 垂れ下がったまま掃除するもののいない氷柱を見ながら、タルトはひとりごちた。

 飽きたように青色硝子の目がぐるりと見回すと、不意に大きな立看板を見つけた。立看板は黒板のようで、雪に負けずに白いチョークで「ランチタイム」と書かれている。その下に書かれているのはメニューと値段のようだ。ドアの横の看板には酒瓶が描かれている。

 タルトの視線の先に気付いたリズが、目ざとく看板を見つけて近寄った。


「これって、酒場?」

「カフェバーってところだね。営業時間中みたいだ。寄っていいかい?」

「……宿を先に探さなくて、大丈夫なの?」

「長距離バスは疲れるしね。宿屋の場所も聞けるからちょうどいいだろ?」


 そうは言うものの、うきうきしながら言うリズに、タルトは溜息をつきかけた。

 本心では、「お腹が空いてたら、探すものも探せないよ」と言いたいのがひしひしと伝わってきた。


「ううん……」


 タルトの返事も聞かず、声にかぶさって錆びついたような鐘の音が響いた。ほの明るい店内が目に入ったところを見ると、リズはとっくに扉を開けてしまったらしい。こざっぱりとした空間が広がってはいたものの、四つほどあるテーブル席にも、カウンターにも誰もいなかった。

 壁の暖炉からはパチパチと火のはぜる音がしている。外よりは暖かい事は確かで、リズが背中でほうと息を吐いたのが聞こえた。木製の床と革靴の音が重なり、重い音が響く。


「……誰もいないのかしら?」

「すいませーん」


 奥へ向けて声をかけると、次第にパタパタと忙しそうな足音が聞こえてきた。


「はーい、はい、ちょっとお待ちくださいねー!」


 奥から出てきたのは大きな箱だった。

 もとい、大きな箱を二つも抱えて運んでいる女性だった。

 彼女は木箱を床に置くと、ふぅっと息を吐きだした。


「ごめんなさいね、この時間ってほとんどお客さんいないから」


 三角巾をした、茶髪に茶色い目をしたスレンダーな女性だった。長い髪を後ろで一つにまとめていて、顔立ちは整っているが快活そうで、服に隠れた細身の体からは力強さを感じる。


「ええっと…、旅人さん? どうぞ、座って!」


 そして旅人と住民を一目で突き止めることのできる目を持っているらしかった。赤い髪と魔法人形の組み合わせに驚いたのかとも思ったが、それでもタルトは不思議な表情をしたのを見逃さずに言った。


「あたしはこっちでいいかしら?」


 タルトが声をあげた時の顔と言ったらなかった。


「魔法人形さんだったのね!」

「あら。あたしのこと、なんだと思ったの?」

「気が付かなかったのよ! ――ごめんなさいね。水は二つ必要だった?」

「あたしは気にしないから大丈夫よ。おかまいなく!」


 タルトはすまして答えた。

 リズはコートを脱いでイスの背にかけ、その間にマスターと思しき女性は水の入ったコップをカウンターテーブルに置いた。

 リズが水を手にしながらぼやく。


「キミは何処でそういう言葉を覚えるんだろうね」

「見てればわかるわよ」

「仲いいのね。これ、メニュー表渡しておくわ。今の時間はお酒を出してないから、飲みたかったら夜にまた来てくれると嬉しいかも。旅人さん、暫く滞在するの?」

「その予定よね?」

「うん。いつまでっていうのは決めてないけど」

「……旅人さんって呼ぶのも不便ね。二人いるんだし――あたしはシキ。もうわかると思うけど、このお店のマスターよ」

「リズ。それで、こっちがタルト」

「リズちゃんと、タルトちゃんね」


 見上げると、予想外のちゃん付けにリズがまったく動かないままに戸惑っていた。その赤い目がメニュー表に向いたまま止まってしまったので、仕方なくタルトがシキの方を向いた。話を変えるように口を開く。


「ところで、この街について聞きたい事があるんだけど」

「あら、何?」

「いろいろあるんだけど……どうしてこんなに雪が降ってるのかとか、水晶の街だけど、お店も閉まってるところが多いみたい?」


 タルトはすぐに答えが返ってくると思ったが、それは間違いだった。


「そうねぇ、色々言われているけど……本当のところは誰もわからないのよ」


 シキは少しだけ困った顔になって続ける。


「この街が一年中雪に覆われてるのは知ってる? ――そう、知ってるなら話が早いわね。この街が水晶採掘で賑わっていた頃は、そんな事はなかったらしいの。こんなになってしまったのは、もうずいぶん昔、百年は前の話よ。でも、一番有名なのはこんな話ね」


 隣で、リズがメニュー表から目線を上に挙げていた。


「水晶鉱山は元々、街の向こうに見えるあの青い、氷の城の女王様のものだったらしいの。当時は四季もあって、人々は女王との契約に基づいて、装飾品を作っていたのね。有名なのは花の細工。――見てきたなら話は早いけど、細工屋に必ず一つはあるものよ。


 話はここから。そこに住んでいた氷のお姫様が、ある時街の男の人と恋に落ちたの。よくあるお話よね。

 けれど女王様はそれを許さずに、彼を氷漬けにしてしまった。それを悲しんだお姫様は、街を氷漬けにしてしまった。その嘆きは自分にまで及んで、彼が贈った宝物と一緒に眠ってしまった。それ以来、この街は一年中雪が降る、氷の街になってしまった――」

「ロマンチック!」と、タルト。

「悲恋ではあるわね。私たちは「冬の物語」って呼んでるの。今もあの城には、宝物が眠ってる、なんて話もあるわ。信憑性はどうかと思うけど」


 お宝については信じていないらしく、シキは苦笑している。

 隣では、リズが何も言わずに頷いていた。


「……女王様はどうしたの?」

「お姫様が眠ってしまった事で、それを嘆いて城からいなくなってしまった。…と、続くらしいわ。ほとんど伝説みたいな昔話だけど……いなくなってしまったのは事実みたいね」


 タルトが興味深そうにじっと見つめていたのに気が付いたのか、笑って続ける。


「あたしの死んだ父さんが、この辺りの伝説を調べててねー。こういう話は昔から聞かされてたわ」

「そうなんだ……」

「でも、こんな雪だけど、一応なんとかなってるし。不自由ってほど不自由はないわ。それを抜かしたら、寒いだけの田舎町だけど」

「でもあたし、こういう雪の街も好きよ。滅多に無さそうだし、珍しいもの。いいんじゃない?」

「いいもんか!!」


 突然、シキとは違う声が響き渡った。

 声の主を見ると、上の階へ続いている階段に、リズよりも小さな男の子が立っている。他の住人と同じように帽子を被ってマントを羽織っているが、手には土の入った鉢を持っている。


「ルネ!」


 シキが叫ぶ。


「どこがいいんだよ! 珍しいのがそんなにいいってのか!?」

「ちょっとルネ、お客さんに……」

「姉ちゃんも姉ちゃんだ。ただの旅人にわかるもんか!」


 叫ぶと、男の子は椅子の間をすり抜けて、ドアへと走っていく。


「ちょっと、どこ行くのよ!?」


 返事は無く、乱暴に開かれたドアは同じように閉まった。

 錆付いた鐘の音が静かになった頃、シキがため息がついた。


「ごめんなさいね、二人とも。気にしないで。あの子最近、ずっとああだから」

「今のは?」と、リズ。

「ルネって言ってね。私の弟なんだけど……」


 ううん、と言葉に詰まってから言葉をつづける。


「……あの子ね、花を咲かせようとしてるのよ」

「花?」

「うちの母さん、体弱くて。元気付けようとしてるの。でも、ここじゃ中々咲かなくて。繰り返してるうちに、ちょっとね」

「でも、冬に咲く花もあったはずじゃ?」

「この街はね。寒すぎて、冬に咲く花さえ、つぼみをつける前に死んでしまうの。虫や鳥だって一匹もいない。たとえ暖かい室内でもね。まるで何か……」


 シキは、その言葉の続きは言わなかった。

 でも、言いたいところは何となくわかった気がした。

 リズは質問を変えた。


「それじゃあ、あの花の種は?」

「……父さんが見つけてきたのよ。だから……、あ、ごめんねこんな話。それより、メニュー決まった?」


 リズはその返答に、ただ無言で頷いた。

 タルトは何も言い返せずに、俯いていた。

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