???

 もう少し、もう少しで準備が整う。

 この地獄に自分達が壊れなかったのはこの地獄に来る前にいたのも、また地獄だったからだったのだろう。

 どれだけ苦しみ続けたか、どれだけの同胞が惨たらしく殺されていったか。

 待っていろ人間共。

 何も知らない、何も知ろうともしない、知った所で何をするわけでもなく自分達を見て嘲って来た、その報復を受ける時を。

 その時を思い浮かべた瞬間、笑い声が込み上げてくる。

 一度笑い出すと止まらなくなる、どうしようもないくらい、おかしい。

 自分の笑い声の合間に数年前に行方が分からなくなった、生きているかどうかすら分からない親友の声が、聞こえた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る