第2話 名門
百合崎恵子は名門白百合学園のアイドル的存在。
祖父は、百合崎龍玄で百合崎グループを一代で築き上げた豪腕の持ち主である。
父の龍之介はその次男。
龍玄には、5人の子供がいる。
彼は子供達に帝王学を学ばせ、百合崎グループの中枢を任せていた。
長女の龍子は、社会の情報を集めるIT企業の風雲児、天神清隆と結婚させた。
次女の洋子は、世界的ホテルチェーンの御曹司トミー・ジョーンズに嫁がせた。
長男の隆一は、東大の医学部を卒業させ遺伝子やケミカルにも強い百合崎総合病院を任せている。妻には国会議員最大派閥の森村劉生の娘をもらっている。
そして、龍之介にはハーバード大学からハーバードビジネススクール。
世界の経営学(MBA)を取得させ、名門白百合学園の経営を任せている。
三女の美咲は、それらを嫌ってパリに飛びファッションデザイナーになった。
恵子は父がまだ大学生で、アメリカのボストンで勉強している時に生まれた。
百合崎家の者は幼少より帝王学を学ばされる。
慶応の幼稚舎から高校まで、大学はハーバードに留学が決まっていた。
家庭教師が子供達それぞれに付き、語学・作法・マナーとどこに出しても恥ずかしくない教育を受けて育つ。
アメリカのホームステイ先にはボストンの財閥クロホード家が選ばれていた。
そこの娘クリスティと恋に落ちたのは、親の策略か。
ハーバード大学をそつなく卒業し、大学院であるビジネススクールにてMBAを取得した龍之介は、クリスティとの間に一子をもうける。
父龍玄の要請で、親子3人で帰国。
名門と呼ばれる白百合学園の経営を任される事となる。
母クリスティはとても活発で楽しい人。
アメリカ人らしく、発想が自由でよく周りの者を慌てさせていた。
恵子もバイリンガルで、物怖じししない美人タイプ。
スタイルもよく、みんなに好かれてよく笑う子供だった。
父親の経営する白百合学園は、幼稚園から大学まで一貫教育の名門・財閥・良家の子女・子息が通う超エリート学校。
当然、恵子の存在は注目の的となる。
その恵子が、家庭教師に恋をした。
家中が大騒ぎ。
大反対を押し切って、家出をしたのが恵子18歳。
波乱の幕開けである。
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