第11話決戦の地へ
ユウヤがケンドールを倒すその少し前、マリア邸ではー。
「ワーちゃん。もしかするとあいつらはワーちゃんの力が必要になるかもしれない。力を貸してやってくれないかい?」
「ギャウ!」
「ありがとう、良い子だね。これを持ってお行き、みんなによろしくね。」
マリアはワーちゃんの首にバッグを掛けるとワーちゃんは城へ向かって飛んでいった。
「ギャオオオウ!」
「頼んだよ、ワーちゃん。さて、いつまでも隠れてないで出てきたらどうだい?」
「さすがですね、マリア様。お久しぶりです。」
「おや、ずいぶん久しぶりだね。しかし、再会を祝うような雰囲気じゃないみたいだが?」
「ええ。申し訳ありませんが死んでいただきます。」
「それはまた物騒だね。・・・私が何もせずただ殺されてくれると思っとるのかい?」
「まさか。ですが、確実に殺してみせますよ。」
「生意気な小僧だね!!」
「・・・。あと少しであの御方の・・・」
マリアを殺し謎の男は去っていった・・・。
時間は戻ってー
王都エデン城下町。
「街中を通ってみたけどやっぱり街の人も兵士達もみんな石になっているね・・・。」
「ひでぇな・・・。」
「・・・。」
石にならずに隠れてる人がいるかもしれないと思い町を隅々まで探したがやっぱりみんな石になっていた。ケンドールが言っていたあの御方がこの世界を無に還そうとしてるって、もしそれが本当なら止めないと。
「こんなの絶対間違ってる!」
「そうだね。僕達で絶対阻止しないと。」
「早いとこ婆さんのとこに行こうぜ。あの御方とやらがまたなんかしでかす前に。」
俺達が王都を出る頃ちょうど朝日が昇っていた。少し歩くとモンスターらしき雄叫びが聞こえた。
「ギャオオオウ!!」
「こんな時にモンスターか!?どこにいやがる!」
「いや、モンスターだけど味方だよ。」
俺とアリックが空を見上げると俺達の頭上をワイバーンが旋回していた。
「ワーちゃんだ!」
ワーちゃんは俺達の前に降りてくると、首に掛けてあるバッグを受け取るように促した。
「これは?」
アリックはバッグを受け取り中を確認すると手紙と食料が少し入っていた。
「手紙?」
『アリックへ
この手紙を読んでいるということは無事王都から出られたってことだね。そして剣に触ったと思うが、恐らくマニア神の力を受け継いだモンスターの居所の見当がついたんじゃないかと思う。そこに行くには歩きだとかなり遠いからね。ワーちゃんに乗って行っとくれ。剣が抜けたかは分からないがきっとやってくれると私は信じてるよ。』
「へっ。お見通しか。」
「おばあ様、ありがとうございます。絶対阻止します。」
「ワーちゃん連れていってくれる?」
「ギャウ!」
ワーちゃんは姿勢を低くして乗れと言わんばかりの表情を浮かべている気がした。
「頼むぜワイバーン!って、危なねぇ!」
ワーちゃんはゴードンさんに対して噛みつこうとした。
「きっと名前を呼んでくれないのが気に触ったんだね。ワーちゃん。」
「ギャウ!」
「俺様は絶対言わねぇからな。」
俺達はワーちゃんの背中に乗り、あの御方がいるであろう場所へ向かった。
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