第七話 これが今の俺のステータス……

そう言って受付の女性が持って来たのはこれまた定番の水晶だった。

やっぱり水晶でステータスとかを調べるのって定番だよね。


「ではこの水晶に手をかざしてください」


当たり前なんだが、その水晶はよく見かける普通の水晶とは違った。

うん?当たり前なのか?

なんと言えばいいのだろうか。

女性が持って来たそれは、デカイ水晶が真ん中にあってその水晶の周りを金色の針がフワフワと飛んでいる。

おお、飛んでるよあの針みたいなの。


「右手でも左手でもどちらでもいいんですか?」

「出来れば利き手を方をお願いします」


俺は右利きだから右手だな。

神様からの貰い物はあの変な呪いだけどもしかしたら俺のステータスは素晴らしいほどのチートになっているんじゃないかな?

そうだといいなー。

いや、そうであってくれ!


右手をかざすと水晶が光ると同時に金色の針みたいなものも光って勢いよく水晶の周りを回り始めた。

おお!なんか凄い!

これぞ異世界!的な感じがバシバシと伝わってくる。まぁ、こんな感じなるのは俺だけだと思うけど。


水晶の周り回っていた針が止まり、水晶には金色が見えた。

その金色は原型を留めていなようで、まるでアメーバみたいだ。

そしてその金貨が徐々に形を成していき、いつの間にかカード型になっていた。


ビュンッ


急に水晶からそのカードが飛び出した。

その飛び出しカードは綺麗な弧を描いた後に受付の女性の手に見事に収まった。


「はい、ありがとうございました。ええと、サイトウ トシカズ……さんですね。このカードには貴方のステータスが現されています。ご確認下さい」


へえ、どうやらあの水晶はステータスとかをカードにして見れるようにする物なのか。

流石は異世界!

では、早速俺のステータスを確認しますか。

きっとどれもチートになっているんだろーなー。

どれどれ〜。

俺は受け取ったステータスが書かれているカードを見る。



サイトウ トシカズ 16歳


『Level 1』


『種族』 人間

『職業』 冒険者


『攻撃力』 100

『防御力』 100

『敏捷力』 100

『魔力』 100

『体力』 100

『運』 100


『魔法』 なし

『スキル』 なし



ふむふむ、なるへそ。

この魔法やスキルていうのはまだ覚えていなから「なし」というのは仕方ないが、俺の【呪い】がどこにも書かれていないな。

もしかすると、【呪い】というのはこのステータスには書かれないのかもしれない。

ステータスというか、このカードにだけど。


けど、この俺のステータスはオール100だな。

これはこの世界においては高いのか?それとも低いのか?


「あ、このステータスの説明は必要ですか?」

「是非、お願いします!」


女性は俺の興奮した声に少し戸惑いながらも「では……」と説明を始める。

仕方ないだろ。

異世界好きの人にとってこんなステータスとかバリバリ異世界のものを見せられて興奮しない人なんているか?

いや、居ない!

まあ、実際に色々と聞いてみないと分からないからな。

しっかりと説明を聞こう。


「攻撃力とはそのままの意味ですね。魔物やモンスターなどのものに対しての攻撃の威力の数値です。防御力とは相手から攻撃を受けた場合にたいする身体の防御を数値化されたものです。続いて体力というのは自身の身体の耐久度の数値です。魔力というのは自身の体内にある魔力ですね。その数値はその魔力量です。敏捷力とはいうのは簡単にいうと素早さのことです。移動をする時や相手の攻撃を避ける時の限界の数値ですね。最後に運というのはご本人の運が数値化されたもので、それだけです」


まあ、大体分かったかな?

うーーん、微妙だ。

俺、高校では成績の順位は下の方から数えたほうが早かったからなー。

俺は頭が悪いんだー!


「見たところサイトウ トシカズさんのステータスは全てが100でしたので、魔法使いや戦士どちらを選んでも問題はありませんね。あ、因みにステータスというのは平均がおよそ100ぐらいなのでサイトウ トシカズさんのステータスは平均並みですね」


グハッ……平均かー。平均なのかー。

平均て良く言えば皆と同じで悪く言えば皆と同じなんだよなー。

て皆と同じしか言ってないじゃん!

バカか!俺は。バカだったわ俺。

うん、俺的には平均ていうと悪い意味として捉えるからなー。

仕方な〜い、仕方な〜い。


「もう少し詳しく知りたい、魔法やスキルなどを使えるようにしたいなどがご希望でしたら是非セミナーを受けていってください。きっと役に立つと思いますよ」


ふむ、セミナーか。

そういえばアリシアさんも魔法をおしえているって言ってたっけ。

戦士か魔法使いどちらになりたいか、か。

俺は勿論魔法使いだぜ!

異世界ていったら魔法だろ!

戦士も捨てがたいがやっぱり魔法を使ってみたいからな。


「あの俺、魔法のセミナーを受けたいんですが。今すぐて出来ますか?」

「魔法ですか……それなら先程帰って来たアリシアさんに教えてもらうというのはどうでしょうか?彼女は実戦の方はあまり得意ではなくても教えるのはとっても上手ですよ」


なるほど、アリシアさん教えるの上手なのか。

よし、それを受けようか。


「じゃあ、それを受けます」

「はい、分かりました。ではアリシアさんに連絡をしておきますので準備に少し時間が掛かってしまいますので、しばらくお待ち下さい」


ヨッッシャー!

魔法だ!遂に魔法を覚えられる!


「では、セミナーの料金として二万オンス頂くことになります」

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