第五話 冒険者ギルドに行こうか
さて、呪いの詳細が解りましたね。
けど ……うん、結構なアレだね。
うん、アレだね。
……後からゆっくりと考えようか。
今考えるのは面倒くさいからね、色々と。
さてさて気をとり直してと、ここは異世界だ!
異世界ならば冒険者という職業がある筈!
……多分。
あるだろ、冒険者ていう職業?ぐらい。
あの女神様も言ってたしな、魔王がいるとか。
魔王がいるなら必然的にモンスターもいる筈!
……多分。
とにかく冒険者ギルド?があると思うからそこに行ってみようか。
それにしても、神様も下着は身に付けるんだな。勉強になったね。なんの役に立つかはわからないけど。
そっか、下着とか身に付けて無かったら変だよな。
只の痴女か、もしくは只の変態だな。
「そ、それでどうなのですか?どうなってるのですか?その紙は!何故光っているのでしょう!?」
お、おう。すっかり忘れてたぜ、それ。
それにしても凄い食いつきようだな。
紙が光るっていうだけでそんなにも珍しいものなのか?
なんて説明しようかな。
本当のことを言っても信用はしないだろうな「神様からの手紙です」とか。いや、別にそれは言わなくてもいいか。じゃあ
「こ、これはですね、魔法が付与されている紙なんですよ。時々光る事があるんです。さっきみたいに」
魔法が付与されてる、とかよくありがちなものだからな。
これで納得したか?
……いや、まてよ、ここが異世界とは解っても魔法が一般的になものになっているとは限らないだろ。
逆に怪しまれたらどうするんだ!馬鹿か俺は!
「ほえ〜。やっぱり魔法が付与されていたんですね!凄いな〜いいな〜〜」
良かった。この世界では魔法が一般的になっているようだ。なっていなければもっと違うことを言われただろうからね。
「魔法が付与されているって、そんなにも凄いんですか?」
「当たり前じゃないですか!物に対しての魔法の付与は技術的にとっっっても難しいんですよ!知らないんですか!?」
ズイズイと顔をこちら側に寄せてくる。
それに併せて胸の方も、タプタプと揺れている。
……凄い迫力だ。
あ、顔の方だからね。胸の方じゃないよ!
「す、すいません。あまり魔法のことは知らないんですよ」
なにしろ、たった今異世界に来たばっかりだからな。
「仕方がないですね〜。私が魔法のことを説明しますよ〜」
いや、別に説明してくれとは言ってないんだが。
「いいですか?まず魔法というものはですね、様々な種類があるのですよ。その中にある内の付与という特性を兼ね備えている魔法が付与魔法と呼ばれています。本来、付与魔法というのは仲間に掛けるものなのですがこれは物に対して付与魔法を使うよりも簡単です。その理由は……」
「も、もう大丈夫です。ちゃんと分かりましたから」
このままいくと説明が長引きそうだったからね。
「もう、説明はまだ終わってませんよ!だからですね、その理由は……」
「いやいや、も、もう充分です。ありがとう御座います。で、では自分は用事があるのでこの辺で」
説明が終わるまで返してくないよ、あの様子じゃ。
「用事ですか?どこかに行かれるんですか?」
「ええ、冒険者ギルドに行こうかと思いまして」
「冒険者ギルドですか。それじゃあ私と一緒ですね。さあ、行きましょうか」
「貴方も冒険者ギルドに行くんですか?」
「はい。私、冒険者ギルドで働いていますので」
マジか!?働いているの!?
「え、冒険者ギルドで働いているんですか!?」
「はい!働かせてもらってます!」
冒険者ギルドで働いているのか。
はっきり言って驚いた、こんな美少女が働いているのが冒険者ギルドなんて。
まあ、冒険者ギルドというのがこの世界にあったことを良しとしよう。
まだ、この辺の地理は全く知らないから冒険者ギルドの場所を知っている人にいきなり会えて良かった。
……あんな出会い方だったけどね。
「えっとじゃあ行きますか、冒険者ギルドに」
「はい!行きましょう!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今更になってだが、自分が着ているのは制服だった。
異世界に来る前の世界、つまり地球に居た時の学校の制服だ。
ネクタイをしていない人には理解出来ないと思うがネクタイというのはハッキリいって苦しいのである。本当に邪魔だ、ネクタイなんかする必要があるのか?
だから、自分は今ネクタイを緩めている、すごく。
こっちの方が楽だからだ。
因みに俺が持っていたバッグとか本とかは持っていなかった。結構気に入っていたんだけな。
「ああ、そういえば自己紹介がまだでしたね。俺の斉田 利和ていいます。気軽にトシカズと呼んで下さい」
「じゃあ私のことはアリシアと呼んで下さい!これから宜しくお願いトシカズさん!」
これから?ああ、そうか。
彼女は冒険者ギルドで働いているのか。
それならこれからも何度も会うか。
……新鮮でいいな。
人と話すっていうのは、しかも家族以外で。
「はい。アリシアさん」
しかも彼女はとても可愛い。
髪は黄金の小麦を連想させるような綺麗な金色、それと同じく眼の色も綺麗な金色だ。
さらに胸がデカいうえにまさにボンキュッボンのスタイルの良さである。
今は冒険者ギルドへの道を彼女と一緒に歩いている。
自分達が居た場所からは冒険者ギルドは少し距離があるらしく20分程掛かるのだそうだ。
それにしてもこの世界の服というのは地球の服とあまり変わらない様にみえるが、やはり異世界というわけか地球ではみないようなアレンジも加わっていると思う。 最も俺自身が服についての知識が乏しいのでただ単に知らないだけかも知れないが。
先程からすれ違う人達もそんな服を着ていた。
アリシアの着ているの服も地球でよく見るような服に似ている。
異世界といっても服の技術は地球とは変わらないのかもしれない。
「あの、アリシアさん」
「はい、なんでしょうか?」
「自分はまだ冒険者として登録とかそんなことはしてないんですが冒険者になる為には何か必要なとのとかはあるのでしょうか?」
「成る程。トシカズさんはまだ冒険者じゃないんですね。じゃあここで冒険者登録をするということでいいんですね?」
「はい、出来ればそうしたいと思ってるんですが……もしかして出来ないんですか?」
そんな、もしここで冒険者になれなかったら違う街に行くという選択肢が出てきてしまう。
そんなことになったら面倒だ。
「いえいえ、勿論ここのギルドで冒険者登録できますよ。そうですね、冒険者登録に必要なものですか……強いて言えば登録料ぐらいですかね。冒険者登録は簡単にできますからね。まぁ、冒険者になってからが大切なんですが。あ、安心して下さい。そんなに高額ではないですから。せいぜい五千オンスぐらいですよ」
五千オンス?てどういこと?
……あ、そういえばここまで来るまでによく見かけていた野菜や道具などを売っていた露店?から聞こえてきたな。「これが今なら〇〇オンスだよー!買っていかないかー!」とか。
もしかてオンスていうのはお金の単位のことをいうのか?
よく小説とかの定番では銅貨、銀貨、金貨ていうけどこの世界では違うのかもな。
でも俺お金持ってないんだよな。
この世界に来たばっかりていうのもあるけどそれよりも来る時に女神の下着を見てしまった(不可抗力)から本来貰える筈の装備やお金を貰えなかったからお金が一つも無いんだよな。
「あの、俺今はお金が一つも持って無いんですけどどうすればなんとかなりませんか?」
「え!?お金無いんですか!?でも、登録料は絶対に払わなければいけませんし……」
まさかのいきなりピンチなの!?
どうしよどうしよ。
ズボンのポケットにでもなんか入っていなかったっけ?財布とか。いや、考えてみれば制服以外の荷物は持って来ていなかったんだった。
あれ?何か入っている?
今まで気づかなかったけどポケットに何か入っていた。
俺がポケットから取り出した物は色、形からどう見ても金貨だった。
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