第四話 まさか、異世界に来て早速とは……
頭が痛い。かなり痛い。
こんなに頭な痛いのって久しぶりかしれないな。
なんでこんなに頭が痛いんだ?
なんか変なことしたっけ?
たしか……電車に乗ってて……そこからの記憶がなんか曖昧だな。もしかして寝ちゃってたのか?
そうか、だからか。 変な夢を見た気がするのは。
……でも、その夢結構いい夢だったな。
念願の異世界にやっと行けることになったけれど神様から貰ったの変な呪いで、その呪いのせいで女神様っていう人?を怒らせてしまって装備やお金を貰えなくなったていう夢。でも、異世界には行けたんだよな?
散々な夢だったけど……もう一度続きを見たいな。
けど夢の続きなんてあんまり見れるものじゃないから無理だろうけどね。
明日も学校か……面倒くさいな。
これならホントに異世界に行きたかったよ。
呪いでもなんでもいいからさ。
ホントにさ、後悔だけが残るね。
でも、電車の中はこんなに眩しかったか?
太陽の光がまるで外にいるときのように眩しい。
何故電車の中なのにこんなにも眩しいんだろう?
しかも風が肌を撫でるように優しく吹いている。
電車の中……だよな?
そう思って右手を前に突き出す。
この行為にたいした意味はないが何かを掴めるかと思って手を出したんだと思う。
……夢を掴みたいな……異世界に行くっていう夢を。
馬鹿みたいだけどさ……。
でも俺の手は何も掴めずに空振りするだろう。
いや、物も夢も掴めない代わりに空気でも掴むだろう。
そんな考えとは裏腹に俺の右手はナニかを掴んだ。
モニュッ
なんだろう?
俺が前へと突き出した右手が不思議なものを掴んだ。
凄く柔らかくて自分の右手に収まらないくらいデカイ。
目は周りの明るさに慣れていないのでまだ閉じたままだ。
何を掴んでいるのか手の感触だけでは全然分からない。
ただ柔らかくでデカイ、それだけだけしか分からない。
少し興味が出てきたのでもっと右手を動かしてみる。
ムニュッモニュッモミュッムニュッムミュッ
やはり柔らかい。
そして飽きない。
手も疲れない。
その柔らかさが手を疲れなくさしている。
いつまでもこうしていられるほどだ。
だけど手を動かしてる途中に「ヒッッ」や「ンッッ」などが聞こえてくるのは何故だろうか。
しかもそれがまるで人の声……女性のような高い声に聞こえてしまうのは俺の気のせいだろうか。
よく考えてみたらラノベでよく主人公がヒロインに対していろんなこと(ラッキーなこと)をしている、………が!……まさか自分がそんことになるわけがないだろう。
きっと俺の気のせいだ。
これは多分……なにかだろう。……そう、なにかだ。
考えている間も俺の手は動きを止めない。
そんな安らぎの時間は易々と崩れていった。
「あの……そろそろ……私の胸から手を離して頂けないでしょうか」
「……え?」
俺は閉じてい目を勢いよく開けた。
俺の目に映るのは俺の右手が美少女の胸を鷲掴みにしているという、俺がこれまでの人生で体験したのことのない嘘のような光景だった。
「わわッ!……え?え!え!?えええーーー!?」
俺はすぐさまその少女の豊満な胸から右手を離した。
初めての体験だったので、もの凄く驚いた。
「え、えっと、と、とにかく、す、すいませんでしたーー!!」
即お辞儀をして謝りました。
これまでに自分の人生でしたことがない程の綺麗な90度のお辞儀をしたと思う。
なにしろ、あんなことをしてしまったんだ。
少女の胸を……揉んで……しまったんだ。
警察を呼ばれて引き渡されて豚箱に入れられ噂が広まり社会的に死んで裁判で負けて塀の中にインするんだ……俺は。
……しかし、柔らかかったなぁ。
「い、いえ、別に気にしないでください…….あれは私も悪かったと思いますし、悪気はなかったんですよね?……なら、それでいいと思います」
神か……神なのか……この女性は……。
こんなにも優しい女性がいたなんて……。
よくネットで見る女っていうのは満員電車でワザと痴漢に仕立て上げたりしするとかいう最低な印象があったけれど……この女性は……。
世の中……捨てたもんじゃないね。
「あの、ここって……一体どこですか?」
だが、ここで気になったことがある。
周りを見渡せばこの場所が自分の知らないところだと気づいた。
なんで知らない場所に自分のはいるのだろうか。
駅の中などではなくて外なのだ。
「え?ここ……ですか?……ここは街外れですけど……」
その顔はまるで「なんでそんな当たり前のことを聞くの?」というような顔だ。
少し心にグサッッときたよ。
どうやら、精神攻撃が得意のようだな。
心に思っていることが直ぐに顔に出るタイプなのかもしれないね、この少女は。
しかし、街外れ……か。
とは言っても今まで自分が見たことがない場所だ。
こんな場所は駅の近くになんて無かったぞ。
と、いうことは本当に異世界に来てしまった…?
いやいやいや、待て待て待て。
斉田 利和 16歳 高校生一年生よ。
落ち着け。落ち着きなさい。いくらなんでも現実と妄想をゴチャ混ぜにするんじゃない。
そう、これは俺の勘違いだ、勘違い。
「あの〜一つ先程から気になっていることをきいてもいいでしょうか?」
「え、ええ、勿論。いいですよ。なんですか?」
俺の勘違いは次の彼女の一言によって打ち砕かれた。
「その、貴方のズボンのポケットが先程から光っているんですけどどうやって光っているのか教えて貰えないでしょうか!」
「え?ウソ!?」
ズボンのポケットが光っている!?
一体どういうことだ?
ポケットの中には一枚の紙が入っていた、しかも光っている。
その紙には夢で見たものと同じことが書いてあった。
いや、夢……じゃないよな、現実だよな?
じゃあ本当に異世界に来たんだ!おれは!
ヒャッッホーー!サイコーだぜ!
しかも、神々からの贈り物っていうのもあったよな?たしか、呪い【ラッキースケベ】だっけか?
ラッキースケベなんて呪いじゃないよ。
最高のチートだよ。
だってアレだよ?漫画やラノベの主人公によくありがちなラッキーなスケベ的展開が起こるんだよ?
最高じゃーねーか!
これ異常ないくらい最高だよ。
うん?紙には続きが書いてあるな?どれどれ…
『まず先に異世界に無事に着いておめでとうございます。この紙は焼いたり破いたりしても元に戻り、捨てたり無くしたりしても自動的に貴方の元に帰って来るので安心してください。そして、呪い【ラッキースケベ】について。
この呪いは単に貴方が女性に対しての性的なことばかり起こる呪いではありません。どのようなことにもメリットとデメリットは付き物です。
メリットは書いてある通り、女性に対しての性的なことが起こります。これは不規則に起きるので一日に何回も起こったり何日も何も起こらなかったりとします。
デメリットについて。
一つ目はどのような女性に対しても最後の一線を超えてはいけません。もし、越えようとするならば神々からの天罰が下ります。死の危険もありますので、ご注意を。
二つ目は女性を助けてあげること。つまり、救いの手を差し伸べることです。ですが、これは貴方が助けたいと本心から思った人に限ります。これは貴方の良心が問われます。本当に助けるならばそれ相応の力が発揮されることでしょう。
今回のところは以上です。この紙は不定期にですが内容が更新されます。その内容はその度に様々です。ですので、絶対にこの捨てたり無くしたりしないでください。とっても大事なものですので。まぁ、貴方の元に帰って来るんですけどね。神々より』
……やっべー。マジで呪いじゃんコレ。
誰だよ、【ラッキースケベ】最高て言ったやつ。
俺だよ!俺ですよ!俺だけど!何か悪い?え!?
マジか、異世界に来て早速落ち込む羽目になったとは……。
いや、プラス思考にいこう!
そうだよ!プラス思考にしていればいいことがあるさ。
……あれ……?
今気づいたんだけどさ。
この……デメッリトのところに書いてあることって……つまり………俺は一生童貞のままってこと?
ウソだろ!マジか!マジかよ!
やっぱムリだわ!プラス思考。
デメリットがあるんだよね……。
やっぱり世の中良いことばかりじゃないってことか。
もっと違うのが欲しかったよ……。
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