第三話 女神様!?ウソですよね!?
「どうですか、我々からの贈り物は?お気に召しましたでしょうか?」
「え、ええ。お気に召しました。凄く良いと思います」
正直な話、良く思っていません。
だってもっと魔法とか武器とかあっても良い筈なのに何故に呪いになった?
呪いってあまり良いイメージがないんだよね。
「あの〜この神々からの贈り物って一体どうやって決めたんですかね?」
適当に決めたとか言ったらいくら神々でも怒るよ?怒っちゃうよ?
「はい、ダーツで決めさせて頂きました。何分贈り物と言いましてもかなりの数が御座いますので、贈り物を決めることは意外にも大変なのですよ。結果ダーツで決めよう、ということになりました」
………
ハッ!あまりの馬鹿馬鹿しさに言葉が出なかった。
まさか、ダーツで決めるとは。てっきり話し合いとかで決められるものかと思っていたが、まさかダーツとは。
……てお遊びじゃん!ダーツて!遊びじゃん!
まぁ神々からしてみればこんなことは遊びなのかもな。
納得する為に自分にとって良い言い訳をしていたら、
「あ、ごめんなさい。先程のことは冗談です。少し騙してみたくなりまして、すみません。フフフ。ダーツなんかで転生者への贈り物を決める筈がないでしょう、もう少し考えてくださいよ」
……やっべーな。あの女神、ちょっとウザいな……。
いや、ちょっとどころか、かなりウザい。
しかも女神なのに騙すとか…酷いな、最低だな。
「では、これから貴方を異世界にへお送りします。準備はよろしいでしょうか?」
よろしくねーよ!もっと強力な能力が欲しいよ!
「ではこのドアを通って下さい」
女神は椅子から立ち上がり、そのドアを指差した。
そのドアは電車が光の粒子へとなった時とは反対で集まって出来た。
これも魔法みたいなものなのかな。
そういえば服とかはこのままなのか?
「服とかはこのままなんですか?あとお金とかは貰えないのでしょうか?」
「安心して下さい。服やお金などはまた別に差し上げる事になっています。最低限の物資ですのでで」
ああ良かった。異世界に行ってもお金が無かったらいきなり野宿とかになる恐れがあるしね。
無一文から始めるのってほぼ無理だし。
「さぁ。ドアを通ってください。お金や服などは着いた時自動的に持っている筈です。幸運を祈っております」
こちらに近づいてくる女神。
「キャッ!!」
女神が盛大に転んだ。
昔の漫画でよく見かけるバナナを踏んづけたときの転び方をした、何もないところなのに。
「いったぁ〜い」
尻もちをついたので痛かったのだろう。
お尻を右手で摩りながら可愛いらしい声を出す。
だが丸見えだった。何かというと、女神の下着が。
短めのワンピースなので転ぶとすぐに見えてしまうのだ。
恥ずかしながらそれを凝視してしまった。
元の世界ではこんなハプニングは一度も体験したことが無かったから、思春期の男子高校生なら当然だろう。
当然ながら、すぐに女神に気づかれてしまった訳で女神はすぐさま裾を抑えて下着を見られないように隠した。
「全裸よりも裸を手や布で隠していた方が興奮する」という変な性癖を持ったような人たちが地球にはいたが、今ならその人達の気持ちが分かる気がする。
考えみて欲しい。
美女の女神が今自分の目の前で頬を赤く染め、涙目になりながら下着を見られないようにワンピースの裾を抑えながらこっちを向いている姿を。
ヤバイだろ?
「今、見ましたよね?」
「み、見たってなにをですか?」
「わ、私の……その……下着を……です」
はい、見ました。すいません。見てしまいました。
女神様に似合う純白の下着でした。とてもよくお似合いだと思います。
「早く異世界に行って下さい!早く!!」
うお!?女神様、怖いっす。
そんなに怒らないで下さいよ。
ただ単に下着を見られただけじゃないすか、そんなに恥ずかしいものなんですか!?
しかし、女神の憤怒の形相はあまりにも怖かった。
「は、はい、すいませんでしたー!」
俺はすぐにそのドアを潜った。
視界がさっきまでとは違う感じで真っ白になり、意識も遠退いていくのが自分でも分かった。
その掠れゆく意識の中で声が聞こえる。
「貴方への服やお金などは差し上げることは出来ません。私のあんな醜態を見たのは貴方が初めてですし、今までそんなことをしようとする神もいませんでした。いくら神々からの贈り物である【呪い】のせいであっても許すことは出来ません」
え!?あれって呪いのせいだったの!?
そういえば俺に贈られた呪いは【ラッキースケベ】ていうやつだったよな。
そうか……ラッキースケベ……か。
有難いと思っている自分もいるが、これからの自分の運命を心配している自分がいる。
これから念願の異世界生活が始まるのか。
楽しみな筈だったのに今は不安しかないのは気のせいなのか?
誰か……気のせいだと言ってくれ
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