第6話




「おはよう。」


「おはよう。」


瑠威がリビングに現れたのはいつもと同じく昼過ぎのことだった。

まだどこか眠そうな顔してる。

瑠威は完全な夜型で、明るいうちは調子が出ないってよく言ってる。




「お昼、何にする?」


「う~ん……あんまり食欲ないんだけど…」


「だめ!瑠威にはちゃんと食べさせないと、叱られるのは私なんだから。」


「はいはい。じゃあ…望結にお任せ。」


面倒くさそうにそう言うと、瑠威はソファにぐたーーっと寝そべって、ぼんやりとテレビに目をやった。




ママがいない時は、私が瑠威の世話をしている。

何でこんなことまで私が…?って思うこともあるけど、ママには女手一つで育ててもらい、今もまだ全面的にお世話になってるものだから、その恩義に報いるためにも、ママの言いつけは守らないといけないわけで…




それに、最初はちょっとだけ楽しくもあった。

だって、瑠威みたいなイケメンに、料理を作って出すなんて…

気分が悪いはずがない。

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