第5話

それにしても、ステージの瑠威は本当に格好良かったなぁ…

そりゃあ確かに普段から格好良いことは格好良いけど…普段とはやっぱり全然違ってた。

うちでは、たいていスウェットを着てるし、長い髪は一つに束ねてる。

もちろんお化粧だってしていない。

それでも格好良くて、最初の頃はどぎまぎしてしまったものだけど、ステージの瑠威はなんかもう人間離れしてるっていうか…言ってみれば、さながら天使様!?

まるで後光が射してるみたいに輝いて見えたんだもの。


でも、そんなこと、恥ずかしくてとても言えない。

いや、それ以前に、ライブに行ったことだって言えないよ。

さゆみに連れられて行っただけで、当日までシュバルツのライブだってことも知らなかった…なんて、きっと信じてもらえないし。




実は、私は二人のことを賛成してるってわけじゃない。

だって、ママは十五も年上で、私と瑠威はたった五つしか離れてないのに、そんな人がもしかしたらパパになるかもしれないなんて、やっぱり抵抗がある。

しかも、ヴィジュアル系バンドのヴォーカリストだなんて…

ない!ない!

私にはあまりにも不似合い過ぎる!

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