☆ 天使降臨
ある日、空が割れ、天使が堕ちてくる。
ところによっては真っ青な空だったようだ。
ガラスが割れるような、雷鳴が轟くような音がしたともいう。
その姿は伝説上の天使に特に似ているわけではないが、それでも共通点は数多ある。
背中というか、肩甲骨の上辺りから羽根のようなものが生えていたし、顔の眼と思える部分には、この世のすべてを見透かしたように透明で澄んだ冷たい瞳が覗いている。
重力をまったく感じさせないその体躯も他に喩える対象を見つけられない、あるいは見つけてはいけないような蒼く醒めた印象もしくは拒絶感を、たまたまその降臨を目撃したものたちに与えたらしい。
薄く透けた体表には、淡く、濃く、斑模様があり、ときとしてその色が、変わり、移り、光り、怖ろしくも、美しいようにも見える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます