第5話 俺はコスプレに興味ない

 結論から言ってしまえば、俺は賞金を手に入れた。

 しかも二万円という大金を。もちろん親には内緒だ。なんたって、賞金はコスプレコンテストなる大会で得たものだからだ。

 賞金を得た後、笹上と会うことはなくなった。どうやら俺がコスプレをして、気がすんだらしい。

「マック行こうぜ」

 なんて友人に声をかけられるほど、俺は日常を取り戻した。

 友人と会話を楽しみ、家ではゲームに明け暮れ、休日は昼まで寝るという、なんとも平和な日々である。

 そんな平和な日々が七月まで続いた。

 夏休みまであと一週間というある日、俺は屋上の日陰で携帯電話をいじっていた。

「どうも」

 と、話しかけられるまで、俺は携帯電話に熱中していた。

 視線を上げると、笹上がいた。表情はこれまた無表情である。嫌な予感である。

「どうも......何か用か?」

「ええ......また、手伝ってほしいのよ」

「手伝い? 俺はもうしないぞ」

「お願いします」

 笹上は頭を上げてきた。さらりと髪が流れる。

 勘弁してくれ。

 俺はコスプレに興味ない。

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女子高生の真実 梨兎 @nasiusagi

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