第10話 世話が焼ける

起きろ御主人、散歩に行くぞ。

ほぅら、いつまでもグズってないで早く起きろ。顔なめてやるからさ。


よぅし、それじゃ今日は少しペースを上げて走るぞ。

たくさん汗をかいて、そのみっともない腹をへこませないとな。

おっと危ない!御主人ストップだ!

ふぅ、もう少しで轢かれるとこだ。

こういう曲がり角では車に気をつけないとな。

さてそろそろ時間か、じゃあ公園行くぞ。


いたいた、ショコラちゃんと飼い主さん。

おいおい何突っ立ってボーと見てんだよ。あの飼い主さんのこと好きなんだろ?

さっさと行くぞ。そらダッシュだ!

ショコラちゃんおはよー!クンクンクン、ハフハフハフ、ペロペロペロ。

お、御主人の方も会話がはじまったな。


「えへへへ、ウチのバカ犬がいつもすみませんね」


なんですと?


「やんちゃすぎて世話が焼けるというか、やっぱこいつ去勢した方がいいんすかね」


う、ううう、御主人なんて、御主人なんて……。



「痛い痛い痛いッ!手を噛むなーッ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る